AtomVM: Elixir 用 main.avm の書き込み位置

はじめに

AtomVM 上で Elixir アプリ（main.avm）を動かすとき、パーティションテーブルと書き込みオフセット（flash_offset）を把握しておく必要があります。

それらがよく分からず何回かハマりました。

main.avm の書き込みに成功したあとに、AtomVM が別の場所を読みに行き、結果として何故かアプリが起動しないという状態になります。

同じことで時間を溶かさないためにメモしておきます。

※ 写真はイメージです

対象環境

• マイコン
  • ESP32-S3
• ホスト PC
  • Debian 系 Linux
• 主なソフトウェア
  • AtomVM 0.7.0-dev（開発版）
  • ESP-IDF v5.5

結論

見るべきポイントは 2 つです。

• idf.py partition-tableで main.avm の オフセット を確認
• Elixir 側（mix.exs）の flash_offset を、その オフセット と一致させる

ESP32 側

Elixir 対応イメージをビルドする場合は、
公式に従って sdkconfig.defaults ファイルで partitions-elixir.csv を指定します。

sdkconfig.defaults

+ CONFIG_PARTITION_TABLE_CUSTOM_FILENAME="partitions-elixir.csv"

Elixir側

Elixir 側では mix.exs に flash_offset を指定する場所があります。

パーティションテーブルを確認する

AtomVM の ESP32 プラットフォームのディレクトリで確認します。

cd ~/Projects/atomvm/AtomVM/src/platforms/esp32
source ~/esp/esp-idf/export.sh

idf.py partition-table

手元の構成（Elixir 用）ではこんな感じになってました。

*******************************************************************************
# ESP-IDF Partition Table
# Name, Type, SubType, Offset, Size, Flags
nvs,data,nvs,0x9000,24K,
phy_init,data,phy,0xf000,4K,
factory,app,factory,0x10000,1792K,
boot.avm,data,phy,0x1d0000,512K,
main.avm,data,phy,0x250000,1M,
*******************************************************************************

公式リポジトリにお手本（？）も見つかりました。

オフセットがズレたときの直し方

どこかで手順を間違ったのか
idf.py partition-table の表示で main.avm のオフセットが想定と違う場合がありました。

自分は次の流れで修正することができました。

cd ~/Projects/atomvm/AtomVM/src/platforms/esp32

idf.py fullclean # もしくは rm -rf build
idf.py reconfigure
idf.py partition-table

おわりに

AtomVM（Elixir）でアプリを書き込むときは、以下の 2 つを合わせるということを覚えておきましょう。

• idf.py partition-table の main.avm のオフセット
• Elixir 側の オフセット(flash_offset)

🎌 🎌 🎌