対象者
- Windowsのコマンドプロンプトのコマンドを簡易的にbashコマンドで置換(代用)したい方
- エイリアス(別名)設定のため、完全にはbashコマンドと一致せず、細かい動作が異なる点に留意すること
概要
- Windowsのコマンドプロンプトにおいて、コマンドの一部をエイリアス(コマンドの別名設定)でbashコマンドに置き換える方法を記載
- エイリアスの作成には、コマンドプロンプトでマクロを作成・起動する「doskey」コマンドを利用
- ウィンドウを閉じると設定が消えるため、コマンドプロンプト起動時にエイリア設定を読込むようにする
- 説明は、Windowsの「ターミナル」からのコマンドプロンプト使用を想定して記載。ただし、直接コマンドプロンプトを使用する場合も同様
設定方法
- doskeyコマンドをエイリアスとして使用し、bashコマンドを登録する
- まず、1. doskeyコマンドについて記載。その後、2. 起動時にエイリアスを自動で読込む方法を記載
- ウィンドウを閉じると設定したコマンド(エイリアス)が消えるため、起動時に設定を自動読込みする
- とりあえず設定したい場合は、2. を参照のこと
1. doskeyコマンド
doskeyコマンドの使用例を記載する。
以下では、1行目が記載内容、2行目がコマンド例
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コマンド(エイリアス)を設定方法
doskey "マクロ(エイリアス)名"="実行コマンド"
doskey ls=dir
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コマンドに引数がある場合
- 実行コマンドの後ろに"\$"を記載する。\$1, \$2は1つの引数、2つめの引数。\$*は任意の数の引数
doskey "マクロ(エイリアス)名"="実行コマンド" $1 $2 doskey "マクロ(エイリアス)名"="実行コマンド" $*
doskey cat=type $*
- 実行コマンドの後ろに"\$"を記載する。\$1, \$2は1つの引数、2つめの引数。\$*は任意の数の引数
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設定コマンド(エイリアス)の確認
doskey /macros
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設定コマンド(エイリアス)のファイル出力
doskey /macros > "出力先のパス"
doskey /macros > %USERPROFILE%\doskey_macros.txt ※ %USERPROFILE% は環境変数で、「C:\USER\"アカウント名"」を意味する
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コマンド(エイリアス)の設定ファイルの読込み
doskey /macrofile="ファイルのパス"
doskey /macrofile=%USERPROFILE%\doskey_macros.txt
2. コマンドプロンプト起動時のエイリアス設定の自動読込み
- ウィンドウを閉じると設定したコマンド(エイリアス)が消えるため、起動時に設定を自動読込みする
-
任意の場所にエイリアスを記載したファイル作成する。本例では、以下とする
- フォルダ:%USERPROFILE% ※ つまり、C:\USER"アカウント名"
- ファイル名:doskey_macros.txt
-
ファイルに設定するエイリアスを記載。記載方法は以下。設定例は次節に示す
"マクロ(エイリアス)名"="実行コマンド"
(例) ls=dir $*
- (補足) 手順1, 2 は、コマンドプロンプト上でdoskeyコマンドを設定後に「doskey /macros > "出力先のパス"」で出力と同様
-
コマンドプロンプトを起動時にエイリアスを読込むようにする。ここではWindowsの「ターミナル」からのコマンドプロンプトの使用を想定して記載
- 「ターミナル」を起動し、上部タブの矢印「v」から「設定」を開く(ショートカット:Ctrl+,)
- 「プロファイル」から「コマンドプロンプト」を選択
- コマンドプロンプト起動時にdoskeyの設定ファイルを読込むため、「コマンドライン」に以下のコマンドを追加する。複数のコマンドがある場合は"&"で繋ぐ(例は補足に記載)
%SystemRoot%\System32\cmd.exe "/K" doskey /macrofile=%USERPROFILE%\doskey_macros.txt(=設定ファイルのパス)
- 直接コマンドプロンプトを使用する場合は、ショートカットを作成し、プロパティの「リンク先」に上記コマンドを記載する
- エイリアスを追加・削除する場合は、エイリアスの設定ファイルを追記・削除する
3. 設定ファイルの例
設定例を記載する
ls=dir $*
mv=move $*
cp=xcopy /e /c /h $*
rm=del $*
cat=type $*
ifconfig=ipconfig $*
clear=cls
history=doskey /history
alias=doskey /macros
touch=type nul > $1
補足
pythonのプラットフォームのanacondaやminicondaのプロンプトの場合、conda環境をactivateするコマンドを実行するため、doskeyのコマンドは以下のように"&"で接続する必要あり。
%windir%\System32\cmd.exe "/K" %USERPROFILE%\miniconda3\Scripts\activate.bat %USERPROFILE%\miniconda3 & doskey /macrofile=%USERPROFILE%\doskey_macros.txt