Raspberry Pi 5 に 公式の「Raspberry Pi カメラモジュールV3(NoIR)」(Camera Module 3)を繋いだら認識しなかったので、解決方法をメモしておきます。
先に結論を書くと、最新のOS(Raspbian)ではカメラを自動認識するようになったと書かれているのですが、実際は自動認識できず、手動で設定を書き換える必要があったのでした。
物理接続
「Raspberry Pi カメラモジュールV3」には Raspberry Pi 5用のケーブルが同梱されていません。
本体側のMIPIインターフェイスコネクタのピッチが、Raspberry Pi 4 までとは異なるためです(5やZeroは 0.5mmピッチ、4までは 1.0mmピッチ)。
「Raspberry Pi 5 FPCカメラケーブル」を別途購入する必要があります(同等品でも可)。
接続は裏表を間違えないよう、しっかりと取り付けてください。
カメラモジュール認識
カメラを取り付け、Raspberry Pi を起動すると、公式情報では自動で認識するはずですが実際は認識しません。
また、過去のOSでは raspi-config の Interface Options メニューからカメラの設定を行えたのですが、今は項目が削除されています。
そのため、設定ファイルを手作業で編集する必要があります。
config.txt を編集
ファームウェアの設定ファイル config.txt を直接テキストエディタで編集します。
sudo nano /boot/firmware/config.txt
変更は2行だけです。
camera_auto_detect=1
と書かれているところを
camera_auto_detect=0
に変更(自動認識をOFFにしている)
公式Camera Module 3 の場合は下記の行を追加(カメラセンサ名を指定)
dtoverlay=imx708,cam0
変更後はこのようになります。
camera_auto_detect=0
dtoverlay=imx708,cam0
変更が終わったら保存します。
リブート
カメラを認識させるために、システムをリブートさせます。
sudo reboot
接続確認
カメラがシステムに認識されているか確認します。
確認に libcamera-hello コマンドを利用します。
libcamera-hello --list-cameras
次のように表示されたら成功。
撮影テスト
libcamera-still コマンドを使って、静止画撮影をしてみます。
libcamera-still -o image.jpg
実行すると画面全体にカメラ映像が表示された後にファイル image.jpg が保存されます。
ファイルマネージャで image.jpg のアイコンをダブルクリックすると撮影した画像が表示されます。
カメラ操作コマンド補足
Raspberry Pi 5 では、libcamera-* コマンドではなく、rpicam-* コマンドが推奨されているようです。
例えば、上記の libcamera-hello は rpicam-hello に、libcamera-still は rpicam-still になります(機能は同じ)。
現在(2025年1月)は両方とも使えますが、将来 rpicam-* だけになるかもしれませんのでお気をつけください。
(おしまい)