HoloLens 2のOpenXRのバージョン次第でうまく動作しないことがある(2024/04/30時点)
先日HoloLens 2で8thwallが動く話を記事にしました。
この話をみた海外のエンジニアの人が同じように8thwallでやっていたようなのですが、うまく動かずに色々情報交換しながらやり取りをしていました。結果どうもHoloLens 2のOpenXRランタイムに問題があり、動かないパターンがあるようです。現在はMicrosoftには同様の症状が複数報告されているようで調査は行われているようです。
何が起きているのか
端的にいうとHoloLens 2の最新のOpenXR Runtime(といってもPreview版)では8thwall(WebXR)がうまく動きません。EdgeブラウザからWebXRのURLを入力してもARモードで起動しない状況に陥ります。この件に関するQAは以下に公開されています。
HoloLens用のOpenXR ランタイムについては通常版とPreview版が提供されています。今回問題になっているのはPreview版のOpenXRランタイムです。こちらのバージョンが入ってるHoloLens 2ではEdgeから8thwall(WebXR)のアプリを起動しても動作しません。
少し厄介なのが、HoloLens 2のPreview版の利用を選択していないにも関わらずOpenXRのランタイムバージョンがPreview版にアップデートされ、動作しなくなるという状況が起きているようです。
ディスカッションしていたエンジニアとのやり取りでは、「Windows Holographic バージョン 23H2 - 2024 年 4 月の更新プログラム - ビルド 22621.1272」に影響を受けているように見えるとのこと(ただし、修正内容にOpenXR系のものはない)。
なお、現状ではOpenXRのバージョンを挙げてしまうとバージョンをもとに戻す手段がファクトリーリセットしかないようです。このため、OpenXR ランタイムバージョンが113系になっており、WebXRが起動しない不具合を修正したい場合は現状ではファクトリーリセットを行う必要があります。
対応方法(現状の暫定対応)
おそらく今後正式な対応方法が提供されると思いますが、現状この問題に対応する手段としては、次の手順でファクトリーリセットかけると動くようになったそうです。
- Advanced Recovery Companionを使ってダウンロードしたv22621.1266でHoloLens 2をリセットする
- その後最新のWindows Updateを実施する
- OpenXRのRuntimeは更新しない
→この状態でHoloLens用のOpenXRのランタイムバージョンが112.2309.20006.1になっていることを確認
使用するROMバージョンはv22621.1272以外のものを当てる必要があります。
Advanced Recovery Companionで最新のバージョンv22621.1272で復元するとOpenXR ランタイムバージョンが113系になるようです。