こんにちは!みなさん今年もQiita Engineer Festa楽しんでいますか?
私も自分の所属するKDDIアジャイル開発センターの仲間と一緒に、Organization対抗戦で1位になるべく日々技術ブログ投稿に励んでいます。
先週始まったばかりのQiita Engineer Festaですが、まだ7/21までの約1ヶ月開催されるため長丁場の戦いです。そこで今回は僭越ながら私が技術ブログ記事をたくさん書くために実践しているコツをみなさんに共有したいと思います。
基本戦略:まずは仕組みを理解する
そもそも、技術ブログを書くためには何が必要なのでしょうか?
私はざっくり3つの要素があると思っており、これらをいかに満たせるかが技術ブログ執筆のための戦略となります。
① ネタがあること
普段IT系の仕事をされている方であれば、自分の普段の業務経験がそのまま技術ブログの記事ネタになると思います。また業務外でも、最近話題の技術や気になるITニュースがいいネタになります。
Qiitaの場合、ガイドラインに即していれば必ずしも「技術バリバリの記事」である必要はありません。エンジニアのキャリア論やプロジェクトマネジメントのTips、技術ミートアップの参加レポート、技術広報や採用など、幅広い方のロールに合った記事が書けると思います。
② 表現できること
ここが一番難しいポイントかも知れません。自分の経験・関心領域について、世の中に向けてアウトプットするうえで「伝わるストーリーにすること」が必要です。これによって自身のスキルが世の中にとっての「価値」になります。
具体的な執筆方法のコツは後述しますが、まずはどういった人に向けてブログを届けたいかという想定読者をイメージして書き始めるといいかも知れません。
- 特定分野の 初心者 に向けて入門解説を届けたい!
- 自分と 同じような経験のある人 から共感や意見を集めたい!
- 複雑な検証をしたので 未来の自分 に備忘を残したい。ついでに公開するので誰かの役に立てばいいや
③ 時間があること
ここは環境や家庭事情などによって大きく左右される部分ですが、こういった技術アウトプットの活動を主業務としてガッツリやらせてもらえる会社はまだまだ少ないと思います。
業務の一部としてアウトプットが行える会社であっても、モチベーションの高い人ほど普段の業務も忙しすぎて定時内は予定ビッシリというのもあるあるかも知れません。
必然的に平日夜や週末を使った自己研鑽活動としてブログを書くケースが多いと思うので、イコール「どこまでモチベーションがあるか?」が大きく関わる要素でもあります。
特に2023年6月現在、大人気の某ゲームソフト発売で業後や週末はハイラルの世界に旅立っているエンジニアがかなり多いと思われますので、週末使える時間がある!という方はQiita Engineer Festa的にかなり有利だと思います。
私のアウトプット量産法
前述の基本戦略を見すえつつ、具体的にブログを書くうえで私が実践しているコツをいくつかご共有します。
「ネタ出し」と「執筆」を分離する
何を書くか考える活動と、そこから実際に執筆する活動をシーケンシャルに実施していては効率的に記事量産できません。私の場合は移動時間にスマホで「何書こうかなぁ」と考えたネタをQiitaの下書きにタイトルのみ雑に放り込んでバックログ化しています。
もちろん、タイトルもリリース用ではなく「ChatGPT」とか「AWS入門」みたいにメモレベルの走り書きです。そうしてPCに向かって作業できる時間に、ストックした話題のうち気が向いたものを執筆していきます。
冒頭から書き始めない
これはブログに限らず仕事で作るパワポやドキュメント等もそうなのですが、タイトルやヘッダー情報、リード文などの物理的に最初の方に出現する項目から書き出すのは非効率なことが多いです。
「あなたは皿の上で料理しますか?普通はフライパンで料理してから皿に盛り付けますよね」 といった考え方です。
まずはコンテンツの中身の「特に言いたい内容」から箇条書きで雑に書き出していき、前後関係などは後から調整したうえで、最後に序文やメタ情報を埋めていくとリーズナブルに筆が進みます。
付加価値をつける工夫
実は多くの人がアウトプットをためらってしまう理由として「同じテーマで自分よりも先に質の高い記事を書いている人がいるし…」といったものがあると思います。
私はアウトプット肯定派で、「他人と被るネタであっても」「不正確な内容を極力避ける努力をしていれば」発信すること自体に大きな価値があると思っています。
そもそも、ほとんどの技術分野で「公式ドキュメント」的なものがあるにも関わらずQiitaやZennなどユーザー発の情報に高いニーズがあることからも、その価値は明白ですよね。
すでに先行する質の高いアウトプットがあっても「たまたまそのタイミングで発信される」情報が目に留まり、誰かにとっての学習機会を提供する側面も常にあるはずです。
また、書くだけで少なくともその人自身にとって大きな学びとなるはずですが、その人なりの付加価値を出せるとさらにアウトプットするモチベーションが高まると思いますので、「スキルで殴る」以外にも価値を出す例をいくつか挙げてみます。
- ハンズオン: 机上の技術解説に対して、実際に実機を動かした検証結果を共有する
- 図解: 文字ベースの情報が多い分野で、右脳に刺さるイラストを添えて解説してみる
- 速報性: 出たばかりの技術やニュースに情報を補足して分かりやすくまとめる
- ローカライゼーション: 英語の技術情報を日本人向けに翻訳する
完成度60%でリリースする
記事が完成に近づいてくると「もっとこう書きたい!」「こんな情報も盛り込みたい!」などこだわりポイントが多数湧いてきがちです。ただし、記事の骨子が出来たあとに細かい部分にこだわる労力はコスパが悪いことが多いです。
そのアウトプットに全力投球したい場合はいいですが、継続的にそこそこ質の高いアウトプットを「継続する」というサステナビリティを実現するうえでは、完成度60%ぐらいで記事を投稿してしまうことも重要な戦略になると思います。
※時間をかけて大作を書き上げたものの、思ったほど閲覧数が伸びずにむなしく疲労感が襲ってくる…というケースもよく聞きますよね。適当にサッと書いた記事が意外と好評、みたいなことも。
ちなみにQiitaは投稿後の記事も容易に再編集できるため、私はリリース直後も自分で読み直しながら頻繁に記事更新することが多いです。
土日はだいたい何か書いてる
何だかんだでこれが一番大きいかも知れません。私は技術の勉強をすることが好きで、かつ自分が学んだことを多くの人に伝えることがとても楽しいので、週末はだいたい何かを触ったりアウトプットの時間にあてています。
こんな私、実は2歳の子どもがいるので驚かれるのですが、家庭内SoWが明確になっており家事育児は嫁さんがカバーしてくれているのでこうした活動を続けられています。感謝しかありません。
そんなにブログ書いて何が嬉しいの?
自分がインプットするきっかけになる
私は何よりもまず「自分が勉強になる」ことに価値を感じてアウトプットを続けています。
普段の業務などで「あ、そろそろこれ勉強したいな…」というネタがあった場合、自分の中で閉じているとなかなか食指が伸びませんが、「Qiita Engineer Festaの投稿ネタにして会社のいいね数獲得に貢献するぞ!」とか「今度のミートアップに登壇エントリーしておいて嫌でも勉強するように自分を追い込むぞ!」といった外的要因ドリブンで自分自身の背中を押すことができます。
たくさんの人からフィードバックをもらえる
記事を書くとたくさんの人に見てもらえます。特にQiitaやZennなどのプラットフォームを使う利点として、普段からそこで記事を書いたり読む人たちのコミュニティとして機能しているため認知度の高くないユーザーが記事を書いても多くの人の目に触れることが期待できます。
また書いた記事をTwitter等のSNSでも毎回発信していると、フォロワーが増えて記事を書くたびさらに閲覧数が増える…といった好循環を産むことができます。
後から自分の役に立つ
複雑な手順の技術検証をする際や、何度も実施する機会が多い作業など、Qiitaにログを残しておけば自分のための備忘として役に立つことも多いです。
実際に私も、仕事でシステムのトラブル対応をする際の対処手順や、複雑な技術検証を少し異なるバリエーションで再度実施したくなった場合など、自分のQiita記事を後から見直して大幅に作業効率化できたことがあります。
自分用ならローカルのメモに残しておくのもいいかも知れませんが、QiitaのようなWebサービスであれば半永久的に残っていてどこからでもアクセスできますし、何よりそれを見て他の誰かの役に立つことも期待できます。