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AIエージェント規格「MCP」が3ヶ月ぶりにアプデ! どこが変わったの?

Last updated at Posted at 2025-06-23

この記事は人力で書きました。

主にAIエージェントとツールの接続を標準化するのに使われているModel Context Protocol。
急速に普及が進んでいますが、その仕様は絶賛策定中です。

前回の改版2025/3/26から約3ヶ月、先週6/18に大きなアップデートがありました。
そのうち大きな変更点を9つ、ピックアップしてまとめます。

基本プロトコル

ライフサイクル

1. 運用フェーズの遵守事項を義務化

ネゴシエートしたときの「MCPバージョン尊重」と「成功した機能のみ使用」がSHOULDからMUSTに強められました。

トランスポート

2. 標準入出力でJSON-RPCのバッチ対応が廃止

stdioでサポートされていたJSON-RPCのバッチ呼び出しが削除されました。

3. HTTPヘッダー内でMCPバージョン指定が義務化

HTTPでネゴシエートしたプロトコルバージョンを、後続リクエストヘッダーで指定することが必要になりました。

認可

4. MCPサーバーをOAuthリソースサーバーとして定義

MCPサーバーがOAuth 2.0の「リソースサーバー」として明確に定義され、認可サーバーと責任が分離されました。

他にも、OAuth 2.0の「保護されたリソースメタデータ」に対応したり、認証フローでWWW-Authenticateヘッダーの使用が必須になっています。

5. MCPクライアントにリソースインジケーターの実装を義務化

MCPクライアントは、OAuth 2.0のリソースインジケーターの実装が必要になりました。よからぬサーバーにアクセストークンを取得されることが防げます。

セキュリティ

6. セキュリティのベストプラクティスを掲載

ベスプラページが新設されました!これは嬉しいですね。
認可に関する攻撃ケースを深掘りしています。

クライアント側の機能

エリシテーション(新機能)

7. ユーザーに追加情報を確認するプリミティブが登場

新しいプリミティブの登場です。elicit(引き出す)という言葉ですね。

MCPサーバーが情報不足のとき、MCPクライアントにユーザーへの追加確認を要求できるようになります。
AWSでいうBedrockエージェントの「ユーザー入力」機能ですね。

サーバー側の機能

ツール

8. 出力の構造化に対応

これはかなり嬉しい人が多いのでは?
ツールの実行結果をJSONでも返せるようになりました。MCPホスト側でフレームワーク等による実装の手間が減るといいですね。

9. 呼び出し結果にリソースリンクを含められるように

必須ではありませんが、「リソース」プリミティブへのリンクをツールが返せるようになりました。

おまけ

来週、MCPの入門書を出版します!予約してね✌️

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