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AWS認定 is 何?

人気のクラウドサービス「アマゾンウェブサービス」が提供している認定資格試験です。パソコンで実施するタイプの選択式テストとなります。

時流に応じて資格数は増減しています。だいたい10件ちょいです。

  • 2023年度:12資格
  • 2024年度:10資格(→また12に増える予定)

何をやったの?

昨年末、急に思い立って認定資格を2ヶ月でコンプ(全冠)しました。

スクリーンショット 2024-06-11 10.43.22.png

すいません、ちょっと盛りました。登竜門の「SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)」だけは3年前に取っていました。

残りは週に1〜2件のペースで取得していたことになります。

資格に挑戦した理由は?

実は私、「資格を取ること」にあまり価値を感じていませんでした。

  • 勉強に多くの時間を使う必要があり、他のことができなくなる
  • 机上学習やるならハンズオンに時間を割く方が実務に活きやすい
  • 数が多すぎて、全冠なんて自分とは別世界の話だと感じる

ところが、AWSパートナー向けの「Japan AWS Top Engineers」というプログラムがあることを知り、なんかカッコいいし目指してみよう!と思い立ったのが昨年末でした。

このTop Engineerの要件として「SAProとDOPを取得するか、スペシャリティどれかを持っていること」が定められていました。

そこでまずSAProとDOPを取り、別枠応募もできるようにMLSとANSも取ったところで、「あれ?残りもいけんじゃね」という感じで、予定外でしたが勢いで全冠までいってしまったというわけです。

ズバリ攻略法は?

私のおすすめは「コミュニティであせらず楽しく勉強して、ラクに受かる実力がついてきた頃に受験する」作戦です。

種明かしをすると、私は2ヶ月でSAA除く11個の資格を獲得しましたが、これに寄与した累積学習期間はこの3年間ほど、実務やコミュニティで知らずと培ったものです。

  • 実務:社内システムのクラウド移行、新規構築、PoCなど
  • コミュニティ:JAWS-UGを中心として、毎週何かしらの勉強会に参加、月数回の登壇やブログ投稿

実務では私の場合、「エンプラ環境での移行やオンプレ接続」が多かったので、特にSAProやANSには経験がそのまま活きました。人によっては逆にDOPやMLSなど、普段の業務によって効く分野がそれぞれあると思います。

また、コミュニティ参加は非常にお得な学習機会で、何より楽しく色んなライトニングトークをたくさん聴いているだけで、普段触らない様々なAWSサービスの特徴やベスプラがうっすら分かってきます。「勉強」という辛さが一切ないのが最高です。

いきなり全冠!はちょっと苦行かも

Twitterを見ていると「クラウドエンジニアになるぞ!→いきなり資格ぜんぶ取るぞ」という超人が結構いる印象ですが、CLAやSAAぐらい取ったら、ハンズオン中心に学習した方が身につきやすく、楽しんで続けやすいと思います。

もちろん、資格取らないとそもそも案件にアサインしてもらえないとか、キャリア的な事情が様々あるのも理解はしているので、あくまで個人的な理想論です。

どういう順番で受けるのがいいか?

いろいろ戦略はあると思いますが、私の場合は「年度内にAll Certs要件を満たしたい」というモチベーションで、難しそうな資格を先に取ってスケジュール的な安心感を確保する作戦をとりました。

以下、私が実際に受けた順番に紹介します。

AWS学習初期に持ってた編

  • SAA:大型AWS案件を一つ終えたころ「そろそろ取っとかないと無免許運転だな」という感じで取得。普段使わないマネージドサービスが多数出題され、普通にけっこう難しかったです。

Top Engineerに応募したい!編

  • DOA:サーバーレス系サービスの基礎という感じで、とても簡単な印象でした。SAAから3年経ってたので、これが年の功か。
  • DOP:めちゃ難しかったです。PM中心で手を動かす経験がまだ少なめだったのと、AWS以外のサービスを使いがちな開発ツール系(IaC、CI/CD)のニッチな質問が多かったので相当苦戦しました。さらに業務ではリセラー制約でOrganizationが使えなかったので、輪をかけて鬼門でした。おひとりさまOrganizationsを軽く作って臨んだのは良かったです。
  • SAPro:意外と簡単でした。おそらくエンプラ系のAWS移行・オンプレ接続案件ばかりやっていたので、経験にちょうどはまったのだと思います。

Top Engineer 専門枠も応募しときたい!編

  • MLS:SageMakerはあまり触ってなかったのでBlackbelt必須だったのと、ML基礎知識的な問題は「日本語の読解力」を総動員すれば意外と解けるものが多かったです。専門用語の漢字から類推する、など。
  • ANS:SAPro同様、エンプラで他シス接続調整おじさんやってると、そこまで難しくなかったです。

あれ、全冠いけんじゃね?編

  • PAS:SAP用語は公式ペーパー軽く読んでも結構イミフでしたが、そこが分からずとも普通にAWS移行案件の知識があれば消去法で解ける問題が多かった印象です。意外とSAAレベルではないかと。
  • SCS:スペシャリティでは簡単と言われますが、普通に難しかったです。DOPでやったOrganizationsの勉強が活きました。
  • DAS:全試験で一番難しかったです。普段使わない、微妙に古いサービスも出る、似たサービスが多い、など。1回だけライトな分析案件やった経験があったのが幸いでした。
  • DBS:これもSCSと並んで簡単と言われますが、普通に難しかった印象です。
  • CLF:余裕こいてましたが、逆に難しかったです。抽象度の高い哲学的な質問が多かったり、よく知ってるサービスでもあえてボカした表現で聞かれるので「何のことが言いたいの?」という技術と関係ない難しさがありました。
  • SOA:アソシエイトでは一番難しい印象でした。ラボ試験がないのは幸いでした。

個人的な難易度ランキング

超難: DAS > DOP
難: SCS > ANS > SAPro
普通: MLS > DBS > PAS > SAA > SOA
易: DVA > CLF

※繰り返しますが、体感難易度は各自の経験分野に大きく左右されます。

おすすめの勉強法

AWSの試験は、基本的に実務でそのまま問われる良問が出題されるのが良いところだと思います。「試験のためだけにニッチな知識を詰め込む辛さ」みたいなものがあまり無いです。

ベースとなる知識

  • 実務経験:SAPro、ANS系列はこれのおかげでカバーできました。
  • JAWS-UGなどのコミュニティ勉強会:LTを毎週楽しく聞いてるだけでも十分に効果があります。

試験予約後に見るもの

  • AWS Black Belt:苦手なサービスに絞って、PDFをぱらぱら眺めておさらいしました。
  • 試験別の参考書:試験対策といいつつ、その分野のAWSサービスの基本や、ベストプラクティスを体系的に学べるのでそのまま実務にも活かせる内容になっているのが最高でした。トレノケート山下さんや、NRI系列のみなさんが書かれているベストセラー書籍がおすすめです。特にDASは、本当にこれに救われました。

AWS認定あるある(突破テクニック)

選択肢を選ぶコツ

  • 選んだ理由を他人に説明できるか?を考えて選ぶ。
  • 長文に惑わされず、差分だけに着目しましょう。

似たサービスの使い分け

  • それぞれが「何に重きを置いた思想か?」を理解しておくと即答しやすい
  • 例:CloudTrailとAWS Config
    • TrailはAPI操作の証跡保存なので監査用。Configはパラメーターの追跡と自動修復なので維持監視と保守効率化
    • イメージの仕方としては、同じEC2起動という現象を「管理操作」に着目するとTrail寄り、「設定状態」に着目するとConfig寄り
  • 他にも… Data FirehoseとKinesis Data Streams等。

かませ犬シリーズ

  • EC2:何でもできるが、よりマネージドな適任が他にいることが多い
  • Lambda:何でもできるが、よりマネージドな適任が他にいることが多い
  • EMR:新しいマネージドサービスで、コスパ高く代替できることが多い
  • SageMaker:よりマネージドな適任が他にいることが多い

いにしえ軍団

  • Elastic Beanstalk:めちゃ出るけど、もう流石に実務では聞かない…
  • OpsWorks:君はもうサ終では?😅

試験でしか聞かないシリーズ

  • Service Catalog:出題傾向を見るに、AWS的にはもっと価値を広めたいサービスなのかも
  • 移行系(DMSなど):DB製品側のツールなどを利用することが多い。たま〜にLTで事例を聞く

全般

  • シンプルに直球でベスプラが問われる良問が多い

試験場での時間の使い方

  • まず問題を一周する。不正解の可能性がある問題にはフラグを立てる
  • トイレに行って頭をリフレッシュ
  • フラグの数を数える。以下のロジックで許容範囲を超えていたら見直す

【例】 SAProの得点シミュレーション

※AWSの採点ロジックは非公表です。私は以下を勝手に個人的な指標としていました。

  • スコアは最低100〜最高1,000点。750点で合格 ➡︎よって650/900取ればよいと仮定
  • 問題数は75問。うち10問が採点対象外 ➡︎65問中18問は落としてもOK

上記より、フラグの数が18個ぐらいまでなら見直しせず即退出できます。

ちなみに、ホワイトボードは使いどころ無さすぎて、この得点計算の筆算にしか使いませんでした。苦笑

おまけ

6/26に生成AIサービス「Amazon Bedrock」の入門書を出版します。

今年はAI系の新資格が2つも追加(AIFとMLA)されますが、Bedrock関連はこいつでカバーできること間違いなしです✌️

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