はじめに
大学生の頃は、ReactやPHPを使い、一文字ずつバグと格闘しながら「ゴリゴリ」とコードを書いていました。当時は、自分の手でロジックを組み上げることこそがエンジニアの醍醐味だと信じて疑いませんでした。
しかし、自律型AIエージェント(Antigravity)をパートナーにした今、その価値観は一変しました。
「もはや、自分でコードを書く必要はないのではないか?」
そう確信させてくれた、開発時間わずか3時間、自分で書いたコード0行のWebアプリ『あとからNISA』の具体的な仕様と、そこから得た気づきを公開します。
1. アプリ概要:『あとからNISA』
「あの時、あの銘柄を積み立てていたら今どうなっていたか」を、過去のリアルな基準価額データから精密に算出するシミュレーターです。
- URL: https://app.minagu.work/atokara-nisa/
- 開発時間: 約3時間
- 自分の作業: 日本語での仕様定義と、AIが出力した挙動の確認・フィードバックのみ
2. 実装された具体的なアプリケーション仕様
「AIに丸投げ」と言いつつ、元・手書き勢として譲れない「実用的なこだわり」をすべて詰め込みました。
① 資産構成(ポートフォリオ)の動的調整
- 銘柄ラインナップ: eMAXIS Slimシリーズ(オルカン、S&P500、TOPIX)やFANG+、ゴールドなど、主要なインデックス・資産を選択可能。
- 直感的な比率調整: スライダーによるドラッグ操作で投資比率を即座に変更。新しい銘柄を追加した際も、自動的に合計100%になるよう均等化ロジックを実装。
② 投資シミュレーションの精密ロジック
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待機資金(キャッシュ)対応: 投資信託の運用開始日より前の期間から積立を設定した場合、運用開始までは「現金」として積み立て、設定日にその全額を一括購入する挙動を再現。
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厳密な口数計算: 以下の数式に基づき、約定日ごとの購入口数を算出。
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休日処理: 非営業日の場合は、自動的に翌営業日の基準価額を取得して計算。
③ 徹底したユーザー体験(UX)と共有機能
- URLステート同期: 選択銘柄、金額、開始日、比率などのすべての状態をURLパラメータにリアルタイム同期。URLを共有するだけで全く同じ結果を再現可能。
- デバウンス制御: モバイル端末での負荷を考慮し、URL更新に0.5秒の遅延(Debounce)を実装。ドラッグ操作時のクラッシュを防止。
④ デプロイ・PWA対応
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配信環境: Apacheサーバーのサブディレクトリ
/atokara-nisa/でSPAとして動作。 -
PWA化:
manifest.jsonと専用アイコンを完備し、スマホのホーム画面にアプリとして追加可能。
3. 結論:コードを書かないのは「サボり」ではなく「抽象化」
大学時代にコードの書き方を学んだ経験は、今、AIが出してきたコードの「妥当性」を判断するための審美眼として生きています。しかし、その実装作業自体を人間が手作業で行うフェーズは終わったのだと感じました。
かつてアセンブラから高級言語へ移り変わったように、今は 「言語から意図(プロンプト)へ」 の転換点です。
「自分で書く」ことを手放したとき、エンジニアは「何を作るか」という本質的な楽しさに集中できる。そんな時代がもう来ています。

