こんなタイトルにしたら、期待しちゃいますよね?深い憎しみや恨みつらみを。
ないんだな、それが(AA略)
エックスサーバーXServer Advent Calendar 2025へのご招待が届きまして、あたしゃエックスサーバー使ってないよと途方に暮れていたところ、@akinori-kawamitsuさんの以下の記事を見かけました。
選ぶ理由が記事になるなら選ばない理由を記事にしてもいいんじゃないかと思い、今回の記事をしたためた次第です。
別に大した理由じゃないんですよ。
選ばれたのは?
大した理由じゃないと白状した以上、結論を急ぐ意味もないのでゆっくりダラダラ書いていきますよ。
2001年、最初に選んだのは、無料ホームページサービス「トクトク」でした。
ググってみたら公式サイトは出ず、韓国語で「シュワシュワ」という炭酸の擬音語ですってAIが説明してたんで、まあサ終してるか、存続していてももはや目立つ存在でもないのでしょう(未検証)。
少々重たかった記憶があります。
次、2002年に選んだのが、AAA!Cafe(トリプルエーカフェ)です。
確か個人か小企業ぐらいの規模感でやってたところじゃなかったかな。
広告がおとなしくて、まあまあ軽かった思い出があります。
で、そっからもう一個ぐらいサーバーを経由したかどうかも覚えてないんですが、とにかく何らかの「移転」を挟んで、2003年に新たに選んだのがCSideNetでした。
ここから有料サービスを使い出したので、広告なしになりました。
自分だけのサブドメインを持てて、CGIやPHPをある程度自由に使えて、当時はとても満足していた覚えがあります。
結構長く使っていたんですが、PHPのバージョンがいつまでたっても5.3のままで、運営もだんだん怪しくなってきて、私は新天地を求めました。
そして2015年、今も使っているレンタルサーバーに移転することになります。
利用者も多く、比較サイトとかでも絶賛の嵐だったエックスサーバーを差し置いて選ばれたのは、バリューサーバーでした。
XServerじゃあかんかったん?
サーバー自体のスペックとしては、エックスサーバーも充分魅力的な選択肢でした。
私のサイトの動的ページは主にPHPで組んでおり、もちろんエックスサーバーにもPHPは搭載されていました。
ただ、CSideNetから移転するには、一点問題がありました。
CSideNetのPHPはモジュール版だったので、スムーズな移転には同じのが必要だったのです。
エックスサーバーにはモジュール版PHPはなく、バリューサーバーにはありました。
動的ページを主にPHPで組んでいた私にとっては、これが決定打でした。
PHPの事情いろいろ
PHPをウェブサイトに使うにはいろいろ方法があり、通常のCGI、モジュール、FastCGI、ビルトインウェブサーバーなどの選択肢があります。
通常のCGIは、アクセスのたびにPHPを新たなプロセスとして起動します。
毎回別プロセスなので柔軟性がありますが、起動の負荷が毎回かかるので重いです。
モジュール版は、Apacheサーバーのモジュールとしてメモリに常駐するため、軽いです。
その代わり柔軟性はなく、原則として1サーバー1PHPです。
PHPのバージョンを変えようと思うと、サーバーの設定ごと変えなければいけません。
多数のユーザーが1サーバーに同居する共用レンタルサーバーではおいそれとPHPのバージョンアップができませんね。
CSideNetがいつまでも5.3だったのはこれが理由だったのだと推測しています。
FastCGIは、CGIとモジュール版のいいとこどりみたいなやり方で、PHPではFPMとして実装されています。
サーバーとは別プロセスが起動する点は通常のCGIと同じですが、起動した後はモジュールと同じく常駐します。
サーバーとは別プロセスなので、複数種のPHPが同時起動していても問題なく使えます。
常駐するので、毎回起動する必要がなく、軽いです。
なので、共用レンタルサーバーでは通常、それぞれのユーザーが使いたいバージョンのPHPを自由に選択できて、動作も軽いFastCGIが選ばれることが多いかと思います。
記憶が確かなら、エックスサーバーもFastCGIだったかと。
ビルトインウェブサーバーは、PHP自身がウェブサーバーとなります。
ただ、Apacheやnginxなどのちゃんとしたウェブサーバーと比べると貧弱なので、「DockerでPHPサーバー立ててみた」みたいな用途ぐらいしか使い道ないかなって思います。
公式サイトでも本番で使うなって言ってますしね。
これらは動作原理が違う分、環境変数や設定方法などに違いがあります。
移転自体がまあまあ面倒な作業なので、それと同時に別の方法に移行するのは避けたかったのです。
そこで、CSideNetと同じくモジュール版が搭載されていて、FastCGIで新バージョンも選択できるバリューサーバーを最終的に選んだというわけです。
今後もXServerを選ばないの?
聡明な読者の皆様はタイトルでとっくにお気づきと思いますが、「選ばない」ではなく「選ばなかった」と、過去形になっています。
2015年当時は確かに選ばない理由がありました。
今はもうありません。
とっくにモジュール版PHPの利用をやめ、FastCGIの新しいPHPに移行しているので、PHPはもはやエックスサーバーを選ばない理由にはなりません。
それどころか、バリューサーバーがいまだに対応していないPHP8.4にいち早く対応したエックスサーバーのほうが魅力的に映ることもあります。
エックスサーバーに移転しない理由は、「移転作業が面倒だから」以外にもうありません。
まとめ
- かつてはモジュール版のPHPが必要だったので「選ばなかった」
- 今はもうモジュール版使ってないので選ばない理由は特にない
- でもめんどくさいから移転してない
バリューサーバーよりこういうところがいいよ!ってポイントがあったらコメントで教えてね☆