はじめに
こんにちは!みっきーです!
この記事を見つけていただきありがとうございます。
2025年3月25日、大手町プレイスホール&カンファレンスにて開催されたAgile X Conferenceに参加してきました!
オフラインイベントは初参加だったので緊張していたものの、多くのことを学び、多様な方々とお話しすることができました。そんな私がイベント中に考えたことや新しく学んだことなどについて、この記事にまとめていこうと思います。拙い文章ではありますが、お気軽に読んでいただけると幸いです。
※内容に不備がありましたらご連絡いただけると幸いです。すぐに訂正いたします。
イベントページ
目次
1.参加経緯
私はこれまでオフラインイベントへ参加したことがありませんでした。しかし、KAGのLT会をYouTubeで聴講するようになってから、「オフラインイベントに参加したら楽しそう」と思い始めていました。ちょうどそのころKDDIアジャイル開発センターの公式SNSの投稿より「Agile X Conference」が開催されることを知り、アジャイル開発のイメージを掴みたいという思いで参加を決意しました。当日はよくイベントに参加している友人が同行してくれることになったので、初心者にはとても心強かったです(笑)
2.Agile X Conferenceとは?
アジャイルを実践している企業5社が集結し、対話を通して「アジャイル」の本質を探る取り組みです。
集結したアジャイル実践企業5社は以下の通りです。
3.いざ、参戦!
まずは会場である大手町プレイスホール&カンファレンスへ!
会場に入ると早速案内が見えて、「ついに来たのか...」とわくわくどきどきでした。なお、広すぎて迷子になっていた模様
4.講演/対談
ここから講演(対談)の内容になります。
オープニングトーク
最初のオープニングトークでは日本のDXの状況やアジャイルソフトウェア開発宣言についてのお話などがありました。また、集結した5社による共同プロジェクト「Japan Agile Collaboration Kernel(JACK)」が発表されました。詳しくはこちら。
キーノート:日本とアジャイル~野中郁次郎のスクラム
Presented by 平鍋 健児 氏(株式会社永和システムマネジメント 代表取締役社長)
- スクラムの起源
The new new product development game:新製品開発の新しいやり方
軍事を企業の戦略に活かす - イノベーションの起源
知識創造は暗黙知と形式知の相互変換運動である
暗黙知は言葉にならない主観的、身体的な経験知
→その場その場で伝える、今ここ性
形式知は言語化できる客観的、理性的な言語知
→紙に書いて伝えられる
組織的知識創造の行為:SECIモデル
AIは体(ロボット)を持たない限り、人間の感覚(水が冷たいとか)を感じることはできない- 対象に棲み込む
共体験は「あの時のあれ」が通じる
その場で言語化して(形式化して)共有する→暗黙知を形式知へ - あなたがあなたになる前
共感のファーストステップは真似をすること(ミラーニューロン)→共感
- 対象に棲み込む
- 書籍
- 知識創造企業:暗黙知、形式知
- ワイズカンパニー:実践知 実践の場を作ることが大事
- アジャイル開発とスクラム
- 第二の系譜
- 第一の系譜:Scrum→SECIモデル→実践知/フロネシス
- 第二の系譜:失敗の本質、消耗戦から機動力へ フラクタル組織
- 空母とかそろえてターゲットを決めて一気にターゲットを打ち落とす→これがアジャイル開発
- スクラムとはみんなでその場で決定してプロジェクトを進行させることができるチーム
いちいち本部に確認、それから実行なんかしてたら遅すぎる
- 会社は、そこ・ここに起こる会話にある(うわめっちゃわかる、サピエンス全史で会社は虚構であると言及している)
トークセッション1:人と現場でつくる!三越伊勢丹らしいデジタルサービスのつくりかた
Presented by
- 中社 慶 氏(アイムデジタルラボ 三越伊勢丹ホールディングス 情報システム統括部システム開発推進部 プランニングスタッフ)
- 鈴木 祥子 氏(グロース・アーキテクト&チームス サービスデザイナー)
現状
三越は創業350年以上続く老舗企業
値札をつけて物を販売したのが三越が世界初めて
三越伊勢丹、コロナによる休業で大打撃
→そこから会議を通して三越伊勢丹リモートショッピングというサービスを開始
三越伊勢丹WEB決済 サービス開始からめちゃくちゃ売れてる
三越伊勢丹におけるアジャイルの実践
アジャイル実践で苦労したこと:”三越伊勢丹として”アジャイルを活用すること
- 百貨あるからこそ百通りの要望がある
- ITは大きな成果が求められる:このシステムを作って売上110%になったところで現場に近い上位層は納得してくれない
- 歴史がありすぎるから変えられない:現場の方からすると「変えたけど売上さがったらどうするんだ」
実践したこと
- 小さく始める
- 足りないぐらいから始める
- 必要なものだけ作る
- 改善し続ける
- 小さな失敗は「学び」:90%くらいのユーザがチャットから入った、想定と違った
- 従業員の力を信じる
- 人が価値の中心
- ITは道具(ツール)
- 使い方を工夫してもらう:現状の機能のままで現場で工夫してもらう
- 現場に飛び込む:現場出身者だからこそ開発者でも現場に行ける、顧客の声を生で聞ける
- 出島を作る(分社化)
- ミッションに従う
仕組みを変えてお買い物を楽しくする
現場に”全て従う”のは良くない
- 全社視点
- 現場との対話:三越伊勢丹にしかないところがある、それを共通理解する必要がある
トークセッション2:過去・現在・未来を繋ぐ 新たな価値共創への挑戦
Presented by
- 古川 和弥 氏(株式会社デンソー クラウドサービス開発部長)
- 笹 健太 氏(クリエーションライン株式会社 Agile CoE チームリーダー・アジャイルコーチ)
DENSOがQRコードを作った(初耳)
DENSOとCreationLineは仲がいい、DENSOが出資してる(詳細はこちら)
共創事例
-
世界130の工場をIoTでつなぐFactory-IoTプラットフォームを開発
外部のITベンダーにとりあえず投げてみよう- 主体性の喪失
ベンダーに言いなりになってやりたいことができない - スピード喪失
パッケージのカスタマイズしてると遅い - 共創性の喪失
データベースは他社には非公開
クリエーションラインと一緒に”内製化”しよう!
デンソーとクリエーションラインのメンバーが共同でチームを組んで(アジャイル)開発 - 主体性の喪失
-
yuriCargoアプリの開発
イーデザイン損保の裏側でも動いてる
全てアジャイル開発
対談
- なぜアジャイルで臨んだのか?
追加要望に応えるにはアジャイルでしかできない - アジャイル開発でビジネス面はどう?
アジャイル開発を実践・拡散して経営につなぐのも大事 - 現在の共創の事例
産業用ロボット:超効率的に決められた動きをする
DENSOさんは人と共生する今までにないロボットを作ろうとしている
生成AIを使用したロボット開発
→これは社会実験と仮説検証 - 最初の事例と生成AI搭載ロボットJullieの違いは何?
Jullieにはこうやったらどうなるが不明瞭:どうなるかわからないから面白いしやる - これからのアジャイルな共創の形とは?
顧客と一緒に仮説検証して良いものを作っていく - Co-Creation Valueとは?
今まではリスクは顧客のみが背負う、開発側にはリスクがない
これからは一緒に企画して利益もリスクも共有、成果報酬型で始めよう
※Co-Creation Valueの詳細についてはこちら
トークセッション3:アジャイルとフローを活用した創造性の高い組織づくり
Presented by
-
青井 浩 氏(株式会社丸井グループ 代表取締役社長 代表執行役員 CEO)
※当日は都合が合わず、伊藤 真 氏(株式会社丸井グループ DX推進室 課長) が代行 - 平鍋 健児 氏(株式会社永和システムマネジメント 代表取締役社長)
丸井について
丸井グループはマルイ、モディという小売とエポスカードを使って利益を得ている
経営理念「お客様のお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」
ミッション:すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会を共に作る
共創=お客様と共に創る
嘘をついてもばれる、前向きに変化を楽しめる
- 強制ではなく自主性
- やらされ感ではなく楽しさ
- 上意下達ではなく支援
- 本業と社会貢献ではなく本業を通じて社会課題の解決
- 業績ではなく価値の向上
これらはやっと世間に言えるようになった
7つの対話の原則
丸井は手を上げなければ何もできないし、得られない
中期経営推進会議、2008年では嫌々来たスーツのおじさんばかり
しかし、いまでは行きたいといった人が来るようになった
社員のモチベーション作り
-
参加した人がどれだけ楽しく、周りの人に拡散できる状態を作る
新しい企業文化を土台として利益とインパクトという芽を発達させる
どんどん芽が出てきて社会課題解決企業
これになるために創造力を全開にする -
社員の好きを仕事に活かす
売り手と買い手という関係ではなく共に推しのファンになる
好きを応援するコンクールを開催
こういう好きがあるを発表し、優勝賞の人は実装に向けて開発 -
個人のペットの写真を使ったエポスカードを作った
利用の0.1%を動物愛護団体に寄付
現金派の人も、「動物愛護団体に寄付できるなら...」とカードでの決済を選択するようになった
アジャイル開発からアジャイルな組織へ
社員の内発的動機「フロー」と変化への対応「アジャイル」は表裏一体
丸井からのメッセージ
「超JTC文化はあるけど、1人でも多くの仲間を作ることが大切」
トークセッション4:アジャイル開発で加速するDX推進と組織変革のすすめ
Presented by
- 古屋 隆善 氏(シチズン時計株式会社 経営企画部 DX推進室 室次長)
- 岡澤 克暢氏(KDDIアジャイル開発センター株式会社 VPoE 兼 開発戦略本部 本部長)
KAGは伴奏型でCITIZENのアジャイル開発を支援
健康アプリを作りたいということでKAGとコラボ
アジャイルとは、組織全体の構造変革そのものでもある
アジャイルを推進する組織文化
-
DXを推進していく中で、どのようにアジャイルが関係してきたのか?
トップダウンでDX推進を開始、社内の業務システムをアジャイル開発 -
初期の取り組みの振り返り結果から、どのように推進したのか
人を育てるという観点で始めて見た。初期は上手くいく、しかし人は育ったよねーで終わってしまう。 -
このような組織は会社のどの部門につくるべきか?
経営層の直下においている。経営層が動いてくれないとどうしようもないことが起こる。経営層の力を借りて人を集めたりする。 -
初期のチームメンバーをどのようにして選出したか?
今のやり方に不満を持っている人を集めるとやってくれる、ただ扱いが難しい(マネジメント側)、マネジメントしきれないなら当人に任せてみるのもいい
結果:うまくいった -
どういった人材が候補に挙がるのか?
今のやり方をぶっ壊そうとしている人(今のやり方に不満がある人) -
経営層との連携の進め方は?
経営層に価値を感じてもらって手伝ってもらう、コミュニケーション大事 -
どういう視点でチームをサポートしたのか?
プロセスは任せる、期限とゴールイメージは絶対に伝える、マイクロマネジメントはしない -
KAGをパートナーとして重要視したところは?
発注側と受注側という関係性ではない、2社が一緒に作っていく
できるだけチームは変えない
→人が変わってしまうと時間をかけて築き上げてきた信頼や共通認識などが歪んでしまう
トークセッション5:Progress Before Perfection! (完璧より進歩)で挑むアジャイル
Presented by
- 後藤 卓也 氏(ノバルティス ファーマ株式会社 Business Excellence and Execution 本部 本部長)
- 市谷 聡啓 氏(株式会社レッドジャーニー 代表)
取り組んでいること
全社におけるアジャイルの適用
- どういう業務領域か
製薬メーカー、かなりトップダウン
顧客はドクター - 何年くらいやっているか
- 3年くらい
- 今は50営業所600名規模 規模拡大はめちゃくちゃ早い
- アジャイル治療医的な存在を作る
- レッドジャーニーさんはアジャイルの監督的な立ち位置
- MRさんがアジャイルを取り入れる
- 2022年末にレッドジャーニーに連絡、意外とすんなり了承
- どのような組織課題、事業課題に挑んだのか?
- 最近はドクターだけでは医療はなんとかならなくなってきている
→ステークホルダーを巻き込む - 地方ごとに問題が違うのでトップダウンで一括で対応ができない
→現場で対応するしかない、アジャイルしかない
- 最近はドクターだけでは医療はなんとかならなくなってきている
- なぜアジャイルなのか?
- 問題に対して迅速に対応できるように
- 顧客によって変化する対応ができるように
- そもそも営業にアジャイルが向いている(薬を作る部分ではなく情報提供という面でアジャイルを使う)
- 1人で動いたら1人分の経験でしかない、5人なら5人分の経験を得られる
- MRは営業ではなく医薬情報伝達のための人間
- 市谷さんの考え
- 開発ではなく事業活動
- 価値観からのインストール
- これこそ大規模アジャイル
- 後藤さんの考え
- 異なる背景を持つ人を集めたチームで行うと様々な発見ができる
- 監督してくれる人がいることで組織をアジャイル化できる
- 取り組んだ結果、成果
- 社内文化が変わった
→ビジネスパフォーマンスへの影響
社内満足度が高い程、売上や顧客満足度が高い
本社である程度の意向は考え伝えるけど、最後は現場で考えて現場で動く - 学び
- 振り切る:上司に何も言わないでくれと伝えていた
- 守破離の大事さ
- 全てがアジャイルではない
厚生労働省から言われたものとかはアジャイルではない、そこのすみわけはしっかりやる - 振り返り、向き直りの重要性
明らかに失敗なことは向き直りさせることが大事、それは営業部長の役目だったりする
チームの中でこれ違くね?って言えるのはすごく大事
スクラムマスターの存在は大きい
- 社内文化が変わった
今後の展望
- ビジネスアラインドへの実感
- 検査適応の拡張:チームメンバーだけでなく役職が高い人も巻き込む
- アジャイルの日常化
- アジャイルの範囲を広げる
5.懇親会
講演を終え、懇親会へ。
これが...無料...!?
食事が出ることは知っていましたがまさかこんなに豪華なものが出てくるとは...
(ローストビーフめちゃくちゃおいしかった)
クリエーションライン株式会社社長である安田忠弘氏による号令で懇親会がスタート!
懇親会ではカンファレンスに参加した方々、登壇した方々と実際にお話しできる機会が設けられていました。最初は消極的だったもの、お話しし始めるとどの方も優しく接してくださり、会話が弾みました。
6.さいごに
まず、私はアジャイルに対してこのようなことを考えました。
ソフトウェア開発に限った話ではなく、ひとつの事業を進める上で柔軟に対処しなければならない状況に陥った時、現時点では「アジャイル」が最強の選択肢である。
私はこのイベントに参加する前までは「アジャイル」というものが何なのか、実態を掴めずにいました。しかし、このイベントの講演(対談)にてアジャイル開発の実例を聴くことで、ひとつの確固たるイメージを掴むことができました。
Agile X Conferenceに参加し、「アジャイル」を知ることができただけでなく、様々な「人」と繋がることができ、イベントに参加することが楽しいと思うことができました。
今後もこのようなイベントには積極的に参加していきたいと思います!!