こんにちは。
menu事業部で開発PMをしている鈴木です。
十数年のSE、エンジニア職を経て今はPMとして働いていますが、日々PMという仕事の難しさに悩んでいます。そんなときに私が救いを求めるのが様々なビジネス書です。
ところが実際に本を読んで分かった気になっても、仕事に役立っているのか実感できない。何かが足りない気がするけど、他に何を読めばいいかわからない・・。
みなさんもそんなお悩みはないでしょうか?
特に、日々のタスクに追われていると、読んだ本の内容を実際の業務にどう活かすか、改めて考える時間はなかなか取れないものです。
今回は、私が普段から実践している、読書を「単なる知識のインプット」ではなく「業務に直結するトレーニング」に変える方法を紹介します。特別なツールは必要ありません。今まで読んだ本のリストとちょっとしたメモ、あとはお好みのAIを組み合わせるだけで、誰でも簡単に始められます。
開発PMが読書を「武器」にするための思考トレーニング
なぜ読書が「武器」にならないのか?
私もそうですが、陥りがちな罠は、「本を読むこと」がゴールになってしまうことです。
例えば、プロジェクト管理のベストプラクティスが書かれた本を読んだとします。
「なるほど、こういうやり方があるのか」と納得し、読んだだけで満足してしまう。
しかし、いざ自分のプロジェクトでその方法を試そうとすると、「自分のチームの状況では難しい」「本の通りにやろうとしたけどうまくいかない」といった壁にぶつかります。
これは、本に書かれている内容が、単なる知識として頭の中に留まっているだけで、「自分の頭で考え、実践し、フィードバックを得る」というサイクルが回っていないからです。
読書は、単なる知識の吸収ではなく、思考を鍛えるための練習問題と捉えるとより効果を発揮します。
読書履歴から始めるPM思考トレーニング
このトレーニングの核心は、「自分の読書履歴」をAIに分析させ、「今の自分に最適なトレーニングプラン」を生成してもらうことです。
手順は非常にシンプルです。
-
読書履歴のテキスト化
Notionやメモアプリなどに残している読書メモをテキストとしてまとめます。
形式は自由ですが、「本のタイトル:簡単なメモ」で十分です。例:
- 『エンジニアのためのマネジメント入門』:組織開発のフレームワーク、目標設定の方法など
- 『プロダクトマネジメントのすべて』:ユーザーインタビューの進め方、ペルソナ作成、MVPの考え方
-
AIに分析・推薦させる
以下のプロンプトをAIに投げかけます。
あなたは学習設計の専門家です。以下は私の読書履歴です。
[ここに自分の読書履歴を貼り付け]
これをもとに、以下の3点を出力してください。
- 私の関心分野・強み・弱み(3点ずつ)
- 未読である可能性が高く、私の伸びしろに直結するおすすめ本10冊(各100字の理由付き)
- その10冊を「今の課題に効く順」に並べてください。
3. このプロンプトを使うことで、AIはあなたの読書傾向から興味や弱点を分析し、次に読むべき本を提案してくれます。
4. おすすめ本を「教材」に変える
次に、AIが推薦した本の中から、最も優先度の高い上位3冊を「教材」として設定します。そして、以下のプロンプトで具体的なトレーニングプランを作成します。
上で挙がったおすすめ本のうち、上位3冊を「教材」として、
職務は[あなたの職務:例「自社サービスの開発PM」]として、
- 4週間プラン(平日20日)
- 1日30分前後
- 各日『観察→要約→適用』の行動タスク化(具体的なアウトプット要件つき)
- 週末にレビューと指標チェック
で設計してください。
5. このプロンプトで、単に読むだけでなく、毎日のタスクとして「何を」「どのように」アウトプットするかまで具体的に計画できます。 例えば、第1週は「本の主張を要約する」、第2週は「抽象化して自分のプロジェクトに転用する」、第3週は「読んだ内容から仮説を立て、検証方法を考える」といった具体的なタスクに落とし込めます。
PMの「勘所」を養うためのアウトプット
このトレーニングの最も重要なポイントは、「毎日1ページのアウトプット」です。
具体的には、以下のようなアウトプットを毎日30分で作成します。
- 課題ステートメント:今自分のチームが直面している課題を言語化する
- 仮説と反証条件:課題解決のための複数の仮説と、それが間違っていると判断できる条件を定義する
- 実験計画:仮説を検証するための具体的な計画を立てる
- 提案メモ:関係者に合意を得るための提案資料の骨子を作成する
これらのアウトプットは、日々の業務で無意識に行っている思考プロセスを、意識的に言語化・構造化する練習になります。
例えば、「心理的安全性」というテーマを本で読んだら、自分のチームの現状に合わせて「心理的安全性の判断基準チェックリスト」を作ってみる。
「ポストモーテム」を学んだら、自分のチームの失敗を「行動・仕組み・文化」の3つの層に分けて分析してみる。
これらのアウトプットを積み重ねることで、本に書かれた抽象的な概念を、実感を伴った本質的な理解に深化することができます。
継続のための工夫
このトレーニングは、毎日少しずつ実践することが重要です。
「読書と実務がつながらない」と感じる時は、「転用先の業務シーン」を1つ書くルールを追加します。
「AIの推薦がずれる」と感じたら、「期待したが満たされなかったポイント」を読書履歴に追記します。
「続かない」と感じたら、平日は小さなタスクに集中し、週末にまとめてレビューする習慣をつけます。完璧を目指す必要はありません。
まとめ
- 読書は「知識のインプット」ではなく「思考を鍛えるための練習問題」と捉える
- AIに読書履歴を分析させ、自分に最適なトレーニングプランを作成する
- 毎日「課題ステートメント」「仮説と反証条件」などのアウトプットを積み重ねる
まずは手元の読書メモをAIに投げてみてください。きっと、本が単なる知識から、強力なトレーニング教材に変わってくれます。
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