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LITALICOAdvent Calendar 2023

Day 24

プロダクトマネジメント組織、はじめました。

Last updated at Posted at 2023-12-23

みなさん、こんにちは。
PdM統括部の松村と申します。

CTOとVPoEと顔を合わすたびに「さあ何を書きましょうか?、テーマ考えますよ?」と強く強く迫られまして、、、w
かけられた期待には、できる限り応えたいと思うタイプなので、何か書くことにしました。というわけで、本記事は、

誰向けか?

LITALICOのプロダクトマネジメントやデザイン組織に多少なりともご興味のある方。

お伝えしたい内容

PdM組織の発足から現在に至るまでの約2年間の取り組みをできる限り赤裸々にお伝えしつつ、2年間を簡単に振り返り、同様な組織課題に向き合っている方へいくばくかの学びになればと思っております。


本編の前に、前提としてのLITALICOについて簡単にご紹介します。

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こちらがLITALICOのビジョンとそれを受けての組織のミッションや役割を定義したものです。プロダクトマネジメント組織はプロダクトや事業の価値向上を通して、ビジョン実現を加速させることを日々行なっております。ちなみに、私はこのビジョンに惹かれ、入社した一人です。



プロダクトマネジメント組織がタッチする事業方針や領域
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参考: 2024年3月期第2四半期 決算説明資料 株式会社 LITALICO


LITALICOワークス、LITALICOジュニアといったリアルな事業所や教室の運営を行っている領域では、集客施策から実際の支援する仲間の業務をささえるシステム開発まで幅広く担当しております。そして、LITALICOプラットフォームでは、マッチングメディア運営から事業所向けのSaaSプロダクト開発まで多様なプロダクト・サービスを担っております。この他にも複数新規事業があり、そこにも多くのメンバーが活躍しております。

私たちは、リアル×IT、toC+toB+自社店舗業務システム、新規+グロース
といった多様な事業特性やフェーズを持ったプロダクトを担っております。



ここからが本編です。

  • 組織発足の背景
  • 2002年4月組織発足
  • 組織構造の特徴
  • 2年間の取り組み
  • 2年経っての振り返り

組織発足の背景

組織発足以前にも、当然ながらPdM的業務をしている方はLITALICOにいました。ただし、各事業ごとに点在しており、各人ごとに模索しながら、プロダクト推進を行っている状況でした。

そんな中、現場の課題感としては、

  • 短期の顕在課題の対応に終始し、中期での取り組みテーマが設定されず、抜本的な進化が進まない。
  • 短期対応も組織としての専門ケイパ不足から、計画策定の精度、目標達成に向けた打ち手の質、モニタリング品質に課題があり、PDCAがスムーズに回っていない。

といったような声が挙がっていました。

2022年4月組織発足

そんな声を受け、2022年4月プロダクトマネジメント統括部を新設しました。既にエンジニア統括部は機能組織として先陣を切っておりましたが、続く形で発足されました。ちなみに私もこの新設のタイミングに入社しております。


組織図
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現在2023年12月現在で50名ほど在籍


所属している職種とその役割は
PdM

事業長とともに、事業戦略立案をプロダクト観点で支援し、マーケ・エンジニア・デザイナーと協働しながら事業戦略に基づいた中長期、短期のプロダクト戦略を策定します。そして、その戦略の実行推進に責任をもち、他組織と協働し、実行状況のモニタリング、戦略修正などを担っています。
要するに短中長期でのプロダクト戦略策定及び実行責任者であり、
「事業長のパートナー 」であるとともに「エンジニア/デザイナーのパートナー 」となる存在です。現在20名強のPdMが在籍しております。

プロダクトデザイナー

toC向けのマッチングメディアからtoB業務SaaSプロダクトや店舗型業務システムなど幅広い事業のUXデザイン及びUIデザインを担当しています。現在10名強のプロダクトデザイナーが在籍しています。

マーケティングデザイナー/ディレクター

各事業のマーケティング及び事業運営に関連するWEBデザインやグラフィックデザイン全般を担当するチームです。その他コーポレート全体に関連したクリエイティブ業務も一手に担っています。現在30名強WEBデザイナー、グラフィックデザイナーそしてディレクターが在籍しています。


組織構造の特徴

PdM統括部は機能組織です。
機能組織の役割は、人事・評価・アサイン・教育育成・キャリア・品質担保・進化などPdM/デザイナーの専門性を育成・強化し、価値あるプロダクトをコンスタントに生み出すことを目指しております。今回の組織変更に伴い、これまで各事業部に所属していたところから、機能組織に集約することにより、組織の壁ができてしまい、一体感がなくなり、コミット意識が薄れていくのではないかといった懸念がありました。

そこで、組織設計の工夫として、
PdMやデザイナーは統括部に主務として所属しつつ、
全く同じ組織の箱を事業部側に設置し、事業部の組織構造の中に、PdM組織が設置し、メンバーは兼務をはるといったマトリックス形の編成にしております。

そうすることにより、通常の業務は事業部の一員として、事業成果を生み出すことにコミットする。事業部の中では得ることができないような専門性の高い情報やナレッジの獲得、壁打ち相談やレビュー、キャリア相談など専門組織ならではの恩恵を得ることができるようになっています。

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2年間の取り組み(抜粋)


この組織体系で2年間走ってまいりました。 各領域毎のプロダクトの改善や進化が進み、成果も続々と生まれてきております。が、今回はその部分は割愛し、エンジニア組織と協働で実施した組織強化の様々なトライをご紹介させていただきつつ、この2年弱の取り組みの振り返りとそこからの学びを少しだけお伝えできたらなと思います。 今回は取り組みの全体像をお伝えすることに留め、それぞれを深く説明するのはまた別の機会でできればと思います。

1. ルールを作ってみた。

急拡大した組織の中で、それぞれのチームが適切なIT投資やプロダクト運営を行うための標準的なルールを整備しました。グロースハックなどの細かい改善系施策から、大規模な機能開発まで様々な施策がある中で、そのサイズやフェーズに合ったプロダクト運営基準を作成したり、大規模なPJにおいては、企画、設計・開発、テスト、リリース・振り返りといった一連の流れの中で、計画の妥当性を確認するチェックポイントを設置し、精度高いプロダクト推進が実施できるようなプロセス整備を行いました。

2. ミッションマネジメントを整備してみた。

①に関連して、各プロダクトや取り組みのKPIの設定およびそのモニタリングを整備しました。
可視化と振り返りを徹底することで、学びの量を最大化し、打ち手の質を上げたり、リスク事項の早期把握したりと、戦略実行におけるPDCAを高速に回す仕組みを整備しました。

VPoEの亀田さんの記事に一部触れている箇所がありますので、こちらも参考になると思います。
参考:200名を超えるエンジニアリング組織のヘルスチェックで三方良しの世界観を作りたい

3. 職務要件定義を作ってみた。

人事評価には等級制度、MBO制度が用いられており、
新設組織なので、等級に求める期待役割などがない状態でした。
なので、職務要件定義を作成しました。

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上記のような定義をしました。(図はイメージです)

簡単にまとめると

  • 「戦略策定力」(分析力、構造化、論理化、抽象化(概念化)力、課題設定力など)
  • 「戦術策定力」(仮説設定やプロセス設計など)
  • 「推進力」(推進力、統率力、合意形成力など)
  • 「各種専門スキル」(個別専門スキルだけでなく、領域特化のドメイン知識も含む)

PdMとしての上記の主要な4つのケイパビリティと等級毎の期待役割をマトリックス化して定義をしております。

評価とサイクルは、ざっくり流れとしては、下記になります。

目標設定→中間振り返り→人材開発委員会(管理者のみ)→振り返り→評価→FB→目標設計

上長とメンバーとで期初に半期目標を設定、半期末にその評価をします。
また、このプロセスの中間に、上長が集まり、メンバーの育成方針を議論する人材開発会議を実施し、メンバーの短中長期での育成方針を決め、それに基づきミッションやアサインに活かします。このプロセスを回すことで、人材の強化育成を目指しております。
職務要件定義はこのプロセスのベースとして機能しています。
定義自体は、リリース後、数回チューニングしながら、現在運用の軌道に乗り始めております。

4. プロダクト組織のIT投資戦略を作ってみた。

予算策定に伴うIT投資戦略の策定及びプロセス整備を実施しました。
こちら、詳細をVPoEの亀田さんが主導したPJで、こちらの記事にしっかりまとめてくれているので、そこを見ていただくのが手っ取り早いです。

参考:マトリクス型のIT組織(250名)かつ多様な事業がある企業でIT投資戦略を策定する10のステップ

5. ナレッジマネジメント整備を作ってみた。

ナレッジマネジメントは、横断機能組織の大きなメリットの一つだと思っています。
あるプロダクトで解いている問いが、実は別のプロダクトチームでは既に解決していたということは良くあることです。各事業で行った数々のトライ。失敗も成功も組織全体にとっては、学びであり、財産です。これらを最大限に活用するために、ナレッジ基盤そのものの整備や勉強会の実施・業務型化などなど、横断機能組織のメリット最大限に活かすためのトライを実施ました。


<ナレッジ基盤>
まずは、PdM統括部の皆さんが使うwikiを作りました。
日常業務の中のちょっとした困り事から具体的な様々なガイドラインやナレッジまで皆さんが欲しい「答え」が見つかるナレッジマネジメントの基盤となるサイトです。

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<勉強会>
統括部全体として、平均月一回の頻度。加えて各部毎にも個別実施しています。参加者の満足度が平均4.5以上で非常に良い仕上がりになっています。
勉強会のラインナップ(一部抜粋)です。

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<業務の型化>
これまで積み上げたベストプラクティスの中から汎用可能な業務を型化し、
属人化を防ぎ、品質の均一化を目指しました。

まずは、これまでの
戦略や企画資料や各事業の施策の一覧集などをPdMwikiに集約したり、
各事業で作成しているデザインシステム/ガイドラインを可視化したりを進めました。

いきなり型化を推進するのは、難易度が高いため、
まずはナレッジマネジメント基盤を活用しながら、集約、可視化を進めました。
今後その中から型化のベースになりそうな雛形をピックアップし、その雛形を抽象化して、雛形を作って行く予定です。

<進化について>
メンバーの皆さんからボトムアップでにあがってきた取り組みテーマもいくつか進めています。

・ブランドマネジメントのアップデート
・アクセシビリティの強化
・PdM、デザイナー、エンジニアとの開発プロセスの進化

これらは、まだまだ稼働中のPJのため、また別の機会に紹介したいと思います。

2年間を振り返り

<改善できたこと>

  • PdMがプロダクト戦略を主導し、短期だけではなく、中長期テーマへも取り組むことができるようになり、既に中長期テーマ紐づくPJも始動し始めていること。

  • 短期的な計画から実行、モニタリングのサイクルがスムーズに回り始め、施策の量・質が上がり、コンスタントに成果を生み出せる事業が出てきたこと。

  • 職種の専門性や職能を定義し、評価及び強化育成するためのスキームや基盤が構築でき、メンバーの育成やキャリア形成の一助になったこと。

  • プロダクト開発プロセスが標準化されたことにより、正しく適切なプロダクトマネジメント推進が可能になったこと。

  • 来期のIT投資の最適ポートフォリオを組むため基盤やプロセスが進化してきたこと

  • 勉強会やPdMwiki、型化推進などを通して、共有知の活用が促進し、組織力の底上げができたこと。

<まだまだ改善できると思っていること>

  • 可視化やモニタリングの基盤は整備されてきたので、それを活かしながら、計画の精度や質をもう一段引き上げられるような仕組みづくりが必要。

  • 各チームの練度は徐々に高まってきているが、各職種の役割やそれに紐づく最適なプロセスについては、まだまだ磨き余地あり。

  • 職務要件定義はデザイナーディレクターのアップデートにトライ。

  • ナレッジマネジメントは立ち上げよりも、継続的に活用されている状態を作ることが大切なので、今後いかに活用され続けるかの仕掛けを引き続き検討する必要あり。

ここ数年で、急速に組織拡大し、エンジニア・デザイナー・PdMを合わせると250名を超える規模になりました。経験豊富なスペシャリストも数多くLITALICOにジョインしてくれました。その一方で、急激な組織拡大の中で、それぞれのチームが運営やプロセスを模索しながら、進めているのが現状で、それぞれの専門性をまだまだ十分に活かしきれていないと感じております。

価値あるプロダクトを安定的に生み出せる組織にするために、これまで積み上げてきた数々の成功や失敗から、多くを学びつつ、LITALICO流の開発プロセスやチーム運営を確立する必要があると思っています。ここは可能性しかないと思っています!

最後に

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これはLITALICOのミッションステートメントです。
素敵なコピーで、私はすごく気に入っています。
LITALICOには、経験、実績、スキル、バックグラウンドも様々で、まさに多種、多様、多才なメンバーが揃っています。チームは、お互いの強みや弱みを理解し、時に、弱みをカバーし、強みを最大限に活かし、そのチームの多様性を大きな力に変換していけるようなそんなプロダクトマネジメントを目指したいなと個人的には、思っています!

最後に、LITALICOでは多様で多彩な仲間を求めております!
興味のある方はぜひお話ししましょう!

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