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LITALICOAdvent Calendar 2024

Day 8

プロダクトチームが支援現場を見学してみたら

Last updated at Posted at 2024-12-07

本記事はLITALICO Advent Calendar 2024の8日目の記事です。

はじめに

LITALICOの@michiokayです。
人事統括部新卒人材開発グループのメンバーとして、新卒エンジニア採用を担当しているほか、プロダクト本部付のHRとして組織の課題解決を担う一員でもあります。

新卒採用としての取り組みは3日目に記載しているので関心ある方はご覧ください。
新卒採用におけるカジュアル面談実施の目的とフォローアップ

本記事の目的

本記事は、LITALICOプロダクト本部を対象に実施した支援現場の見学(以下、拠点見学)の取り組みについて取り上げます。

具体的には、以下の内容についてお伝えします。

  • 拠点見学を企画した理由
  • どのような学びが生まれたのか

この記事を通して、LITALICOのプロダクト組織が目指しているドメインへの深い理解をどのように実現しようとアプローチしているのかの一端を読者の方にお伝えできればと考えています。

本記事の前提:どうして事業理解を重視するのか

LITALICOでは中心に障害福祉領域を中心に、子ども・成人・高齢者に向けて、学ぶ・働く・暮らすなど多様な観点からのサービスを提供しています。
また、サービス形態として直接支援サービスとインターネットサービスが併存していることが特徴です。
その上で、直接支援を通したドメインの深い理解とエンジニアリング力を併せ持つことで競争優位を確立しています。
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特に、インターネットサービスの開発だけでなく、直接支援サービスについても、提供プロセスや運営のDX化や、共通のシステム・データ基盤を構成していくことが重要視されています。
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そのため、インターネットサービス・直接支援サービスを問わずプロダクト開発においても領域固有の課題やルールへの理解が重要で、開発チームもドメイン理解が求められています。

なお、今回見学したのは「就労移行支援事業」と整理される、LITALICOワークスです。
サービスサイト
また、LITALICOワークスの業務支援サービス”HARVEST”を自社開発しています。

拠点見学を通して期待したこと

これら背景があることから、プロダクト本部を対象に拠点見学を実施することにしました。拠点見学の経験を通して期待していたことは以下です。
今回は就労支援サービスを提供するLITALICOワークスへの見学を企画しました。

事業理解

LITALICOのプロダクトの領域固有の課題理解が求められるため、まずは自社の現場を通して事業理解を深める機会としてもらいたいと考えました。

カルチャー理解

LITALICOワークスでの支援の様子を見ることで、会社としてどのような姿勢を大事にしているかや、対人支援の現場で行動指針がどのような取り組みとして結実しているのかを感じる契機になるのではないかと考えていました。

事業部交流

コロナ禍までは採用プロセスの中で拠点見学をすることが通例でしたが、コロナを経て機会が大幅に減少してしまいました。また、入社後の事業部を超えた交流も低調になってしまっていました。そこで、物理的に人の交流が、お互いに関心を持ち交流していく機運の醸成につながればという思いを持っていました。

なお、LITALICOワークスでどのような支援が提供されているかは以下の記事もご覧ください

やったこと

まず、事業部と連携して毎月の訪問先を決定します。実際の訪問の段取り設定については、事業部から異動してきたメンバーによって大いに支えられました。その際、毎回同じ事業所を訪問することで負担が大きいので、いろんな事業所に見学いただけるようにお願いしました。

日程が決まれば参加者募集です。一度に多くの人が訪ねると支援にも影響が出かねないので定員を設定し、参加者を決めていきました。

また、最低限のケア項目を確認し伝達しました。利用者の方々(当社内ではメンバーさんと呼称することが多い)に対しては、見知らぬ人に支援をみられることになるので、負担にならない形を見学者に伝達しました。

どんな学びがあったのか

見学に回答してもらっているアンケートを参照しながら、どんな学びがあったのかを見ていきます。「参加した理由」「気づき・学び」「活かせること」「今後への要望」に分けて見ていきます。
アンケートで回答いただいた内容を翻案して掲載します。

参加した理由

参加した理由については以下のような声が見られました。

  • LITALICOの事業所に行ったことがなく、雰囲気や事業所の様子を知りたかったため
  • マーケット調査の観点から、就労支援施設の運営実態を把握したかったため
  • サービスの機能開発の観点から、就労移行施設の支援現場を見学して業務理解を深めたかったため
  • 開発サービス以外のサービスについても知りたかったため

実際の様子を見たいという素朴な動機から機能開発の参考にするための業務理解、他事業を担当していることから事業形態の違いを知りたいという声もありました。

気付き・学び

気付き・学びについてのコメントは多岐に渡りました。大まかにカテゴリを分けて取り上げます。

  • 全体像
    • 制度面ではなく、具体的な支援の流れなどを知ることができた
  • システム
    • スタッフのPC環境について知ることができた
    • スタッフがHARVESTの品質や使い心地について感じていることを知ることができた
    • 今後利用者さんに向けての機能を開発することがあったら参考にしたいと感じた
  • 支援スタイル
    • スタッフの声かけが、メンバーさんが自分で決定できる問いかけとなっていたのがとても印象的だった
    • みんなの前で話す機会を設ける事で、他者との関わり方・自身の事を伝えることの練習も兼ねていると感じた
    • 個別の学習時間が長く、児童領域の事業所とはスタッフに求められる能力やニーズが異なりそうだと感じた
    • 求人票だけでなく、支援を受けられる社会的資源の資料も豊富に並べられていたことが。働くことはあくまで生活の一側面であって、それ以外の日常生活での困りの解消につながる情報にアクセスしやすい環境を作っているのかもしれない。

事前の期待にも書いた対人支援現場での考え方について、メンバーさんの自己決定を促している点や個々のニーズに合わせた支援を提供している点、働くことにとどまらず包括的な支援を目指している点などを感じてもらえた点がよかったです。

活かせること

そして、見学からいかせることについても回答いただきました。

  • 開発観点
    • 拠点ではノートPCでの作業がほとんどであることが分かったので、効率性に関わる検証に反映していきたい
    • 紙で運用している業務があることがわかったので、利用者アプリを開発するときに活かしたい
    • 具体的に実情に合った形でユースケースやデザインが起こせるようになると思った
  • 他事業と比較観点
    • ワークスのメンバーさんは成人ということで、自身の個別支援計画を理解できるし立案できる。一方、学校教育では基本的に児童生徒本人の個別の教育支援計画や指導計画を目にすることはないのが通例なので、児童自身が見ることができることを検討する余地がないか考えた

開発に持ち帰れることについては上記以外にもたくさんの回答をいただき、とてもありがたいです。また、他事業との比較の観点は複数事業領域にまたがる当社においては重要な観点であり、そのような視点を持って見てもらえたことを嬉しく感じました。

今後の要望

最後に要望をいただいています。これらを踏まえながら、次年度以降更なる展開をできればと考えています。

  • より多面的に業務を知るニーズ
    • データ入力、ケース会議など、スタッフ業務の時間帯にも拠点見学したい
    • 可能であれば請求時期や施設外支援のオペレーションなど、時期や場面によっての様子も知りたい
  • プログラムを深く知りたいニーズ
    • 就労移行の訓練内容についての理解を深めたいので、プログラムの開催や研修参加をしてみたい

まとめ

ここまで、拠点見学の目的や学びをまとめてきました。振り返りにあがった声を見ると当初の目的は概ね達成されていると見ることができます。ただ、事業間交流の観点では本取り組みは端緒に過ぎず、これから継続的な取り組みにできるように工夫が必要です。特に、見学ではない新たな形も検討しなくてはなりません。来年には新しい取り組みを報告できるように、継続して取り組んでいきます。

当社のプロダクト組織文化の一端を感じていただけたら幸いです。
このような組織で開発に携わってみたいと感じた方、お気軽にコンタクトください。

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