はじめに
LITALICOの@michiokayです。
人事統括部新卒人材開発グループのメンバーとして、新卒エンジニア採用をリードしています。
本記事は、LITALICO Advent Calendar 2024の5日目の記事です。
本記事の目的
本記事は、LITALICOの新卒採用においてカジュアル面談を実施する際に、どのように担当者のフォローアップをしているかをまとめる記事です。
具体的には、以下の内容についてお伝えします。
- LITALICOの新卒採用がなぜカジュアル面談を重視しているのか
- カジュアル面談を新卒1年目社員からできるようになるためにどのような機会を提供しているかをお伝えする
この記事を通して、これから当社に関心を持っていただいてる方に当社の選考についての考え方をお伝えするとともに、安心してカジュアル面談を受けていただけるようになればという思いです。
また、新卒エンジニア採用・育成に関わっている方と対話と議論をする際の参考になればと思い、記載をしております。
本記事の前提
会社組織について
エンジニア組織は200名程度の組織です。
障害福祉領域を中心に、子ども・成人・高齢者に向けて、学ぶ・働く・暮らすなど多様な観点からのサービス・プロダクトを提供しています。
プロダクト開発においても領域固有の課題やルールへの理解が重要で、開発チームもドメイン理解が求められていることが特徴です。
新卒採用について
新卒採用は2012年から開始。近年は3-5名程度を採用し続けてきています。
新卒採用の現時点での期待値としては、ポテンシャル採用とし、5年後の中核人材を期待しています。
ポテンシャル採用を目指していることから、選考時点でのテクニカルスキルよりは、よりポータブルスキル(思考力・コミュニケーション力等)やパーソナリティを重視して選考しています。
また、複雑性の高い領域だからこそ、学習することを自体を楽しめたり課題解決に没頭できるかという点を重視しています。
採用についての考え方は、以下の記事も参考になさってください。
新卒採用のプロセスは以下の通りですが、カジュアル面談に限らず、ほとんどを新卒出身を中心とした若手エンジニアが担い手となっています。
なぜカジュアル面談をやるのか
当社の考え方として、選考プロセスでは会社が一方的に評価するのではなく、ファーストキャリアとしてマッチングをすることが重要という考え方をしています。
また、ビジョンのために、役割や関わるプロダクトは変化可能性が大きく、特定プロダクトに関わらずこの会社で働きたいと思ってもらえることが大事と考えています。
特に新卒採用では、長く働いてもらいたいことから、当社の環境を包み隠さずお伝えして、納得して意思決定できるようにしていただきたいと考えています。これは、いわゆるリアリスティックジョブプレビュー(RJP)の考え方です。
「RJP」とは、Realistic Job Preview(現実的な仕事情報の事前開示)の略で、企業が採用活動に際し、求職者に仕事や組織の実態について良い面だけでなく悪い面も含めた、ありのままの情報を提供することをいいます。これによる採用はRealistic Recruitment(本音採用)とも呼ばれ、採用時点での企業と求職者とのミスマッチを軽減し、定着率を高める効果が確認されています。
日本の人事部より
そのため、直接エンジニア社員から話を聞けることや、プロセスを通して、多くの人に出会うことも大事だと考えています。特定の個人とのマッチングではなく、チームとのマッチングを考えてほしいからです。そのため、選考プロセスを通せば、VPoEを含めて最低でも4人に会っていただくように設計されています。
なぜ新卒のメンバーがやるのか
なぜ新卒メンバーが取り組んでいるかについて、RJPの観点と育成の観点から説明します。
RJPの推進
新卒に近い、実際に近い立場の人が話すことで、入社直後に感じることを伝えることができます。
就活の記憶がフレッシュだからこそ、就活時にニーズのある情報をお伝えすることができると考えられます。これらの要因により、候補者の方にとってよりリアルな情報提供につながるのではないかと考えています。
新卒社員の育成
また、新卒社員の育成観点では、以下の点から効果があると考えています。
・事業理解を深める
当社の場合、テクニカルな知識だけじゃなく領域理解もエンジニアに求められるため、事業について説明することが、事業理解を深める機会になることは重要な要素です。
・コミュニケーション力を養う
選考基準にもありますが、当社のエンジニアは、非エンジニア職のメンバーも含めて、しっかりとコミュニケーションを取りながらプロジェクトを推進できることを重要視しています。
その中で、同じエンジニア職種かつ年齢も近いという点で比較的コンテクストを共有している候補者との会話は、コミュニケーションの前提を揃えやすく、比較的挑戦しやすい領域と捉えています。
・質問を通した振り返り
面談の中で質問をもらうことで考えが深まります。
入社理由を問われて自分が働くモチベーションを見直すきっかけになったり、自分の働き方を言語化することで生産的に振る舞えているかを振り返る契機になることを期待しています。
カジュアル面談を有意義にする施策
ここまで触れたように、カジュアル面談を新卒社員がすることはメリットが多いですが、前提として説明がしっかりとでき、質問にきちんと受け答えできるようにならないと候補者体験としてよくないので、フォローアップをしっかりします。
研修の実施
カジュアル面談の研修を実施しました。
主な内容としては、以下の通りです。
- 選考の全体像の説明をします
- 「選考」というものの背景の理論説明
- 実際の面談の進め方ステップ
研修の資料例
経験者への同席の機会づくり
最初はやり方を観察学習してもらうことを重視します。そのため、経験者の面談に同席する形でスタートします。その後、徐々にリード役を話してもらいます。そして、本人の意向を確認し、人事と会社説明のロープレをして、独り立ちをします
Q&Aなどのツール的な側面支援
よく聞かれる質問についてのQ&Aシートを作成し、面談で答えられなかった質問や、悩んだ点について記載してもらい、人事やVPoEから回答します。
新卒1年目に限らず、面談ではその場では答えきれない質問が出てくることはあります。そういった質問には人事から終了後からフォローするようにしています。
おわりに〜行動指針を体現したカジュアル面談を〜
これらの行動指針は、採用活動の中でも体現することができます。
例えば、顧客(=候補者)の理想を超えるような候補者体験を選考プロセスの中で届けることや、チームLITALICOとして集合知で選考や面談の質を高め合っていくことができます。
採用活動自体もビジョンの実現に向けたプロセスとして取り組めるよう、LITALICOのエンジニア組織はこれからも努めていきたいと考えています。
これから当社の選考にご関心を持った方は、ぜひカジュアル面談を通してどんな会社なのか、存分に確かめていただければと思います。