はじめに
はじめまして。株式会社ソニックガーデンでコーポレートをしています、みっちゃんと申します。
この度はrails newの動画を教材として選んでいただき、ありがとうございます!
また、こちらの記事に偶然辿り着いたという方も、ご覧いただきありがとうございます!
このQiita記事は、Ruby on Rails初学者向けのアプリ開発学習動画「rails new」シリーズでハンズオンを行うための環境構築資料です。Railsの基礎からWeb開発に役立つ便利ツールやTipsまで、ソニックガーデンの若手現役プログラマ2名が、サクサク進めながら学べるように構成しています。
興味がある!というRails初学者の方はぜひ、このリンクのプレイリストから動画をいくつかご覧いただき、学習を始める際は、今読んでいる資料を参照しながら環境構築を進めてください。
記事の対象者
- 今からrails newシリーズでハンズオンをしようとしている方
- miseを利用したRails開発(動画視聴者の環境構築用にまとめた記事ですが、参考になりそうな方はぜひ使ってください)
こちらはMacPCをお使いの方向けの環境構築資料です。windowsPCでの環境構築手順を読みたい方はこちらへどうぞ
環境構築の手順
1. Xcode Command Line Tools のインストール
Rails の開発には、C 言語のヘッダやコンパイラなどが必要になる場合があります。macOS では Xcode Command Line Tools をインストールしておきましょう。
xcode-select --install
※ すでにインストール済みの場合は、上記コマンドを実行しても「Xcode-select: error: command line tools are already installed」というメッセージが出るだけなので問題ありません。
2. Homebrew のインストール
Homebrew(パッケージマネージャ)は、macOS でソフトウェアを簡単にインストールできるツールです。まだ導入していない場合はインストールします。
公式サイト(https://brew.sh/)に記載されているコマンドを実行します。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
Homebrewのインストールが終わったら、Path を通すためのメッセージが表示されるので、ターミナルの指示に従ってコマンドをコピーして実行してください(以下のコマンドをそのままコピペしてもうまくいきません)
echo >> /Users/[ユーザー名]/.zshrc
echo 'eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"' >> /Users/[ユーザー名]/.zshrc
eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"
※ Apple シリコン(M1/M2)の場合は /opt/homebrew パスになります。Intel Mac の場合は /usr/local が既定です。
Homebrewのバージョンが以下のコマンドで確認できれば問題ありません。
brew --version
# 出力例
$ Homebrew 4.6.3
3. mise のインストールと RubyとNode の導入
miseは、RubyやNode.jsなどの開発言語やツールのバージョン管理ツールです。プロジェクトごとに異なるバージョンを使い分けることができ、チーム開発での環境統一にも役立ちます。
miseを使って開発に必要なRubyとNode.jsのインストールを行います。
1. miseのインストールと初期設定
Homebrewを使用してmiseをインストールします。
brew install mise
miseをzshで使用するため、設定ファイルに必要な設定を追加し、反映させます。
echo 'eval "$(mise activate zsh)"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
2. Node.jsの環境の構築
指定したバージョンのNode.jsをグローバルに設定します。
mise use --global node@24.5.0
JavaScirptのパッケージマネージャーのYarnをインストールします。
mise use yarn@1.22.22
3. Ruby環境の構築
mise use --global ruby@3.4.5
4. インストール確認
miseで管理されているすべてのツールとバージョンを確認します。
mise list
# 出力例
Tool Version Source Requested
node 24.5.0 ~/.config/mise/config.toml latest
npm:yarn 1.22.22 ~/.config/mise/config.toml latest
ruby 3.4.5 ~/.config/mise/config.toml latest
4. Ruby on Railsのインストール
それでは、システムにRuby on Railsをインストールする手順を進めていきましょう。
1. gemコマンドによるRailsのインストール
Rubyのパッケージ管理システムであるgemコマンドを使用して、Railsをインストールします。以下のコマンドをターミナルで実行してください。
gem install rails
2. Railsのバージョン確認
Railsが正しくインストールされたことを確認するために、以下のコマンドを実行してインストールされたRailsのバージョンを表示します。
rails -v
# 出力例
Rails 8.0.2.1
これで、Ruby on Railsのインストールが完了しました。
5. データベース(PostgreSQL)のインストール
Rails アプリケーションでは、データベースとして SQLite、PostgreSQL、MySQL などを利用することが多いです。
デフォルトでは SQLite3 が使われますが、業務利用などで PostgreSQL / MySQL を使うことも多いため、以下の手順に従ってPostgreSQLをインストールします。
1. PostgreSQLのインストール
以下のコマンドを実行してPostgreSQLの最新安定版をインストールします。ここでは例としてバージョン17を指定しています。
brew install postgresql@17
2. PostgreSQLサーバーの起動
インストール後、以下のコマンドでPostgreSQLサーバーを起動します。これにより、データベースが利用可能な状態になります。
brew services start postgresql@17
3. 環境変数PATHの設定
PostgreSQLの実行ファイル(psqlなど)に簡単にアクセスできるよう、環境変数PATHを設定します。以下のコマンドを実行し、~/.zshrcファイルに設定を追加します。
echo 'export PATH="/usr/local/opt/postgresql@17/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
4. インストールとパスの確認
正しくインストールされ、環境パスが設定されたかを確認するために、以下のコマンドでPostgreSQLのバージョンを確認します。
psql --version
# 出力例
psql (PostgreSQL) 17.6
5. デフォルトデータベースへの接続確認
デフォルトのデータベース(postgres)に接続して、PostgreSQLサーバーが正常に動作しているか確認します。
psql postgres
接続に成功すると、postgres=#のようなプロンプトが表示され、SQLコマンドを実行できるようになります。
6. PostgreSQLセッションの終了
PostgreSQLのセッションを終了するには、\qコマンドを入力してEnterキーを押します。
\q
これにより、ターミナルのプロンプトに戻ります。
これらの手順を完了すると、RailsアプリケーションからPostgreSQLデータベースを利用するための基本的な環境が整います。
6. Gitのインストール
macOS には、Xcode Command Line Tools を入れると標準で Apple Git がインストールされる場合があります。ただし、最新の Git を使うために Homebrew 経由でインストールしておきます。
brew install git
7. Rails プロジェクトの作成と動作確認
Ruby と Rails のインストールが完了したら、試しに新しい Rails プロジェクトを作ってみましょう。
1. Rails プロジェクトの作成
(例:ブログアプリを作るとして blog_app という名前で作成)
rails new blog_app
2. ディレクトリに移動して、アプリケーションサーバを起動
cd blog_app
bin/rails server
- または短縮形で
rails sとしても同じです
3. ブラウザで確認
デフォルトでは http://localhost:3000/ にアクセスすると Rails のウェルカムページが表示されます。
ブラウザに Rails のロゴが表示されたら、これで Ruby on Rails を使ってプログラミングする準備ができたことになります。おめでとうございます!
8. VS Codeインストール
Railsアプリケーションの開発には、IDE (Integrated Development Environment) と呼ばれる統合開発環境を用いてコードを記述します。
開発環境構築の一環としてインストールしておきましょう。
「Rails new」ではVisual Studio Code(以下VS Code)を使用します。すでに利用しているIDEがある場合は、そちらのIDEでも問題ありません。
1. VS Codeの公式サイトからダウンロード
https://code.visualstudio.com/ を開きます。
「Download for Mac」ボタンをクリックすると、自動的にmacOS用のインストーラー(.dmgファイル)がダウンロードされます
2. インストール
ダウンロードした.dmgファイルをダブルクリックしてください。開いたウィンドウでVS Codeのアイコンを「Applications」フォルダにドラッグ&ドロップをしましょう。
3. 起動
Finderで「アプリケーション」フォルダを開き、Visual Studio Codeをダブルクリックしてください。
アプリが開けば、セットアップは完了です。
おわりに
ここまで出来ていればrails newでの動画視聴を始めることができます。大変お疲れ様でした。
環境構築資料についての疑問や指摘があれば、Qiitaのコメント欄にお願いします。それ以外にももし動画視聴の途中で疑問点や問題に直面した場合は、動画のコメント欄で質問してみてください!
それでは、Ruby on Railsのアプリケーション開発を楽しみましょう!Youtubeでお待ちしてます!
