この記事のポイント
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学校の広報としてWebページを作るときのサービスについての検討
→Googleサイトが適している -
学校としてWebサイトを運営する時に検討すべきこと
→著作権・肖像権・個人情報・更新フローなどの制度設計 -
この記事は企画編・作成編・運用編の三部作です。
本編は①企画編です。
モチベーション
私の通っている学校では近年新学科が設立されましたが,新学科の志望者数が芳しく無く,学校の広報について検討を実施する中で「学科の魅力が中学生にリーチできていない」「新学科で何をやっているのかイマイチわからない」等の声をうけ生徒主体として広報用のWebサイト運営を行うことになりました。
またこれまで使っていた学校公式のWebサイトは古く,更新が大変なため新たなWebサイトを公式とは別で新学科広報用のみのために作ることとしました。
このプロジェクトの目的
このプロジェクトは
中学生への情報提供を通して最適な進路選択をサポートする
ということを目的としました。
なので,万人に入りたい!と思ってもらうよりかは,学科の情報を生徒目線で提供し,後は中学生にお任せというスタンスで運営を行うことにしました。
学校の環境
本校のIT環境
- ハード面
- コンピュータ室:iMac(Intel 8thGen)×40
- コミュニケーション室:MacBook Air(M1)×40
- 一人一台端末:Chromebook(一人一台)
- ソフト面
- Google Workspaceアカウント(教員・生徒一人一つ)
- 校内無線LAN環境
利用サービスの検討
学校でWebサイト制作をする時に必要な要素
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”簡単さ”一般的な人が簡単に制作できるか
→引き継ぎのハードルを低くしたい(ノーコード) -
”接続性”学校のどの端末でもブロックされずに使えるか
→学校の端末ではセキュリティのためブロックサれるサイトが多々ある
(端末・OSによって異なることもよくある) - ”管理の楽さ”画像掲載するときに管理が面倒ではないか
→大人数を扱うので肖像権等の配慮のため画像の扱いが簡単なものがよい
以上の要素を検討した結果Googleサイトが最適だとなりました。
- ”簡単さ”ノーコードでの制作が可能
- ”接続性”Googleサービスなどですべての端末でブロックされない
- ”管理の楽さ”Googleドライブの共有ドライブ機能を使って安易に管理可能
学校としてWebサイトを運用すべきときに注意した事項
1.著作権・肖像権
Webサイトとして公開する以上は著作権法上の”公衆への送信”に基本的には該当するので,著作権・肖像権への配慮が必要です。
特に教員の中には,もっぱら”教育利用”をで著作物を利用してきたので著作権への意識が低い人がいます。
Webサイトを運営する際は,著作権・肖像権について生徒・教員を含めた関係者での確認が重要です。
参考資料
学校における教育活動と著作権(令和5年 文化庁)
2.著作権以外のコンプライアンス
また公的な機関(公立高校であれ私立高校であれ)として発信をする以上コンプライアンス意識に欠けたサイトの作成は絶対に防がなかればなりません。
特には1.の”著作権・肖像権”ですが,他にも不適切な言葉遣いや不適切な写真(撮影場所など)に注意する必要があります。
3.個人情報
近年個人情報保護たプライバシーの確保の目的から,個人情報の取り扱いが複雑になり難しくなっています。なので広報用の場合は(少なくとも生徒が関わる場合は)個人情報を収集しないほうがよいでしょう。(触らぬ情報に祟りなしです。)
質問等を募集する際も”このフォームでは個人情報を送信しないでください”などと書いておくべきでしょう。
更新フロー(教員・管理職によるチェック)
以上のようなことを防ぐため,必ず毎更新ごとに教員もしくは管理職に確認を入れてもらう制度を設計をしましょう。
少なくとも生徒には更新権限を付与せず,教員が確認してから更新というのが望ましいでしょう。
次回は実際にGoogleサイトを利用してWebサイトを制作していきます。
駄文にお付き合い頂きありがとうございました。