はじめに
SSH接続をする際,WindowsのMobaXtermは大変便利であるが,LinuxでもMobaXtermがあればなぁと思ったことはないだろうか.LinuxでもSSHができるGUIソフト自体は多くあるが,多くはX11非対応,もしくは設定が面倒なものであった.そのなかでもそれをクリアするMobaXtermと近いソフトとして,Ásbrú Connection Managerというものを見つけたが日本語の資料が皆無だったので,簡単に紹介させていただく.Ubuntuでの利用例を示す.
公式サイト
ここが公式サイトであるので,詳細を参考にしたい方は参照してほしい.
本記事ではごく基礎的な機能のみ取り上げる.
インストール(Ubuntu)
前述の公式サイトのままである.他のLinuxディストリビューションをお使いの方は公式サイトのインストール方法ページを参照してインストールしてほしい.
sudo apt-add-repository multiverse
sudo apt install curl
curl -1sLf 'https://dl.cloudsmith.io/public/asbru-cm/release/cfg/setup/bash.deb.sh' | sudo -E bash
sudo apt install asbru-cm
基本操作
ほぼMobaXtermと使用感は変わらない気がする.
メニュー画面は以下のとおりである

新しい接続情報の作成は赤枠の右側で作成する.左側のボタンではフォルダを追加して接続情報をまとめることができる.

新しい接続情報の作成ボタンを押すと,以下のような画面が出る.
接続情報の名前を記入する.自分にとってわかりやすい名前を自由につけてよい.

赤で伏せたような部分が記入事項になる.ホストのIPアドレスやログインするユーザ名とパスワードを入力する.他にお好みのところがあれば設定する.例えば「Reconnect on disconnection」では接続が切れたときに再接続を自動的に指定の時間後に行ってくれる.

タブを「SSH Options」に切り替え,「Forward X」にチェックを入れる.ここにチェックを入れることで,sshコマンドの「-X」オプションを指定したような扱いになり,リモートマシン上で起動したGUIアプリケーションの画面を、ローカル側に転送して表示できるようになる

筆者の設定項目はだいたい以上である.このほかにも設定できることは多くありそうである.
「Save and Close」で接続情報を保存して閉じる.
すると,接続情報の欄に先程設定したものが追加されている.

起動したい接続をダブルクリックする.すると,以下のようにSSHに入れるはずである.

なお,先程パスワードを設定したにも関わらず,このように再度パスワードを求められる場合,設定したパスワードに誤りがあると思われる.

このようにリモート側のGUIソフトも開けることが確認できた.

まとめ
"Linux版MobaXterm"として,Ásbrú Connection Managerは良い選択肢になりうると思う.多機能で設定できる項目は多いが,代表的な機能はわかりやすい位置に配置されている.X11にも対応しており,GUIアプリケーションの立ち上げの点も心配ない.