何度もぶつかってきた、ある「おかしな現象」から話を始めたい。
Amazon セラーツールを2つ開いて、同じ ASIN を調べる。ツール A は「核心の不満は充電ポートの緩み」と言う。ツール B は「ボタンの不具合」と言う。同じ商品、同じ購入者。なのに、2つのツールで2つの結論。
どちらを信じればいい?
ここ2年、セラーツールはどれも一つのことを競っている — AI だ。Helium 10 にも Jungle Scout にも AI があり、Data Dive は先月 MCP を出した。だが上の矛盾が示しているのは、こういうことだ。問題は AI ではない。データだ。
ツール A と B は、同じレビューを読んでいない。一方は3週間前のスナップショットから20件、もう一方は先週のキャッシュ50件。どれだけ優秀な AI でも、こういうデータを食わせれば、自信満々に間違った結論を出すだけだ。
そこで voc-amazon-reviews を作り、OSS として公開した。
主流ツールのデータ層は、どこが壊れているか
いくつかのツールのデータ層を調べたが、ほぼ同じ形をしている。
- スクレイピング頼み — Amazon が画面構造を変えた瞬間に全部壊れる
- 無料枠はレビュー10〜50件で打ち止め — ペインポイント分析の標本数として不足
- ライブではなくキャッシュのスナップショット — 「今、購入者が何を言っているか」を謳うツールが3日前のデータを出す
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verified_purchase/helpful_votes/vineが静かに欠落 — この3フィールドこそ、星1が本物の購入者か競合のサクラかを決める - 約95%が米国サイトのみ — 非英語マーケットは後回し
voc-amazon-reviews は逆をやる
前提が逆だ。レビューのデータ層は、地味で、堅牢で、完全であるべき。
- 基盤は有料 OpenAPI(Shulex VOC) — スクレイピングではない
- 10マーケットをネイティブ対応:US/CA/MX/GB/DE/FR/IT/ES/JP/AU
- 1 ASIN あたり1回で最大1,000件のレビュー取得
- フルスキーマ保持:verified / helpful / vine / バリエーション / 日付
- ライブ取得、キャッシュではない
- 非英語レビューは原文のまま取得
この層は華やかではない。地味で、堅牢で、完全 — それだけだ。だが上に乗るもの(感情分析、ペインポイント抽出、リスティング書き換え)はすべてこの層の上に立つ。土台が傾けば、上にどれだけ高く積んでも傾く。
MCP サーバー
全体は1つの MCP サーバー。4つのツールが、すべて同じデータ層の上で動く。
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fetch_reviews— レビューを取得 -
analyze_reviews— 感情とペインポイントの分析 -
voc_full— 完全な VOC レポートを一気通貫で生成 -
extract_listing_improvements— レポートを「そのまま使えるリスティング修正案」に変換
MCP の細かい仕様は気にしなくていい。JSON を1ブロック設定すれば Claude Desktop / Claude Code / Cursor / Windsurf に組み込まれ、あとは自然言語で指示するだけ。
一番気に入っているツール
extract_listing_improvements。ASIN を渡すと、書き換え後のタイトル、5つの bullet、説明文、抜けているキーワードが返ってくる。
肝心なのはここ — 各提案に、それがどのレビューのどの一文に基づくかが明記される。 SEO の小細工でも、でっち上げた訴求でもなく、購入者自身の言葉だ。
warnings フィールドもある。レビューが「製品そのものの問題」を指している場合、はっきり告げる — これはリスティングの文言では直せない、と。壊れた製品に良いコピーを付けても、増えるのは売上ではなく返品だ。
技術スタック
下回りは shell skill、MCP サーバーは Python。完全オフラインのユニットテスト50本(API キーなしで CI が回る)。MIT ライセンス。BYO API key — あなたのデータは私の側の何にも触れない。
なぜ作ったか
セラーツールを作る人へ — fork してほしい。Amazon で売る人へ — そのまま使ってほしい。カバーできていない、特に痛いレビュー分析のニーズがあれば教えてほしい。次のツールはあなたのために作る。