Cloudflare(クラウドフレア) について、できることと特徴を用途別にまとめました。
利用できる機能・上限・料金はプランによって異なるので注意です。
Cloudflareは、既存サイトの高速化・保護に加えて、
Webアプリの実行、データ保存、AI開発、企業のネットワーク管理まで扱う基盤です。
公式の全体像
1.ドメイン・DNS・HTTPS
サイトの「住所」と通信の入口を管理する領域です。
DNSの公式資料、Registrarの公式資料
| できること | サービス・機能 | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| ドメインを取得・更新する | Registrar | ドメイン管理をCloudflareにまとめる |
| ドメインと接続先を結び付ける | DNS | A・AAAA・CNAME・MX・TXTなどのレコードを管理 |
| DNS応答の改ざんを検証する | DNSSEC | DNS情報の正当性を署名で確認 |
| サイトをHTTPSで公開する | SSL/TLS | 利用者とCloudflare、Cloudflareと元サーバーの通信を暗号化 |
| 証明書を細かく管理する | Advanced Certificate Managerなど | 証明書の対象や運用を調整する企業向け機能 |
2.Webサイトの高速化・配信・トラフィック制御
既存のサーバーを使いながら、Cloudflareを前段に置いて利用できます。キャッシュ対象や保持期間をルールで調整できる点が特徴です。CDN・キャッシュ、Rules
| できること | サービス・機能 | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| コンテンツを世界各地から配信する | CDN | 利用者の近くで配信し、元サーバーの負荷を減らす |
| キャッシュ条件を設定する | Cache Rules | URL・Cookieなどに応じて対象や保存期間を設定 |
| キャッシュを削除する | Purge Cache | 更新した内容を再取得させる |
| 元サーバーへの取得を減らす | Tiered Cache・Cache Reserve | キャッシュ階層や永続的な保存を活用 |
| URLを転送する | Redirect Rules・Bulk Redirects | ドメイン変更やページ移転に利用 |
| URL・ヘッダーを書き換える | Transform Rules | アプリ側を変えずに通信を調整 |
| 小さな処理を通信に挟む | Snippets | 軽量なカスタム処理を追加 |
配信の可用性やアクセス集中にも対応できます。Load Balancing、Waiting Room
| できること | サービス・機能 | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 複数サーバーに通信を振り分ける | Load Balancing | 負荷分散、ヘルスチェック、障害時の切り替え |
| 通信経路を最適化する | Argo Smart Routing | ネットワーク状況に応じた経路選択 |
| アクセス集中時に入場を制限する | Waiting Room | 販売開始やイベント時の待合室を作る |
3.Web・APIのセキュリティ
公開サイトやAPIへの攻撃・濫用を、通信の入口で検査・制御します。WAF、API Shield
| できること | サービス・機能 | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 大量の攻撃通信に対処する | DDoS Protection | 攻撃によるサービス停止を防ぐ |
| 不正なWebリクエストを検査する | WAF | 攻撃パターンや独自ルールで遮断・チャレンジ |
| リクエスト頻度を制限する | Rate Limiting | ログイン試行やAPIの連打を抑える |
| 自動アクセスを判定する | Bot Management | 正規の自動処理と悪質なBotを見分ける |
| フォームへの自動投稿を抑える | Turnstile | CAPTCHAの代替となる検証を組み込む |
| APIの構造や通信を検証する | API Shield | APIの把握、スキーマ検証、mTLSなど |
| ブラウザー側のスクリプトを監視する | Client-side security・Page Shield | 外部スクリプトなどのリスクを把握 |
AIクローラーのアクセスも管理できます。AI Crawl Controlではアクセス状況を確認し、許可・ブロックなどを設定します。AI Crawl Control
4.Webサイト・アプリ・自動処理の開発
アプリのコードをCloudflare上で実行する領域です。WorkersはAPIだけでなく、静的ファイル配信やWebアプリも扱います。Workers、Pages
| できること | サービス・機能 | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| APIを公開する | Workers | リクエストを受けてコードを実行 |
| Webアプリを動かす | Workers | フロントエンドとサーバー処理を構成 |
| HTML・CSS・JSを配信する | Workers Static Assets | 静的ファイルとアプリ処理を同じプロジェクトで扱う |
| サイトを公開する | Pages | Git連携やアップロードでデプロイ |
| 定期実行する | Cron Triggers | データ取得、通知、定期集計など |
| コンテナを実行する | Containers | Workersと組み合わせてコンテナ内のコードを動かす |
| ブラウザーを自動操作する | Browser Run | スクリーンショット取得やWeb操作をプログラム化 |
非同期処理や状態管理を組み合わせると、より複雑なアプリを作れます。Queues、Workflows、Durable Objects
| できること | サービス・機能 | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 処理を後回しにする | Queues | メッセージを送り、バックグラウンドで処理 |
| 複数段階の処理を継続する | Workflows | ステップ、待機、再試行などを管理 |
| 状態を持つ処理を動かす | Durable Objects | チャット、共同編集、接続や同時更新の調整 |
| 顧客のコードを実行する基盤を作る | Workers for Platforms | 自社SaaSに顧客向けの拡張機能を提供 |
Workers for Platformsは、利用者が自分のコードを追加できるサービスを作る用途です。公式資料
5.ファイル・データベース・分析データ
保存するデータの性質によってサービスを使い分けます。R2はファイル、D1はSQLで扱うデータが中心です。R2、D1
| できること | サービス | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 画像・PDF・ファイルを保存する | R2 | S3互換APIを持つオブジェクトストレージ |
| SQLでデータを保存・検索する | D1 | SQLiteベースのマネージドDB |
| キーと値の組で保存する | Workers KV | 設定や参照データなど |
| 処理と状態をまとめて管理する | Durable Objects | 状態を持つ計算と保存を組み合わせる |
| 外部DBへの接続を効率化する | Hyperdrive | 既存DBへの接続を最適化する |
Hyperdriveは、既存データベースへの接続を改善するサービスです。D1のように新しいデータベースを提供する役割とは異なります。Hyperdrive
2026年には、分析やイベント処理向けの基盤も拡充しています。Birthday Week 2026の発表まとめ
| できること | サービス | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 大きなデータを取り込み・管理・分析する | Basin | R2・Apache Icebergを使う分析基盤 |
| 順序を持つイベントを保存・購読する | K2 | 永続的なイベントストリーム |
| ファイルをバージョン管理する | Artifacts | Git互換の操作などで保存・共有 |
6.AIアプリ・AIエージェント
モデルの実行、検索、呼び出し管理、エージェントの動作環境を組み合わせられます。Workers AI、AI Gateway、Agents
| できること | サービス | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| AIモデルを実行する | Workers AI | 提供モデルの推論をサーバーレスで利用 |
| AIへの呼び出しを管理する | AI Gateway | ログ、キャッシュ、レート制限、再試行など |
| 意味の近いデータを検索する | Vectorize | ベクトル検索用データベース |
| 自分の資料を使うAI検索を作る | AI Search | データ検索と生成AIを組み合わせるRAG基盤 |
| 状態を持つエージェントを作る | Agents SDK | 状態保持、ツール呼び出し、対話など |
| コードを隔離環境で実行する | Sandboxes | エージェントのシェル操作やコード実行環境 |
| MCPサーバーを作る | Workers・Agents | AIから呼び出すツールを提供 |
Sandboxesは、AIが生成したコードなどを隔離された実行環境で動かす用途を想定しています。Sandboxes
Workers AIはモデルを動かす場所、AI Gatewayはモデル呼び出しを管理する入口です。AI Gatewayでは外部プロバイダーのモデルも扱えます。
7.社内ツール・従業員のアクセス・情報保護
Cloudflare Oneは、企業の接続とセキュリティをまとめる領域です。Cloudflare One
| できること | サービス | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 社内アプリへのアクセスを制限する | Access | ユーザーや端末の条件で許可・拒否 |
| 非公開のサーバーへ接続する | Tunnel | 外向き接続で到達経路を作る |
| 端末の通信をCloudflareへ送る | Cloudflare One Client | 通信の検査や端末状態の確認に利用 |
| 危険なサイトへの接続を制御する | Gateway | DNS・HTTP・ネットワーク通信にポリシーを適用 |
| Web閲覧を隔離する | Browser Isolation | ブラウザーの処理を隔離環境で実行 |
| 機密情報の流出を検知する | DLP | 通信やSaaS内の機密データを検査 |
| SaaSの設定・データを検査する | CASB | クラウドサービス上のリスクを把握 |
| フィッシングなどを検知する | Email Security | 悪意あるメールやなりすましへの対策 |
| 社員の接続品質を調べる | Digital Experience Monitoring | 端末・ネットワーク・アプリの状態を確認 |
| AIツールへのアクセスを管理する | AI controls | MCPなどの利用に認証・ポリシーを適用 |
Tunnelは接続経路を作り、Accessは誰が利用できるかを決めます。 社内アプリでは組み合わせて使うことが多いです。
8.企業ネットワーク・Web以外の通信
拠点やネットワーク全体の接続・保護にも対応します。Cloudflare WAN、Magic Transit、Spectrum
| できること | サービス | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 拠点間ネットワークを接続する | Cloudflare WAN | 企業のWAN構成をクラウドで管理 |
| ネットワーク全体をDDoSから保護する | Magic Transit | IPネットワークの保護 |
| ネットワーク通信を制御する | Network Firewall | 企業ネットワークへのルール適用 |
| Cloudflareに直接接続する | Network Interconnect | 専用接続やパートナー経由の接続 |
| TCP・UDPアプリを保護する | Spectrum | Web以外の通信もプロキシ・保護 |
| サービスや端末を相互接続する | Cloudflare Mesh | プライベートなメッシュ接続 |
9.画像・動画・音声・メール
アプリ内のメディア配信やメール処理も扱えます。Images、Stream、Realtime、Email Service
| できること | サービス | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| 画像を保存・加工・配信する | Images | サイズ変更、形式変換、最適化 |
| 録画動画を配信する | Stream | アップロード、エンコード、再生 |
| ライブ動画を配信する | Stream Live | ライブ配信と録画 |
| 音声・ビデオ通話を組み込む | RealtimeKit・Realtime基盤 | 通話やWebRTCの機能を構築 |
| 独自ドメインのメールを転送する | Email Routing | 既存のメールアドレスに転送 |
| アプリからメールを送る・受信処理する | Email Service・Email Workers | 通知メールや受信時の自動処理 |
10.分析・運用・自動化
作ったサービスの状況を把握し、設定変更やデプロイを自動化できます。Observability、Workersの公式資料
| できること | サービス・機能 | 特徴・使いどころ |
|---|---|---|
| サイトの利用状況を把握する | Web Analytics | ページ閲覧などを分析 |
| 通信・攻撃・キャッシュを分析する | Analytics | 各サービスの動作を確認 |
| アプリの不具合を調べる | Logs・Metrics・Traces | 実行ログや性能情報を調査 |
| ログを外部へ送る | Logpush | 外部ストレージや分析基盤へ連携 |
| デプロイを自動化する | Workers Builds・Git連携 | コード更新からビルド・公開 |
| 段階的に公開・切り戻しする | Versions・Gradual Deployments・Rollback | 変更の展開を管理 |
| 設定をコードから操作する | API・Wrangler・Cloudflare CLI・Terraform | 管理作業や環境構築を自動化 |
個人向けには、DNS問い合わせを処理する 1.1.1.1 や、端末の通信を扱う WARP もあります。1.1.1.1の公式資料
Cloudflare全体の特徴
- 既存環境に追加できる。 Webサイトを別のサーバーに置いたまま、配信や保護をCloudflareに任せられる。
- アプリの実行基盤にもなる。 WorkersにストレージやDBを接続してサービスを構築できる。
- 共通のネットワーク上で機能を組み合わせられる。 配信・保護・開発・社内接続を同じプラットフォームで扱う。
- 管理画面とコードの両方で操作できる。 小規模な設定から自動化まで対応する。
- 無料枠から試せる製品がある。 本格利用では、製品ごとの課金や制限を確認する必要がある。全体像、Workersの料金
実際に作れるものの例
以下はサービスの役割をもとにした構成例です。
| 作りたいもの | 組み合わせ例 |
|---|---|
| ブログ・ポートフォリオ | PagesまたはWorkers Static Assets+独自ドメイン |
| 会員制Webアプリ | Workers+D1+R2+認証機能 |
| 社内限定の業務ツール | Workersまたは既存サーバー+Access+必要に応じてTunnel |
| 自分の資料を検索するAIチャット | Workers+AI Search+AI Gateway+モデル |
| リアルタイムの共同編集アプリ | Workers+Durable Objects |
| ファイルアップロード・画像配信サービス | Workers+R2+Images |
| 非同期のデータ処理 | Workers+Queues+Workflows |
| 顧客がコードを追加できるSaaS | Workers for Platforms+データサービス |
押さえておきたい条件もあります。Workersには実行時間・メモリ・互換性などの制限があり、R2のエグレス無料も保存や操作がすべて無料という意味ではありません。 また、地域ごとのデータ要件やベータ製品の利用条件は個別に確認します。Workersの制限、R2の料金
直近の製品では、BasinとAI Searchは一般提供、K2とArtifactsはベータ、Cloudflare OSの完全マネージド版は待機リストという違いがあります。2026年の発表まとめ









