『Databricks──ゼロから触ってわかった!AI・機械学習エンジニア基礎 非公式ガイド』
Databricksでの プロンプト設計・RAG構築・モデル管理・ガバナンス を扱うAIエンジニアの入門決定版。
生成AIとデータエンジニアリングの橋渡しに必要な“実務の型”を体系化しています。
資格本ではなく、実務基盤としてAIを運用する力 を育てる内容です。
Databricks認定生成AIエンジニアアソシエイト
プロンプト設計の基本パターン(Zero-shot / Few-shot / 構造化プロンプト)
生成AIエンジニアリングにおいて、最初の壁になるのが「プロンプト設計」です。
Databricks認定生成AIエンジニアアソシエイト試験でも、プロンプト設計の基礎は高確率で出題される必須テーマです。
特に、以下の3つは“必修パターン”と言えます:
Zero-shot(指示のみ)
Few-shot(例示付き)
Structured Prompting(構造化プロンプト)
実務ではさらに高度なパターンもありますが、まずはこの3つを深く理解することが試験対策にも直結します。
以下では、それぞれの特徴・メリット・使い分けのポイントを整理していきます。
① Zero-shot:最もシンプル、ただし万能ではない
Zero-shotとは、タスクだけを直接指示して回答を生成させるプロンプトです。
例:
日本語で要約してください:
【文章】
〜〜〜
Zero-shotの強みは次のとおりです:
書き方がシンプルで覚えやすい
追加情報が不要のため推論コストが低い
モデルの基本性能を測定しやすい
試験でも「Zero-shotでモデルに何を求めるか」が問われます。
一方、Zero-shotは以下の弱点もあります:
応答のブレ(再現性の低さ)
形式制御が難しい
業務ワークフローには不向きなケースが多い
そのため、Zero-shotは“最初の基準点”として理解しつつ、強みと限界を押さえることが重要です。
② Few-shot:例示が出力を安定させる最強テクニック
Few-shotでは、モデルに「こう答えてほしい」という例を提示してから本番タスクを指示します。
例:
以下の形式で応答してください。
【例】
入力: りんご
出力: Apple
入力: 車
出力: Car
--- 本番 ---
入力: 猫
出力:
Few-shotのメリット:
出力形式が安定する
モデルの推論が意図に沿いやすい
分類・要約・変換タスクで強力
試験では、
“少ない例示”で効果を出す
“不要な情報を入れずに”例示を完結
“形式制御”を例示で示す
といった点が重要になります。
ただし、例を入れ過ぎるとトークンコストが増えるため、Databricksのモデル推論ではサイズとコストの両立が求められます。
③ 構造化プロンプト(Structured Prompting):試験・実務どちらでも重要度No.1
Databricksの生成AI系サービス(Mosaic AI、モデルサービング、評価)を扱う上で必須となるのが、構造化プロンプトです。
構造化プロンプトとは:
指示(Instruction)
文脈(Context)
制約(Constraints)
応答形式(Format)
を明確に指定するプロンプトです。
例(JSON出力を要求するパターン):
あなたはプロダクトアナリストです。
以下の文章から製品名・カテゴリ・顧客タイプを抽出し、
JSON形式で返してください。
【文章】
〜〜〜
【出力形式】
{
"product": "",
"category": "",
"customer": ""
}
メリット:
出力の安定性が圧倒的
JSONや表形式など、構造化データとして扱える
MLflow評価・監査ログとの相性が良い
実装・運用で再現性が確保しやすい
Databricksの試験では、
“応答形式を指定せよ”
“再現性・ガバナンスのため必要なものは何か”
“システム連携に向くプロンプトはどれか”
といった観点で頻出します。
まとめると
プロンプト設計の基本3パターンは、それぞれ役割が異なります:
Zero-shot:シンプル/モデルの基準性能を見る
Few-shot:例示で出力のブレを抑える/実用度が高い
構造化プロンプト:再現性・ガバナンス重視/業務実装の中心
Databricks認定生成AIエンジニアアソシエイト試験では、この3つを“なぜ使うか”“どう使い分けるか”がポイントになります。
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PoC設計
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