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⚡Azure × Databricks⚡ SAS / OAuth / MI 認証方式まとめ

Last updated at Posted at 2025-12-08

SAS / OAuth / MI 認証方式まとめ

3.4 SAS  OAuth  MI 認証方式まとめ.png

📚 関連書籍

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本文

Databricks と ADLS Gen2 を組み合わせてデータ基盤を構築する際、
最も誤解を生む領域が 認証方式の違い です。

  • とりあえずSASで動いたからOK
  • OAuthでアプリ登録したけど更新作業が面倒
  • Managed Identityを使いたいが仕組みが難しい

このような混乱が発生する理由は、認証方式の“性格”が根本的に異なるためです。

本記事では、SAS・OAuth・Managed Identity の本質的な違いと、Databricks実務における最適解を整理します。


1. 🔑 認証方式の全体像:SAS / OAuth / Managed Identity の役割を理解する

🎟 SAS(Shared Access Signature)

SAS は「期限付き・権限限定」の共有鍵で、あるStorageリソースに対して読み書き権限を一時的に付与できる仕組みです。

SASの特徴

  • URLに秘密鍵が埋め込まれている
  • 有効期限・アクセス範囲・操作を限定できる
  • 単発利用のスクリプト・外部連携に便利
  • だが「漏洩=即時アクセス可能」という弱点あり

SASは手軽で便利な一方、鍵管理の負債を生みやすいため、本番運用では避けられることが多くなっています。


🔐 OAuth(Service Principal 認証)

OAuthは、アプリケーションが Azure AD(Entra ID)に“ログインする”方式です。

  • Client ID
  • Client Secret
  • Tenant ID

これらを使ってアプリがトークンを取得し、そのトークンを使って ADLS へアクセスします。

OAuthの特徴

  • アプリ主体の認証方式として堅牢
  • 鍵のローテーションが必須(運用コスト高)
  • 複数アプリ間で統一管理できる
  • セキュリティポリシーに準拠しやすい

Databricks では Service Principal を使って OAuth 認証も可能ですが、鍵管理が重く、クラスターごとの設定が煩雑になるため、現在は MI が主流となっています。


👤 Managed Identity(MI)

Managed Identity は Azure リソースに“埋め込まれたID”で、パスワードを持たずに安全に認証を行えます。

Databricksでは PMI(Private Managed Identity) がクラスターに割り当てられ、
PMI → RBAC → ACL → Unity Catalog
という流れでアクセス制御が行われます。

MIの特徴

  • パスワード・鍵が不要
  • ローテーション不要
  • RBACと自然に統合
  • Databricksとの相性が抜群

まとめると、MIはクラウドネイティブ認証の最適解です。


2. 🧭 各方式のメリット・デメリット:実務で効く判断基準を知る

SASのメリット・デメリット

  • 👍 簡単に発行できる
  • 👍 外部システムとの連携が簡便
  • 👎 鍵がURLに露出
  • 👎 管理しづらい(棚卸しの地獄)
  • 👎 運用チームが嫌がる

OAuthのメリット・デメリット

  • 👍 認証的には非常に強い
  • 👍 企業規模のアプリ開発と相性◎
  • 👎 Client Secret のローテーションが運用負荷に
  • 👎 Databricksでは構築時の手間が増える

MIのメリット・デメリット

  • 👍 鍵レスで安全
  • 👍 RBAC/ACL との統合が簡単
  • 👍 Unity Catalog と相性が良い(Storage Credential)
  • 👎 ネットワーク制約があると動作に慣れが必要

Databricksではどれが最適か?

結論:
本番運用では Managed Identity 一択に近い。

理由:

  • クラスターはPMIとして動く
  • Storage Credential と統合可能
  • External Location が安全に作成できる
  • データアクセスのトレーサビリティが向上

3. 🚀 Databricks × ADLS Gen2でのベストプラクティス:MI × UC の黄金パターン

Databricksでは、以下の構成がほぼ“標準解”です。


🔹 PMI(Private Managed Identity)をDatabricksクラスターに付与

クラスターが ADLS にアクセスする際の“代表ユーザー”になります。


🔹 PMI に RBAC を付与

Storage Blob Data Contributor

yaml
コードをコピーする
これがないと Storage Account に入れません。


🔹 ACL を付与(必要に応じて)

Directory レベルで r-x / rwx を付与。

Delta Lake のテーブルフォルダに ACL がないと書き込みエラーになります。


🔹 Unity Catalog に Storage Credential を作成

Storage Credential = “MI を論理層に見せる仕組み”
External Location と組み合わせることで、安全にテーブル管理が可能。


🔹 Databricks内部からは SQL でアクセス

CREATE EXTERNAL TABLE ...
USING DELTA
LOCATION 'abfss://...'

yaml
コードをコピーする

RBAC → ACL → UC の三層が整うことで、
Databricks のデータアクセスは最も安全で、運用しやすくなる。


🏁 最後はまとめ:認証方式の理解がレイクハウス成功の鍵

本質は次の通りです。

  • SAS=使い捨ての“鍵”
  • OAuth=アプリが“ログインする”方式
  • MI=クラウドネイティブで最も安全な認証

Databricks × ADLS Gen2 では、
MI × RBAC × ACL × Unity Catalog
という黄金パターンを採用することで、セキュリティと運用性の両立が実現します。

認証方式の選択を誤らなければ、レイクハウスは驚くほど安定します。


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  • PoC要件整理
  • データ基盤の要件定義
  • チーム開発/ガバナンス
  • AIワークフロー構築
  • トラブルシュート

など、現場で直面しがちな課題を解決する知識としても活用できます。

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