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git fetchとブランチ取り込み系コマンドを解説

Last updated at Posted at 2019-10-19

執筆時のgitのversion 2.20

対象のコマンド

コマンド 第1引数 第2引数
git fetch <リモートリポジトリ名> <リモートブランチ名>
git merge <ローカルブランチ名> --
git rebase <ローカルブランチ名> --
git pull <リモートリポジトリ名> <リモートブランチ名>
git pull --rebase <リモートリポジトリ名> <リモートブランチ名>

それぞれのコマンドは、1つまたは2つのコマンドライン引数を取ります。
省略した場合については、こちらをご覧ください。

以降リポジトリの状態を以下と仮定し説明します

本記事では、上記5つのコマンドの引数を以下のリモートリポジトリ名とブランチ名を例にして説明します。

リモートリポジトリを origin という名前で、ローカルリポジトリに登録しているとしているとします。

また、リモート、ローカルそれぞれのリポジトリにあるブランチは以下とします。

  • リモートリポジトリ

    • master
    • develop
  • ローカルリポジトリ

    • コミット可能なブランチ
      • master
      • develop
    • リモートにあるブランチを追跡するためのブランチ
      • origin/master
        リモート(origin)のmasterブランチを追跡している
      • origin/develop
        リモート(origin)のdevelopブランチを追跡している

フェッチ (fetch)

リモートリポジトリにあるブランチの最新状態を、それを追跡しているローカルのブランチに反映させます。

$ git fetch <リモート名> <リモートブランチ名>

例) リモートoriginにあるdevelopブランチを、それを追跡しているローカルにあるorigin/developにフェッチする。

$ git fetch origin develop

フェッチする前は、以下の状態であったとします。
orgin/masterorgin/develop は、リモートの最新状態を取り込めていません。

#リモートリポジトリ                  #ローカルリポジトリ

コミット6    *     master
         | \
コミット5    |  *  develop          
         |  |                 
コミット4    |  *                   *   develop origin/develop      
         | /                    |
コミット2    *                      *   master  origin/master
         |                      |
コミット1    *                      *

以下、コマンドの実行結果です。

#リモートリポジトリ                  #ローカルリポジトリ

コミット6    *     master
         | \
コミット5    |  *  develop          *   origin/develop
         |  |                   |
コミット4    |  *                   *   develop      
         | /                    |
コミット2    *                      *   master  origin/master
         |                      |
コミット1    *                      *

リモートのdevelopを、ローカルにあるコミット可能なブランチ develop に取り込めたわけではないので注意してください。以降で解説する マージリベース どちらかで可能になります。

マージ (merge)

引数に指定したローカルにあるブランチを、カレントブランチに取り込みます。

$ git merge <ブランチ名> 

例) リモートorigindevelopブランチを追跡するブランチであるorigin/developをローカルのdevelopブランチにマージする。

# developをチェックアウト
$ git checkout develop

# origin/developをマージ
$ git merge origin/develop

マージする前が、以下の状態だったとします。

#ローカルリポジトリ

コミット4       *  origin/develop
コミット3    *  |  develop
         | /            
コミット2    *     master origin/master                 
         |            
コミット1    *            

以下、コマンドの実行結果です。

#ローカルリポジトリ

コミット5    *     develop
         | \
コミット4    |  *  origin/develop
コミット3    *  |  
         | /            
コミット2    *     master origin/master        
         |            
コミット1    *            

マージで取り込めるブランチは、origin/developなどのリモートのブランチを追跡するブランチだけではありません。
ローカルにあるすべてのブランチを指定することができます。

**上記のブランチの状態から続けて、**以下のコマンドを実行してみましょう。

例) ローカルのdevelopブランチをローカルのmasterブランチにマージする。

# developをチェックアウト
$ git checkout master

# developをマージ
$ git merge develop

以下、コマンドの実行結果となります。

#ローカルリポジトリ

コミット5    *     master develop
         | \
コミット4    |  *  origin/develop
コミット3    *  |  
         | /            
コミット2    *     origin/master        
         |            
コミット1    *            

【おさらい】 リモートのdevelopを、ローカルのdevelopに取り込むまで。 1. リモートのdevelopを、`orgin/develop` にとりこむ(fetch) 2. origin/developを、ローカルの `develop` にとりこむ(merge)

mergeは、ローカルのブランチに、指定したローカルの別のブランチをとりこむコマンドでした。
類似するコマンドに rebase があります。
違いは、ブランチの図をみて感じ取ってみてください。

リベース (rebase)

カレントブランチの根本を、現在のコミットから、引数に指定したブランチの最新コミットへ付け替えます。

$ git rebase <ブランチ名>

例) リモートorigindevelopブランチを追跡するブランチであるorigin/developに、ローカルのdevelopブランチをリベースする

# developをチェックアウト
$ git checkout develop

# developをorigin/developにリベース
$ git rebase origin/develop

リベースする前が、以下の状態だったとします。
マージとの比較をしやすくするため、同様の状況としました。

#ローカルリポジトリ

コミット4       *  origin/develop
コミット3    *  |  develop
         | /            
コミット2    *     master                  
         |            
コミット1    *            

以下、コマンドの実行結果です。

#ローカルリポジトリ

コミット3.1    *     develop
           | 
コミット4      *     origin/develop    
           |             
コミット2      *     master origin/master        
           |            
コミット1      *            

リベースには、ブランチはすっきりするというメリットがある一方、コミット3はなくなってしまいます。
マージとリベースは状況によって使い分けましょう。


基本的に、フェッチ、マージ、リベースを覚えておけば、ブランチの取り込みはできるわけですが、 フェッチとマージ、フェッチとリベースを同時に行える便利なコマンドもあるので、 良ければ覚えておきましょう。以降で解説します。

プル (pull)

リモートのブランチを、それを追跡しているローカルのブランチにフェッチし、さらにそのリモート追跡ブランチをカレントブランチにマージします。フェッチとマージの組み合わせです。

$ git pull <リモート名> <リモートブランチ名>

例) リモートoriginにあるdevelopブランチを、ローカルのdevelopにプルします

#developブランチをチェックアウト
$ git checkout develop

# リモートのdevelopブランチをプルする
$ git pull origin develop

プルする前が、以下の状態だっとします。

#リモートリポジトリ                  #ローカルリポジトリ

コミット7    *     master
         | \
コミット6    |  *  develop           
コミット5    |  |                   *  develop
         |  |                   |                 
コミット4    |  *                   *  origin/develop         
         | /                    |
コミット2    *                      *   master  origin/master
         |                      |
コミット1    *                      *

以下、コマンドの実行結果です。

#リモートリポジトリ                  #ローカルリポジトリ

コミット8                           *      develop
コミット7    *     master           | \
         | \                    |  |
コミット6    |  *  develop          |  *   origin/develop
コミット5    |  |                   *  |    
         |  |                   | /                
コミット4    |  *                   *         
         | /                    |
コミット2    *                      *       master  origin/master
         |                      |
コミット1    *                      *

プルリベース (pull --rebase)

リモートのブランチを、それを追跡しているローカルのブランチにフェッチし、さらに、カレントブランチをそのリモートを追跡しているブランチにリベースします。フェッチとリベースの組み合わせです。


$ git pull --rebase <リモート名> <リモートブランチ名>

例) リモートoriginにあるdevelopブランチをフェッチし、最新化されたorgin/developに、ローカルのdevelopをリベースします

#developブランチをチェックアウト
$ git checkout develop

# 1.リモートのdevelopを、origin/developにフェッチ
# 2.ローカルのdevelopを、origin/developにリベース
$ git pull --rebase origin develop

プル・リベースする前が、以下の状態だっとします。

#リモートリポジトリ                  #ローカルリポジトリ

コミット7    *     master
         | \
コミット6    |  *  develop           
コミット5    |  |                   *  develop
         |  |                   |                 
コミット4    |  *                   *  origin/develop         
         | /                    |
コミット2    *                      *   master  origin/master
         |                      |
コミット1    *                      *

以下、コマンドの実行結果です。

#リモートリポジトリ                     #ローカルリポジトリ

コミット5.1                            *   develop
コミット7       *     master           | 
            | \                    |  
コミット6       |  *  develop          *   origin/develop
            |  |                   |                
コミット4       |  *                   *         
            | /                    |
コミット2       *                      *   master  origin/master
            |                      |
コミット1       *                      *
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