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「もうFirebaseじゃなくてよくない?」── Supabaseが選ばれている理由を全部書く

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はじめに

最近、個人開発やスタートアップの技術選定で 「Supabase使ってます」 という声を急激に聞くようになりました。

GitHub Star数は9万を超え、2025年10月には評価額が50億ドル(約7,500億円)に到達。開発者数は400万人を突破し、2020年のローンチからわずか5年で、Firebaseの最大の対抗馬に成長しています。

「Firebaseで困ってないけど、乗り換えるべき?」「そもそも何が違うの?」──この記事では、SupabaseとFirebaseの違いを整理し、どんなケースでSupabaseを選ぶべきかを解説します。


Supabaseとは

Supabase(スーパベース) は、「オープンソースのFirebase代替」を掲げるBaaS(Backend as a Service)です。

Firebaseが NoSQL(Firestore) を中心に構築されているのに対し、Supabaseは PostgreSQL をベースにしています。これが両者の根本的な違いであり、Supabaseの強みの源泉です。

【Supabaseが提供する機能】
├── Database      … PostgreSQL(フルSQL対応)
├── Auth          … メール/パスワード、OAuth、MFA
├── Storage       … ファイルストレージ(S3互換)
├── Edge Functions … サーバーレス関数(Denoランタイム)
├── Realtime      … データベース変更のリアルタイム配信
└── Vector        … ベクトル検索(pgvector)/ AI機能

つまり、バックエンドに必要なものが ほぼ全部入り です。


Firebaseとの違いを一枚の表で

比較項目 Supabase Firebase
データベース PostgreSQL(リレーショナル) Firestore(NoSQL / ドキュメント型)
クエリ言語 SQL ドキュメント指向のSDK
リレーション(テーブル結合) JOINが使える クライアント側で結合 or データ非正規化
オープンソース はい(Apache 2.0) いいえ(Google独自)
セルフホスト 可能 不可
ベンダーロックイン なし(PostgreSQLなので移行容易) 高い(Firestoreからの移行は困難)
サーバーレス関数 Edge Functions(Deno) Cloud Functions(Node.js / Python / Go)
料金体系 月額固定+従量(予測しやすい) 操作単位の従量課金(予測しにくい)
ベクトル検索 / AI pgvector組み込み Vertex AI連携(別サービス)
オフライン対応 限定的 強い(Firestoreのオフラインキャッシュ)

一言で言えば、Supabaseは「PostgreSQL + BaaS」、Firebaseは「NoSQL + Googleエコシステム」 です。


Supabaseが選ばれている5つの理由

1. SQLが使える ── これが最大の理由

Firebaseを使ったことがある方なら、こんな経験はないでしょうか。

  • 「このデータ、JOINで取りたいのに……」
  • 「集計クエリが書けなくて、全件取得してクライアントで計算している」
  • 「データ構造が複雑になってきて、非正規化の管理がつらい」

SupabaseならPostgreSQLの フルSQL が使えます。JOIN、サブクエリ、ウィンドウ関数、CTEなど、RDBの表現力をそのまま使えます。

-- Supabaseなら普通にSQLが書ける
SELECT
  users.name,
  COUNT(orders.id) AS order_count,
  SUM(orders.amount) AS total_amount
FROM users
LEFT JOIN orders ON users.id = orders.user_id
WHERE orders.created_at >= '2026-01-01'
GROUP BY users.name
ORDER BY total_amount DESC;

Firestoreでこれと同じことをやろうとすると、複数のクエリを発行してクライアント側で結合する必要があります。

2. オープンソースでベンダーロックインがない

Supabaseは Apache 2.0ライセンス のオープンソースです。つまり、

  • ソースコードを自由に確認できる
  • セルフホスト(自分のサーバーで運用)が可能
  • Supabaseのサービスが仮になくなっても、PostgreSQLなので別の環境に移行できる

Firebaseは完全にGoogleのプロプライエタリサービスです。Firestoreのデータ構造は独自形式のため、他のデータベースへの移行は容易ではありません。

3. 料金が予測しやすい

Firebaseの料金体系はドキュメントの読み取り/書き込み回数に基づく従量課金です。アプリがスケールすると、料金が急激に上がることがあります。

Supabaseは 月額固定+超過分の従量課金 です。

プラン 料金 内容
Free $0 500MBデータベース、5万MAU、1GBストレージ
Pro $25/月 8GBデータベース、10万MAU、100GBストレージ
Team $599/月 大規模チーム向け
Enterprise カスタム SOC2対応等

月額5万ユーザーのSaaSの場合、Supabaseでは月$100〜$200程度に収まるケースが多いのに対し、Firebaseでは$400〜$800になるという比較もあります。

4. ベクトル検索とAIが組み込み

2026年、バックエンドに求められる機能として ベクトル検索 が急速に重要になっています。RAG(検索拡張生成)を使ったAIアプリケーションを作る場合、テキストを埋め込みベクトルに変換して検索する必要があるからです。

Supabaseは pgvector というPostgreSQL拡張を標準で利用可能で、追加のベクトルDBサービスを契約する必要がありません。

-- pgvectorを使ったベクトル類似検索
SELECT id, content, embedding <=> '[0.1, 0.2, ...]' AS distance
FROM documents
ORDER BY distance
LIMIT 5;

さらに2026年3月には Vector Buckets(パブリックアルファ)が追加され、大量の埋め込みデータを低コストのコールドストレージに保持しつつクエリエンジンで検索できるようになっています。

Firebaseでベクトル検索をするには、別途Vertex AIやPineconeなどを組み合わせる必要があります。

5. 開発者体験(DX)が非常に良い

Supabaseのダッシュボードは、テーブルの作成・編集、SQLの実行、RLS(行レベルセキュリティ)の設定、ログの確認まで、ブラウザ上で完結します。

最近のアップデートでは、

  • ドキュメントの全ページに「Copy as Markdown」ボタン が追加され、AIツールに貼り付けやすくなった
  • Cursor用Supabaseプラグイン が公開され、AI IDE内から直接Supabase操作が可能に
  • MCP対応 で、Claude CodeやChatGPTからデータベースを自然言語で操作可能に
  • Log Drains(Pro以上) で、Datadog、Sentry、Grafana Lokiなどにログを転送可能に

といった機能が追加されています。


Firebaseのほうが良いケース

Supabaseの良い点ばかり書きましたが、Firebaseが優れているケース もあります。

モバイルアプリのオフライン対応

Firestoreは オフラインキャッシュ が非常に強力です。ネットワーク切断中もアプリが動作し、再接続時に自動同期されます。Supabaseにはこの機能がネイティブには組み込まれていません。

プッシュ通知(FCM)

Firebase Cloud Messaging(FCM)は、モバイルアプリへのプッシュ通知のデファクトスタンダードです。SupabaseにはFCM相当の機能がないため、プッシュ通知が必要な場合はFirebaseとの併用か、別サービスの導入が必要です。

Google Cloudとの深い統合

Firebase → Cloud Functions → BigQuery → Vertex AI というGoogleの一気通貫のパイプラインを活用したい場合、Firebaseのほうが摩擦が少ないです。


Supabaseを5分で始めてみる

試すのが一番早いです。アカウント作成からテーブル操作まで5分でできます。

# Supabase CLIのインストール
npm install -g supabase

# ローカル開発環境の起動
supabase init
supabase start
# → ローカルにPostgreSQL + Auth + Storage + Edge Functionsが立ち上がる

# ブラウザでダッシュボードを確認
# http://localhost:54323

あるいは、supabase.com でアカウントを作れば、Free Tierで即座にクラウド上のPostgreSQLを使えます。テーブルの作成はダッシュボードのGUIでも、SQLでも可能です。

-- テーブル作成
CREATE TABLE posts (
  id UUID DEFAULT gen_random_uuid() PRIMARY KEY,
  title TEXT NOT NULL,
  content TEXT,
  created_at TIMESTAMPTZ DEFAULT now()
);

-- RLS(行レベルセキュリティ)を有効化
ALTER TABLE posts ENABLE ROW LEVEL SECURITY;

-- 認証ユーザーのみ読み取り可能なポリシー
CREATE POLICY "認証ユーザーは閲覧可能"
  ON posts FOR SELECT
  TO authenticated
  USING (true);

JavaScriptクライアントからの操作は以下のようになります。

import { createClient } from '@supabase/supabase-js'

const supabase = createClient(
  'https://your-project.supabase.co',
  'your-anon-key'
)

// データ取得(JOINもOK)
const { data, error } = await supabase
  .from('posts')
  .select('*, users(name)')
  .order('created_at', { ascending: false })
  .limit(10)

Firebaseと違い、SQLの知識がそのまま活かせるのがポイントです。


まとめ

あなたの状況 推奨
新規Webアプリ / SaaS Supabase(SQL+予測可能な料金)
個人開発・プロトタイプ Supabase(Free Tierが太い)
RAG / AIアプリ Supabase(pgvector組み込み)
ベンダーロックインを避けたい Supabase(OSS+セルフホスト可能)
モバイルアプリ(オフライン重要) Firebase(Firestoreのオフラインキャッシュ)
プッシュ通知が必須 Firebase(FCM)
Google Cloudに全振りしている Firebase(エコシステム統合)

「Firebase vs Supabase」は「どちらが優れているか」ではなく、「自分のプロジェクトにどちらが合うか」 で決めるべきです。

ただし、Webアプリケーション、SaaS、AIアプリを新規で作るなら、2026年の時点では Supabaseを第一候補にする のが合理的な選択だと考えます。SQLが使える、料金が予測しやすい、ベンダーロックインがない──この3点だけでも、選ぶ理由としては十分です。


参考:

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