はじめに
こんにちは。PharmaX株式会社エンジニアの古家です。
この記事はPharmaXアドベントカレンダー2022の2日目の記事になります。
1日目は薬剤師エンジニアである加藤の電子処方箋の仕組みについてでしたが、今回は薬剤師ネタではなく、弊社開発チームの取り組みについて書いていきたいと思います。
背景
今まで週に1回、KPTでふりかえりを行っていましたが、以下のような課題がありました。
- KeepよりもProblemが沢山でる
- Problemの深掘りの議論に時間がかかり、Tryに繋がる改善は週に1-2個
- 改善できないProblemが溜まっていき、チームの雰囲気が悪くなる
- 議論が少なく、特定の人しか話していない
段々と出されるアイデアの数がProblemもKeepも少なくなるという悪循環になってしまっており、やり方を変えたいと感じていました。
ふりかえりとは
仕事が一段落したあとにチームメンバーで集まり、チームのやり方やチームワークについて点検し、改善するための特別なミーティングのことです。
レトロスペクティブ(ふりかえり)はアジャイル開発手法の一つであるスクラムでは、イベントの中の一つとして定義されています。
スクラムガイドには以下のように定義されています。
- 個⼈、相互作⽤、プロセス、ツール、完成の定義に関して、今回のスプリントがどのように進んだかを検査する
- スプリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発⽣したか、そしてそれらの問題がどのように解決されたか(または解決されなかったか)について話し合う
- ⾃分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更を特定する。最も影響の⼤きな改善は、できるだけ早く対処する。次のスプリントのスプリントバックログに追加することもできる
ただスクラムガイドの定義だと「プロセスや問題を改善する」方向に意識が向きがちだなと感じていました。
色々調べていく中でアジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブックの著者である森一樹さんが提唱している「ふりかえりの3つの目的、3ステップ」が一番しっくりきたので、ふりかえりの目的としてはこちらを参考にさせて頂くことにしました。
https://qiita.com/viva_tweet_x/items/262f89c7d23793c5cf3e
ふりかえりの利用範囲はアジャイル開発には限定されず、ソフトウェア開発でなくても使うことができます。
FDL(ファン・ダン・ラーン)とは
Fun・Done・Learnの略で、2018年に行われたScrum Coaches Retreat in Okinawaに集まったアジャイルコーチたちが作ったアクティビティです。
安井力さんのQiita記事に概要が記載されていますので、まずはこちらをご覧ください。
ひと目みて「楽しさ」にフォーカスしている点に魅力を感じ、KPTから乗り換えてみることにしました。始める前にFDLが良いなと個人的に思ったのは以下の3点です。
- 楽しかったことをシェアすることで前向きにふりかえりを始めやすそう
- 学びをシェアすることで成長したという実感が得られそう
- 前向きに考えられるのでアイデアが出やすく、データを収集しやすそう
FDLを取り入れたふりかえりのやり方
まだやり方は改善中ですが、振り返りは以下のタイムスケジュールで取り組んでいます。
- Figjam に各自で付箋に書き出してみる時間 10分
- 書き出した付箋を分類しながらトークしていく時間 25分
- 次のスプリントではどの領域を狙いたいかを話す 5分
- その領域の付箋を増やすためのNext Actionを話す 5分
- ふりかえりのふりかえり 15分
ツールにはFigJamを使っており、ふりかえりのふりかえりはシックスハット法で行っています。
実際やってみて
KPTを使っていた頃に比べると、アイデアが沢山でるようになったと感じています。また、Fun・Done・Learnという枠組みは出来事ベースで書いていくことができるので、意外とこんなことまでできていたんだなと成長を実感することができており、ふりかえり自体がとても楽しくなりました。
今後の課題
Fun・Done・Learnは場作りやデータ収集のアクティビティとしては優秀なことは分かったものの、そこからのアイデア出しとアクション決定するための流れがまだ上手くできていません。
ふりかえり自体もやることでブラッシュアップするものだと思いますので、この課題についてカイゼンできたらまた記事にして紹介したいと思います。