ふりかえりで使える手法としてKPTやYWTなどがありますが、新しくファン・ダン・ラーン(Fun/Done/Learn)というアプローチを作ったので紹介します。チームがやったことを、Fun、Done(またはDeliver)、Learnという3つの軸とその重複で見直します。上の図のように、Fun、Done(Deliver)、Learnのを重ね合わせた図をボード上に書いて、そこに分類していきます。
この図を見れば、経験のあるファシリテーターやスクラムマスターなら自分なりのやり方が思いつくのではないでしょうか。ぜひ自由に使ってみてください。以下では、私たちが実際に試してみた方法を紹介します。
- まずホワイトボードや模造紙に、上のFun/Done/Learnの図を描く。重なり合う領域が狭くなりすぎないよう気をつけること
- メンバー1人ひとりで、やったことを付箋に書き出す
- 付箋の内容を共有して会話しながら、図上の当てはまる領域に付箋を貼っていく。
- 付箋を書いた人ではなく、他のメンバーが貼り付ける領域を選ぶようにすると面白いです
- 例: 「みんなでゲームで遊んだ」→ 楽しかったのでFunの円の上半分(他と重ならない部分)に貼る
- 例: 「モブプロでスキルを共有したが進みは遅かった」 → モブプロでモチベーションが上がったのでFun、スキル共有したのでLearn、Doneにはつながらなかったので、FunとLearnの重なる右中央の領域に貼る
- 例: 「新たにVue.jsで機能を実現できた」→ やって楽しかったし、Vue.jsを学べたし、機能をリリース(提供)できたので、Fun/Deliver/Learnの重なる中央部分に貼る
- 次にスプリントやプロジェクト全体としてどうだったか、当てはまると思う領域に1人ずつ選ぶ(シールを貼ったり、ペンで印をつけたりするとよい)。スプリントならスプリント全体、プロジェクトならプロジェクト全体についての評価をする
- ボードを眺めながら、次のスプリントやプロジェクトではどの領域を狙いたいか話をする
進める中で、LearnやDeliverとはどういう意味なのか、疑問が出てきたり、人によって捉え方が違っていたりするかもしれません。チームとして議論して認識をそろえていくよいタイミングになります。逆に、それぞれの意味をあまり細かく定義したり、一方的に説明しない方が、ふりかえりとしての効果が高まるようです。
FDLはScrum Coaches Retreat in Okinawaでのアウトプットとなります。一緒に開発したチームA(Team Almost Done)のみなさん、ありがとうございました!他の参加者のみなさんも(特に実験台になってくれたチームB)、ありがとうございます。
Team Almost Done(順不同)
- HIDE
- indare
- JB
- Tee
- yattom
- YesNo