〜MSL Setup(Multiverse Secure Lab)の作者が裏側を語る〜
2026-03-10 追記
※この記事は以下のまとめページからシリーズ全体を確認できます
【2026年版】Proxmoxを最強の開発プラットフォームへ変貌させる全手順
2025-12-19 追記
本記事の内容をベースにした自動構築フレームワーク
MSL Setup Pro v1.0.0 をリリースしました。
同じ構成をワンコマンドで立ち上げたい方は、公式サイトをご覧ください。
👉 https://www.zelogx.com/ja/
2026-1-12 追記
MSL Setup Pro v1.1.0 をリリースしました。
VPN越しに自分が所属するプロジェクト内のVMの起動停止/作成削除、スナップショット作成、バックアップ等を行えるようになりました。
また、こちらでご紹介してませんでしたが無償版。全機能を手動で構築可能な手順をguthubで公開しております。
👉 https://www.zelogx.com/ja/products/basic/
2026-1-25 追記
MSL Setup Pro v1.2.0 を無料バージョンをリリースしました。
PritunlへのOrganization, Serverへのアタッチ、Serverの起動までを自動化しました。
無償版。全機能をシェルで構築可能な手順をguthubで公開しております。
👉 https://www.zelogx.com/ja/
無料版(Github) 👉 https://github.com/zelogx/msl-setup
良かったらgithub star☆落としていって下さい。
はじめに
こんにちは、Masa(Zelogx)です。
自宅 Proxmox で複数の開発プロジェクトを同時に回していくうちに、
「この環境チームメンバに共有出来たらプロジェクト全体が効率よく進むのに…」
でもそのままVPNアクセスさせたら他のプロジェクトのVMも丸見え、プライベートで建てているVMも丸見えだからうかつに公開できない。という事が何度も発生しました。
その問題を全部まとめて解決するために作ったのが、
MSL Setup(Multiverse Secure Lab Setup) です。
試しに Reddit で投稿したらトレンド入り。Google検索でも “proxmox msl setup” がトップに出るようになったので、ここで作者として日本語で紹介しておきます。
手動での構築手順はgithubで無償公開しています。
https://github.com/zelogx/proxmox-msl-setup-basic
なぜ作ったのか?(背景)
自宅ラボでいろんなプロジェクトを同時に回していると、
必ずこういう問題にぶつかります。
- 外部から VPN 経由で TEAM と共有できる開発環境 が欲しい
→ でも“自宅 LAN 全部丸見え”はさすがに無理 - PJ ごとにネットワークを完全に隔離したい
→ 他のPJの機密事項を保証できない - VLAN を使わずに L2 分離したい
→ 高価なマネージドハブなんか持っていない - VPNクライアントの管理を効率化したい
→ 証明書・鍵の管理を脳内メモリでやる時代はもう無理 - 自宅ネットワークをどう作ったか整理して管理したい
→ PVEのNotesにネットワーク図が貼ってあれば最高だけど、以下のように表示できます。
かつsvgなので、LANの線がアニメーションで動くギミック搭載笑
結論はこうでした:
どの問題も“既存の構成”(フラットなブリッジ配下に全VM羅列)では限界。
じゃあ、プロジェクト別にブリッジと、GW作って、GUIでクライアント管理できるVPNサーバ(Pritunl)立ててというのを全部まとめて自動化できるフレームワークを作ればいい。
MSL Setup とは?(ざっくり)
Proxmox(SDN Simple Zone + PVE Firewall)と
Pritunl(OpenVPN/WireGuard)を組み合わせて、
「プロジェクトごとに完全隔離された L2 ネットワーク+専用VPN」
を構築する手順書 です。
外部のチームメンバーを安全に招待でき、
PJ 間はL2分離で通信不可能。
自宅(または会社)のメイン LAN も絶対に見えない。
ひと言で言うと:
Proxmox で“複数のゼロトラスト開発環境”を作るためのフレームワーク。
MSL Setup の特徴(作者視点で本音)
■ 1. mainLANから切り離された “安全な公開環境” を作れる
PoC環境
共同開発環境
オフショア開発メンバへの環境提供
などなど、用途はさまざま
これらを会社(または自宅) Proxmox の中に置きつつ、
mainLANを決して晒さずに外部へ公開できる のは想像以上に便利です。
なお、VPNユーザは自分でproxmox画面(VM、FW設定)は触れないので、安全です。
(勿論、ここをVPNクライアントに公開してRBACで可能な範囲を限定する事は可能ですが、今回の手順には含めてません)
■ 2. PJごとに独立したVPNをPritunlで実現
Pritunl をバックエンドにして、PJ単位で VPN を完全自動生成。
- PJ-A の VPN → A の VM しか見えない
- PJ-B の VPN → B の VM しか見えない
- mainLAN → 一切見えない
- VPNクライアントユーザの管理(追加・変更・削除・サスペンド・リジューム)
- 所属組織の管理
- VPNクライアントコンフィグはユーザ登録すると自動生成。コンフィグのダウンロード、またはダウンロードリンクの取得
- ユーザ組織の個別PJ用VPNサーバへの割り当て(≒PJ用LANへの割り当て)
- 個別VPNサーバの起動停止制御
簡単に運用とVPNトラフィックを図式化すると以下のようになります。

■ 3. プロジェクト作成 → 必要なネットワークを事前に生成しておきます。
なので、あとは、VM作るときにNICをPJ用のブリッジ(vnet)に接続するのみです。
■ 4. VLAN 完全不要。家庭用ルータでOK
MSL Setup は VLAN, pfSense, OPNSense を一切使いません。
Proxmox SDN の VNet と PVE-Firewall(nftables使用) の組み合わせで
L2 ブロードキャスト域レベルの完全隔離ができます。
だから:
- ルータ買い換え不要
- 家庭用スイッチでOK
という “Proxmoxあれば誰でも再現できる構成” にしています。
また、本プロジェクトはルーティングパフォーマンス、無駄リソース廃止等も考慮した結果、pfSense,OPNSense を間に挟まない形で、もっともシンプルなProxmox ベアメタルレベルFW/SDN機能で実現しております。
ルータを設定したい、VLANを触ってみたいという方は本記事を参考にし、各プロジェクトのGW部分をpfSense, OPNSenseに置き換えることで組み合わせて使用する事も可能かと思います。
■ 5. ホストノードのリスクを最小化できる
MSL Setup のネットワークは:
VM → PJネットワーク → PVE FWで強制遮断 → (必要ならNAT) → mainLAN
という流れになっていて、
VMが乗っ取られても mainLANまで到達しにくい構造 になっています。
■ 6. 運用
非常にシンプルです。
- 項番3に記載してます。VM作成時、PJ毎に隔離されたブリッジにvnetでNICを接続するのみ
- これも項番2に記載済み。VPNクライアントのユーザをPritunlに登録、クライアントコンフィグ配布
🛠️ 技術スタック
- Proxmox VE 9
- Proxmox SDN Simple Zone + VNet
- Pritunl(VPN)OpenVPN/Wireguard
🎯 まとめ
MSL Setup は:
「Proxmox で複数PJを安全かつ完全隔離して運用するための環境構築手順」
です。
- homelab
- 個人開発
- チーム開発
- 受託PJ
- PoC
- 検証環境
- 企業内の安全な dev 環境
どれでもそのまま転用できます。
ぜひ GitHub を覗いてみてください!
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