はじめに
わたしがGoogle UX Design Certificateで得られた素晴らしい体験を、特に重要だと思われるポイントを小さく分割して、わかりやすく簡潔に紹介していきます。
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3つのデザインアプローチ
今回は、ユーザを第一に考えた3つのデザインアプローチについて紹介します。
- Universal design: ユニバーサル・デザイン
- Inclusive design: インクルーシブ・デザイン
- Equity-focused design: 公平性に重点を置いたデザイン
ユニバーサル・デザイン
ユニバーサルデザインとは、最も幅広い能力を持ち、最も幅広い状況にあるユーザーのために一つの製品を作る手法です。
デザイナーは、すべての人に一つの解決策を提案します。問題は、万人に一つの解決策を作ることに注力すると、デザインが効果を失ってしまうことです。
例えば、1サイズしかない帽子を売っている店に行くと、ラベルには「One-size-fits-all」と書かれているかもしれませんが、その帽子は多くの人にフィットしないものです。
つまり、「フリーサイズ」は優れた解決策ではないのです。
インクルーシブ・デザイン
インクルーシブデザインとは、能力、人種、経済状況、言語、年齢、性別などの個人を特定する要素を考慮してデザインを選択します。
インクルーシブデザインは「一人のために解決し、多くの人に広げる」と表現することができます。
例えば、私たちはデザインをする際、視覚や聴覚に障害のある人たちのニーズに焦点を当てます。そして、製品のバージョンを重ねるにつれ、身体障害者や認知障害者など、さらに排除されたグループのためにデザインするようになります。
障害のある人々のために製品、機器、サービス、あるいは環境を設計することは、アクセシビリティと呼ばれています。アクセシビリティは、インクルーシブ・デザインの1つの側面に過ぎません。
「一人のために解決し、多くの人に広げる」という考え方は、デザインが作成されたグループと既存のユーザーにしか利益を与えません。多くのグループはまだ取り残されています。
ユニバーサルデザインとインクルーシブデザインの違い
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ユニバーサルデザイン: 多くの人が「使える」ものを作ることで社会から排除される人々をなくそうとする。公共性が高い場所など多くの人が使えるようにしなければならない状況で利用される。
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インクルーシブデザイン: 排除されつつある個人のニーズや価値観を深く理解したうえで、「使いたい」と思わせるものを作ることで社会に取り込もうとする。特定の問題や状況の改善を起点とし、より大きな問題を解決しようとする状況で利用される。
公平性に重点を置いたデザイン
公平性に重点を置いたデザインは、インクルーシブデザインの考え方をさらに一歩進めたものです。
それは、製品を作る際に歴史的に十分に代表されなかったり、無視されてきたグループのために設計することに焦点を当てるようデザイナーに求めるものです。
公平性を目標にデザインするためには、まず、平等と公平の違いを知る必要があります。
- Equality(平等): 社会のあらゆる層に対して、同じだけの機会と支援を提供することです。言い換えれば、誰もが同じものを手に入れることができるということです。
- Eaity(公平): 一人ひとりに異なるレベルの機会や支援を提供することです
- Equality(平等): すべての人が同じ箱の上に立つことができますが、背の高い人だけが見やすいようになっています。
- Eaity(公平): 一番背の低い人が、一番高い箱の束の上に立つことができるようになっています。
インクルーシブデザインと公平性に重点を置いたデザインの違い
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インクルーシブデザイン : 現在排除されている人々のグループのために製品を作る。
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公平性に重点を置いたデザイン : 過去に排除されてきたグループの特定の個人のニーズを満たす製品を作る。
実際の現場でやるべきこと
- 作りたい製品を特定する。
- これまでそのような製品が提供されてこなかったグループについて考える。
- そのような人たちを中心に据えて、設計を進めていく。
まとめ
インクルーシブデザインやユニバーサルデザインがすべての問題を解決するわけではないのと同様に、公平性に焦点を当てたデザインがすべての問題を解決するわけではありません。
しかし、すべてのデザイナーがアクセシビリティの基本を知るべきであり、なぜ、十分に代表されず排除されている人々のために製品を作ることが必須であると認識しましょう。