ロジックを可視化するにはPADが有効
プログラミング経験者の方で『仕様のロジックを可視化するために、フローチャートを描いたけど処理の構造がはっきりしない。』といった悩みや、これからプログラミングを始めようと考えている方で『仕様をプログラムに落とし込むためには、何をやればいいのか分からない。』という不安を解決するには、プログラムロジックを誰が見ても分かりやすい図に表すことが必要です。
プログラムのロジックを表現する方法としては、フローチャートがよく知られていますが、PADは、フローチャートの欠点を補って、さらに論理構造をすっきりした形で可視化することが可能な図面です。
PADを使うと、論理構造を目で見て理解しやすく可視化することができるので、頭の中をすっきり整理することができます。
JIS規格に「プログラム構成要素及びその表記法」というのがあって、手続き的アルゴリズムの制御構造を表現する方法を定義していて、フローチャートやPADなどいくつかの表記方法が紹介されています。
https://kikakurui.com/x0/X0128-1988-01.html
PADを推奨する理由は、「仕様が決まっていれば誰が描いても同じものになる」からです。誰が描いても同じものになるので、誰が見ても分かりやすいということです。
Qiitaの下記投稿で紹介されているので、ここでは説明は省略します。
https://qiita.com/madilloar/items/1455245130ba0e94f7df
PADをExcelで描きたいときの悩み
ロジックの可視化にPADが有効なことは分かっていても、Excelを使ってPADを描こうとすると、PADで使う一部の図形が、Excelの図形のテンプレート「フローチャート」の中に無いので、フリーフォームで図形を用意する必要があります。
さらに、ExcelでPADを描いてみて一番面倒だったのは、常に図形を左揃えにしなければならないことでした。ロジックを可視化して頭の中を整理したいのに、絵を描く作業に時間を費やすことになって、モヤモヤした気持ちになりながらPADを描くことになります。
左揃えはVBAで自動化する
そこで私が提案したいのは、左揃えボタンをクリックすることで適当に配置した図形を左揃えする処理を実装した、PAD作成用のExcelテンプレートファイルを用意しておくことです。このテンプレートがあれば、案外ExcelでPADを描くというのが現実的になるんじゃないでしょうか。
まとめ
PADは私が新卒で会社に入社してから間もない時に教わったのですが、簡単な描き方のルールさえ覚えれば、誰でも使えるようになりますから、40年以上経った今でもスラスラ描けてしまいます。全く廃れることのない素晴らしい設計手法だと思います。
作成したPADをデザインレビューに回すとしたら、レビューアのコメントを追記したくなりますし、ドキュメントとして残す場合は、ロジックだけではなくて処理の意味を記載しておくことも必要になります。そんなとき便利なのは、やっぱりExcelじゃないかなと考えて、PADをExcelで描くためのテンプレートのアイデアについて書きました。