はじめに
私はこれまで、社内向けに 業務自動化・業務効率化ツール をいくつも作ってきました。
Power Automate、Python、VBA、Teams、SharePoint…いろんな仕組みを組み合わせて、「人の仕事を楽にする」ためのツールを作ってきました。
ただ、その中で何度もこう感じました。
「技術的には’絶対そっちの方がいい’のに、なぜか刺さらない」
「自動化すれば楽になるのに、みんな手作業を手放さない」
今日は、そんな現場での経験から
キレイごとではなく、本当に感じたことをまとめてみます。
① 「知識がある側」と「慣れている側」は見ている世界が違う
まず大きかったのがこれです。
私は一応、
「こうすれば自動化できる」
「こう設計すれば改善できる」
という 知識を持つ側の人間 です。
でも現場の多くの人は違います。
- これまでずっと手作業でやってきた
- それが当たり前になっている
- なんなら、【多少大変な方が仕事してる感ある】 くらいの人もいる…。
そのため、こちらが
「ここ、自動化できますよ」
「こうすると一発でできますよ」
と言っても、
必ずしも刺さらない ことがあります。
「私は今のやり方で困ってないんで」
「慣れてるから、このままで」
こう言われた経験ある人も多いのでは…?
② 「自分がやりたいこと ≠ 相手が求めていること」
自動化は技術的には面白いし、
うまくいくと「おおー!できた!」ってテンションも上がる。
でもそこで一度立ち止まって、自分に言い聞かせるようになりました。
「これは [自分が作りたいから作る] のではないか?」
「本当に相手が望んでいることか?」
自分の理想と、現場が求めるものは、
本当にしょっちゅうズレます。
自分の正義 だけで走らないこと。
これがすごく大事です。
実際、最近でも「ここからここの部分は自動化できる」と言っても
「それは押し付け。あなたが自分でやりたいだけでは?(大意)」と言われたことも。
③ でも、「知らないだけ」の人も本当に多い
ただし、ここが面白いところで。
「今のやり方に慣れてるから」
「別に困ってないし」
と言っている人でも、
こちらが
「実はこういうやり方があって」
「この仕組みを使うと、ここまで自動化できるんです」
と 具体例まで見せると、
「え、そんなことできるの!?」
「それ、めちゃくちゃ良いね!すごい!」
と表情が一気に変わる人も相当多いです。
つまり、
- [拒否]ではなく
- [イメージが湧いていなかっただけ]
というケースも本当に多い。
だから、
「どうせ理解されないし言っても無駄なのかな」
と諦めるのではなく、
ちゃんと説明してみる。話してみる。
ここは本当に大事だと感じています。
なので、まず話してみる。やり方を伝えていく。
そこから自動化のスタートだと思っています。
④数字で語ると、人は納得してくれる
自動化の話をするとき、
「楽になりますよ!」
だけだと弱いです。
現場の人は、[感覚]ではなく [現実] を見ています。
そこで効いたのが以下です。
✔ 手作業
→ 1回あたり◯分
→ 月◯回 → 合計◯時間
✔ 自動化すると
→ 実働時間◯分
→ 実質ほぼ放置
→ 年間◯時間削減
こうして ちゃんと比較を出す。
これはすごく効きました。
数字は強い。感覚論よりはるかに説得力があります。
⑤自動化は「楽するため」ではない
自動化はヒューマンエラーから守る[安全装置]
よく言われるのがこの2つ。
「手作業でもできてるし」
「別に困ってない」
でも、自動化の本質は
「楽するため」
だけではないと思っています。
大事なのは、
- ミスを減らす
- 担当者の負担を減らす
- 精神的ストレスを減らす
つまり
ヒューマンエラーから人を守ること。
これを説明すると、
「あ、それは確かに…」と納得してくれる人が一気に増えました。
自動化の本当のメインは「ヒューマンエラーを防ぐ」ことにあります。
⑥それでも「自動化の方が遅い」こともある
正直に言います。
すべての自動化が「手作業より速い」わけではありません。
- 処理の準備が必要
- システム側の待ちがある
- 初期設定が重たい
- データが大量にある
・・などなど。
結果として、
「自動化したのに、手作業より遅い…」
という場面も実際にあります。
でも、それでも価値があります。
なぜなら、
- 毎回同じ精度で処理できる
- 人の集中力に依存しない
- ミスしない
- 担当者の脳みそを消費しない
- 手が空くので他の作業ができる(こともある)
これは実は ものすごく大きい。
だから私はこう言います。
「スピードだけではない。
自動化は [安心して任せられる仕組み] を作ることなのです。」
まとめ
業務自動化をやってきて思ったのは、
- 技術の話に見えて実はかなり 【人の話】 だということ。
そして、
- すぐ刺さらないこともある
- 受け入れてもらえないこともある
- でも、ちゃんと説明すれば届くこともある
それでもやはり
自動化は 人を助ける優しい技術 だと私は思っています。
これからも、
ただ「作る人」ではなく、
[人の仕事にちゃんと寄り添える人]
でいたいなと思いながら、
また次の仕組みを作っていこうと思っています。