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Raspberry PiによるSOS発報システム その4 ~ハードウェアの準備

Last updated at Posted at 2020-01-06

もくじ

その1 ~システム概要
その2 ~GPIOを利用したスイッチの状態検知
その3 ~アルゴリズム設計
その4 ~ハードウェアの準備 ←本記事です
その5 ~自動メール送信でハマる
その6 ~キャリアグレードNAT下の端末に外部からSSHでアクセスする
その7 ~総括

はじめに

前回は本システムを実現するプログラムのアルゴリズムについて述べました。
今回は,実際に準備したハードウェアについて写真を交えて紹介してみようと思います。

これがないと始まらない...

今回このシステムを設置した住宅にはインターネット環境がありませんでした。
そこで,格安Simを使ってWi-Fi環境を構築しました。
Wi-Fiルータは普段の生活の邪魔にならない場所...今回はトイレの換気扇付近に壁掛けで設置しています。
このルータは据え置き型なのでバッテリーが内蔵されておらず,長期使用に伴うLi-ionバッテリーの不具合のリスクはありません...が,停電時には即ダウンしてしまいますので,その辺のトレードオフを考えながら機器選択をする必要があります。

Raspberry Pi Zero Wと拡張基板

GPIOを用いたスイッチの状態検出についてはその3で述べましたが,実際のハードウェアではそのスイッチ検出回路を13ch分用意することにしました。13chのうち,1chはドアスイッチ用,残りの12chはSOSボタン用です。
 
上図はスイッチ入力のための自作拡張基板で,左はおもて面,右はうら面です。
13chの入力は16ピンと10ピンのピンソケットで行い,スイッチ配線はこのピンソケットの穴にΦ0.8mmの銅単線を直接挿入して接続する方式としましたが,より確実に接続するにはしっかりした端子台を用意すべきでしょう。
Raspberry Pi Zero W本体とは,基板裏面に取り付けた40ピンのピンソケットで接続します。
なお,おもて面の上部に見えるタクトスイッチはシャットダウン/起動用のものです。


こちらは本体と拡張基板を重ねて接続してみたところです。

これらを100均で入手したウェットティシュケースに取り付けしました。

ウェットティシュケースには配線や固定,放熱用の各種孔があけてあります。
このケースの素材はポリプロピレンですが,耐熱温度が120℃程度とあまり高くないので,より安全性を高めるにはABS樹脂製のものを選ぶのがおすすめです。
耐熱性の観点では金属製を使うのが理想ですが,今回はWi-Fiを使う関係で金属ケースは避けています。

 
こちらは実際に据え付けた状況で,既に配線も済んだ状態の写真です。
脱衣所の壁面に据え付けたのですが,据え付け場所と100Vコンセントが離れておりACアダプタの配線を延長せざるを得なくなったため,スイッチの配線に使おうと思っていたコードを用いて延長し,さらにDCプラグとDCジャックを使わずに直接配線しました。
DCプラグとDCジャックを廃したのは,浴室の湿気による腐食で電源が不安定になることを懸念したためです。

各種スイッチ・ボタン

ドアスイッチ


こちらはトイレのドアに設置したドアスイッチ
マグネット式で,ドアが閉じているときに接点が閉じ,ドアが開くと接点も開くようになっています。

埋め込み型SOSボタン

 
こちらは埋め込み型のSOSボタンで,コンセントカバープレートにマウントしてあります。通常時は接点が閉じており,ボタンを押すと接点が開き,その状態でロックされます。
ボタンを右に回すとリセットできます。

 
こちらは埋め込み型のSOSボタンをトイレに設置した例です。床に倒れこんだ状態でも押せるよう,低い位置に取り付けています。
固定は,穴をあけた壁(石膏ボード)を,コンセントプレートと,はさみ金具で挟み込むことにより行っています。壁に穴をあける際は,穴をあけた先が空洞になっている部分を選ぶことが肝要です。
今回の孔をあけた先の空洞部分は,Raspberry Pi本体を据え付けた壁面の裏側の空間と同一空間となっていたので,配線も比較的簡単に壁内に隠すことができましたが,配線の接続先が同一空間に無い場合には屋根裏での作業が必要になります。

露出型SOSボタン

 
こちらは露出型のSOSボタンで,100均で入手した食品容器にマウントしてあります。

 
こちらは露出型のSOSボタンを階段下に設置した例です。
もっとしっかりした見た目が必要な場合には露出型コンセントボックスを使うと良いと思います。

次回予告

ちょっと脱力系の低コストハードウェアの紹介はいかがだったでしょうか。
次回は実際の作動状況について紹介しようと思います。

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