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RailsアプリにDockerを導入した①【webコンテナとdbコンテナ】

Last updated at Posted at 2022-12-08

やったこと

  1. Dockerfileで、rubyイメージをベースにwebコンテナ(railsサーバー)のイメージを作成し、コンテナを起動してみた。
  2. その後、docker-compose.ymlを作成し、webコンテナとdbコンテナの2つのコンテナをまとめて起動できるようにした。

用語について

  • Docker Engine: 各アプリケーションコンテナを載せている基盤部分のソフトウェア。Linuxカーネルを利用。Docker CLIを提供。

  • Docker CLI: docker container runなど、dockerで始まるコマンドを提供。

  • Docker Desktop: WindowsやMacでDockerを使うためのGUIアプリケーション。Docker EngineやLinuxカーネルが含まれているため(Docker Composeも)、Linux以外のOSでもDocker Engineを動かせる!

  • Docker Compose: Docker CLIのコマンドをまとめて実行してくれる便利ツール。docker composeで始まるコマンドを提供。ymlファイルに実行させたいコマンドの手順書を記述する。

  • Docker Hub: Dockerのイメージレジストリを提供するサービス。ここで公開されているイメージをpullしたり、構築したイメージをここにpushしたりできる。

  • コンテナ: ホストマシン上の隔離されたプロセス(LinuxのNamespaceという機能により他と分離されている)。イメージをもとに作られる。複数のコンテナは互いに独立し、影響を与えない。起動するたびに新しいコンテナが作られる。

  • イメージ: コンテナの実行に必要なパッケージ。ファイルやメタ情報を集めたもの。複数のレイヤーからなる。Docker Hubで公開されている。

  • レイヤー: ベース(例: Ubuntu), インストールされているもの(例: PHP), 環境変数, 設定ファイル, デフォルト命令などの情報。

    • デフォルト命令:コンテナ起動時に実行するコマンド。任意の命令を実行することも可能(コンテナ起動時に指定)。コンテナはメインプロセス(PID=1。デフォルト命令or起動時に指定された命令)が終了すると自動停止する。
  • Dockerfile: 既存のイメージにさらにレイヤーを積み重ねるためのテキストファイル。既存のイメージをもとに、自分のアプリに合ったイメージになるようカスタマイズする。

    • FROM: ベースイメージを指定
    • RUN: 任意のコマンドを実行
    • COPY: ホストマシンのファイルをイメージに追加
    • CMD: デフォルト命令を指定
    • ENV: コンテナにインストールされているソフトウェアの環境変数を設定(=コンテナ内に環境変数を埋め込む)
    • ARG: Dockerfile内で使える変数を設定
    • ENTRYPOINT: コンテナの実行時にデフォルトで実行するコマンドや引数を設定。CMDにデフォルトの引数や推奨のパラメータを設定し、コンテナ起動時にオプション付与で引数・パラメータを任意に変更できる。
    • EXPOSE: コンテナの実行時、指定した ネットワーク・ポートをコンテナがリッスンするように、Docker へ通知。docker run-pフラグを使い、ポートを指定することで実際にそのポートは公開される。
  • ボリュームのマウント: コンテナ内のファイルの変更を、ホストマシンに共有する。ボリュームマウントとバインドマウントの2つの方法がある。

    • ボリュームマウント: Docker Engine上に領域(=ボリューム)を確保し、コンテナ上にデータを保管する。データの保管場所は、コンテナごとに異なっている。Docker Hubの「Where to Store Data」の項目に記載がある。ホストマシンでの変更を反映させる必要がないものに向いている。(DBコンテナのデータなど)
    • バインドマウント: ホストマシンの任意のディレクトリをコンテナにマウントする。ソースコードの共有などに活用。ホストマシンでコード変更時に更新や同期の手間なく反映させることができる。絶対パスを指定することで、バインドマウントだと判断される。

コマンド

  • container run [option] <image> [command]: イメージからコンテナ起動 (image pull+container create+container start)
    • --rmオプション:コンテナ停止時に自動削除
    • --interactive --tty: コンテナを対話操作(コンテナの標準入力に接続&疑似ターミナルを割り当て)
  • image build [option] <path>: Dockerfileからイメージ作成
    • --tagオプション: イメージに名前をつけられる。イメージを参照・指定する際に便利。
    • <path>: COPYするファイルのパス
  • container exec [option] <container> command: 起動中のコンテナに接続し、linuxコマンドを実行
    • -itオプション: コンテナを対話操作

手順

  1. railsコンテナのイメージを作成
  2. イメージのビルド docker image build --tag rails:server .
  3. イメージがビルドできているか確認 docker image ls
  4. railsコンテナとdbのコンテナを起動するようなdocker-compose.ymlの作成
  5. railsコンテナが正常に起動することを確認 docker compose up→ブラウザで開けるか確認

実際に作成したDockerの設定ファイル

Dockerfile

FROM ruby:3.1.2
ARG ROOT="/karoyaka"
ENV TZ=Asia/Tokyo

WORKDIR ${ROOT}

# 必須ではないパッケージも一緒にインストールされないようにオプション付与
# MariaDB: mysqlから派生。高性能。
RUN apt-get update && \
    apt-get install -y --no-install-recommends \
                  mariadb-client tzdata libvips

COPY Gemfile ${ROOT}
COPY Gemfile.lock ${ROOT}
RUN gem install bundler
RUN bundle install --jobs 4

EXPOSE 3000

CMD ["rails", "server", "-b", "0.0.0.0"]

docker-compose.yml

version: "3.9"
services:
  web:
    build: .
    command: bash -c "rm -f karoyaka/tmp/pids/server.pid && bundle exec rails s -p 3000 -b '0.0.0.0'"
    volumes:
      - .:/karoyaka:cached
      - bundle:/usr/local/bundle
    ports:
      - '3001:3000'
    depends_on:
      - db
    stdin_open: true
    tty: true
    environment:
      MYSQL_PASSWORD: password

  db:
    image: mysql:8.0
    environment:
      MYSQL_ROOT_PASSWORD: password
    ports:
      - '3307:3306'
    volumes:
      - mysql_data:/var/lib/mysql

volumes:
  bundle:
  mysql_data:

それぞれのファイルで何をしているか

Dockerfile

  1. ベースイメージにruby:3.1.2を指定
  2. タイムゾーンの設定
  3. 作業ディレクトリを命名して指定
  4. コンテナ内に必要なライブラリをインストール
    1. mariadb-client: MariaDBとは、MySQLから派生した高性能なRDBMS
    2. tzdata: タイムゾーンに関するデータ集
    3. libvips: 画像処理ソフトパッケージ(解析や変形)
  5. GemfileとGemfile.lockを作業ディレクトリ内にコピー
  6. bundlerをインストールし、gemたちもインストール(並列処理で高速化)
  7. コンテナの実行時、指定したポート(3000)をコンテナがリッスンするように、Dockerへ通知(ポートの解放)
  8. バインドするIPアドレスを指定してrailsサーバー起動
    • バインディングアドレス:外部からのリクエストを受け付けるために結び付けられているIPアドレス。
    • 0.0.0.0=ワイルドカード。
    • →全てのIPアドレスからのリクエストを受け付けられるようになり、ブラウザなどコンテナ外からもコンテナ内にアクセスが可能に。

docker-compose.yml

  1. webコンテナの定義
    1. ./Dockerfileに書かれたイメージからビルド
    2. pidファイルが存在していた場合、エラーになり新たにコンテナ起動ができないので削除する(bash -c: -cで渡される文字列をコマンドとして認識して実行する)。そして、すべてのIPアドレスをバインディングアドレスとして設定してrailsサーバー起動。(commandは、Dockerfileに書いたデフォルト命令CMDを上書きする)
    3. ホストマシンのカレントディレクトリのソースコードをバインドマウント(cached:ホスト→コンテナへの反映を効率的に行うモード) & bundleというボリュームに、インストールしたgemを保管。(rubyのコンテナでは、インストールされたgemはusr/local/bundleに入るように設定されている)
    4. ホストのポート番号は3001, コンテナのポート番号は3000に設定(ポートの定義によって、ホストマシンからコンテナへのアクセスが可能に)
    5. dbコンテナの起動後に起動するよう設定
    6. 標準入出力とエラー出力をコンテナに結びつけるよう設定。=docker container run -i
    7. 擬似端末(キーボードによる入力)をコンテナに結びつけるよう設定。=docker container run -t
  2. dbコンテナの定義
    1. イメージを指定
    2. mysqlにログインするルートユーザのパスワードを定義
    3. ホストマシンのポート番号は3007, コンテナのポート番号は3006に設定
    4. mysql_dataというボリュームに、DBのデータを保管(永続化)
  3. ボリュームの作成(bundleとmysql_data)

これから

Dockerで、webコンテナとdbコンテナを起動させることができるようになった :tada:
次はシステムテスト用のchromeコンテナ、そしてジョブ永続化のためにredisコンテナ、sidekiqコンテナも起動できるように設定していく!

参考

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