Docker Compolseはとても便利ですね。私も業務内外で利用しています。
しかし、一度環境構築したあとは、docker-compose.ymlを修正する機会が少なく、ファイルに定義されている、項目やオプションの意味を忘れてしまうことが多いです。
気になった都度、調べては忘れてというサイクルを何度も繰り返しているため、今後のために1つに記事にまとめようと思います。
本記事では、私が感じたdocker-compose.yml
の個人的ポイントをいくつか記載します。
題材とするdocker-compose.yml
本記事は、Railsを使って個人開発しているサービスのdocker-compose.yml
を題材とします。
リポジトリは、 https://github.com/yuki0920/supplebox ですが、日々メンテしているので、本記事とファイル構成が若干変わっているかもしれません。
version: '3'
services:
db:
image: postgres
ports:
- '5432:5432'
volumes:
- pgdata:/var/lib/postgresql/data
environment:
POSTGRES_HOST_AUTH_METHOD: trust
web:
build: .
command: bundle exec rails server -p 3000 -b '0.0.0.0'
depends_on:
- db
ports:
- '3000:3000'
environment:
DATABASE_HOST: 'db'
tty: true
stdin_open: true
volumes:
- .:/myapp:delegated
volumes:
pgdata:
volumesについて
volumesのpgdata:/var/lib/postgresql/data
のpgdata
とは何か?
volumes:
- pgdata:/var/lib/postgresql/data
のpgdataはデータボリューム(単にボリュームともいう)を指しています。データボリュームとは、Docker Engine上に確保した領域のことを指しています。このデータのマウント方法をボリュームマウントと呼びます。
Docker Engine上の領域は、下記のように確認できます。
Rails + Dockerの場合、volumesにpgdataを渡すと、アプリケーション名_pgdata
のボリュームが作成されます。
$ docker volume ls
DRIVER VOLUME NAME
local <app_name>_pgdata
Compose ファイル・リファレンス — Docker-docs-ja 17.06 ドキュメント
volumesのpgdata:/var/lib/postgresql/data
の/var/lib/postgresql/data
とは何か?
先と同じ例ですが、
volumes:
- pgdata:/var/lib/postgresql/data
の/var/lib/postgresql/data
はコンテナ上のデータが保管されている場所です。
postgresコンテナでは、デフォルトのデータ保管場所が/var/lib/postgresql/data
となります。
このデータの保管場所は、コンテナごとに異なっており、mysqlコンテナならば、/var/lib/mysql
となります。
こうしたデータの保管場所については、ドキュメントの「Where to Store Data」の項目に記載があります。
https://hub.docker.com/_/postgres
https://hub.docker.com/_/mysql
volumesの.:/myapp
の.
とは何か?
volumes:
- .:/myapp
の.
はDockerホスト上のカレントディレクトリを指しています。こちらは、Docker Engine上ではなく、Dockerホスト上というのが先と異なるポイントです。
このようなボリュームのマウント方法をバインドマウントと呼びます。
Dockerにおける2つのボリュームのマウント方法は2通り
Dockerでは、データ領域をマウントする方法が2通りあることがわかりますので、簡単にまとめます。
1. ボリュームマウント
ボリュームマウントが良いケース
- Dockerほすとからへんしないとき(例えば、データベース用のコンテナなど)
2. バインドマウント
バインドマウントがよいケース
- ディレクトリの変更をDockerコンテナに反映したいとき(例えば、アプリケーション用のコンテナなど)
stdin_openとttyについて
stdin_open: true
とは何か?
stdin_openとは標準入出力とエラー出力をコンテナに結びつける設定です。
docker run -it <container_name>
の**-i**にあたる設定です。
tty: true
とは何か?
ttyとは、擬似端末(キーボードによる入力)をコンテナに結びつける設定です。
docker run -it <container_name>
の**-t**にあたる設定です。
コンテナのシェルを起動するには
docker run
コマンドの-itオプションについて確認します。
(シェルのような)インタラクティブなプロセスでは、コンテナのプロセスに対して tty を割り当てるために、 -i -t を一緒に使う必要があります。
Docker run リファレンス — Docker-docs-ja 17.06 ドキュメント
ドキュメントどおりですが、-itはシェルを起動する際に必要なオプションです。
docker-compose.ymlのstdin_openとttyは同様の役割として、シェルを起動するためのものと理解しておくのが良さそうです。
さいごに
今後も気になった項目、設定ががあれば追記していきます。
ご指摘等あれば、コメントいただければ幸いです。