はじめに
先日、上司からSlackの返信で一言、NYSL
とメッセージを頂きました。
一体何の事?となったので、皆さんにも共有です。
"LT会" 用に「スライドモード」で記載します。
NYSL
これはライセンスの名称です。どんな内容かご存知でしょうか?
400以上のプロジェクトで採用されています
そもそもOSSライセンスとは?
OSSライセンスは、ソースコードの利用・変更・再配布に関するルールを定めたものです。
プロジェクトにOSSを使うときは、ライセンスの内容を守る義務があります。
みなさんは、どんなライセンスをプロジェクトで利用しているか知ってますよね?
私は開発言語の中で Java
の経験が長いですが、ライセンスについては詳しくないです。
「Classpath例外」の話は何となく聞いた事がある程度です。
有名なソフトウェアライセンス
ライセンス | 商用利用 | ソース公開義務 | 改変再配布の制限 | 特許保護 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
MIT | OK | なし(著作権表示のみ) | なし | なし | 超シンプル |
Apache 2.0 | OK | なし(著作権・変更明示) | なし | あり | 特許保護が強い |
GPL | OK | あり(すべて) | 強い | なし | OSSの理想主義 |
LGPL | OK | 一部(ライブラリ部分) | 中程度 | なし | 動的リンクならOK |
BSD | OK | なし(著作権表示) | なし | なし | MITに似ている |
MPL | OK | 改変ファイルのみ | 緩い | なし | 中間的な立場 |
EPL | OK | 改変ファイルのみ | 緩い | あり | Eclipse系で使用多 |
まとめ
- 完全自由でシンプルにしたい → MIT / BSD
- 企業利用も安心、安全に → Apache 2.0 / EPL
- OSSとしての自由・共有を守りたい → GPL / LGPL
- 部分的にOSS化したい → MPL / EPL
ちょっとユニークなライセンス
ここを紹介したい!
まじめな「有名なソフトウェアライセンス」の深堀りは、有名なライセンスのまとめへ
WTFPL
世界的に採用実績の多いライセンス。その条文はほぼ一言に集約される。
0. You just DO WHAT THE FUCK YOU WANT TO.
訳:やりたいことをやるだけだ。
Good Boy License
Icons8が公開しているアイコンに適用されているライセンス。条文は次の一文のみ。
Please do whatever your mom would approve of.
訳:お母さんが認めてくれるようなことをしてください。
公式ページでは「禁止される利用」として次のようなものを挙げている。
- 刺青
- 洗ってない手で触る
- 薬物の取引
Beer-Ware License
reeBSDの開発者である Poul-Henning Kamp が自身のプロダクトに適用しているライセンス。
プログラムの派生利用者は、「このプログラムを使ってあらゆることができる」権利と、「いつか原作者に会った時に、原作者にビールをおごることができる」権利を獲得する。
/*
* ----------------------------------------------------------------------------
* "THE BEER-WARE LICENSE" (Revision 42):
* <phk@FreeBSD.ORG> wrote this file. As long as you retain this notice you
* can do whatever you want with this stuff. If we meet some day, and you think
* this stuff is worth it, you can buy me a beer in return Poul-Henning Kamp
* ----------------------------------------------------------------------------
*/
NYSL
k.inaba が自分で作ったフリーウェアに適用するために作成した日本人にはお馴染みのライセンス。
「自分一人でソースを抱え込んでるより、 他の人にいろいろいじり倒してもらう方が面白い!」 という単純な考え方に基づいています。もっと言うと 「そのいじり倒した結果が自分に帰って来るかどうかは関係ない。 自分の振ったネタからどこかで何かが始まるとしたら、 それだけで楽しいじゃん?」という気分。
おわりに
面白いライセンスがありますね。
噓と思うようなライセンスですが、ちゃんとサイトを読んでみると意外とちゃんと書いてあるんです。
また、改めてライセンスの多さと深さを知れたので、ちゃんと調べてからOSSを利用しようと再確認できました。
今回は一覧だけで、パッと飛ばした「有名なソフトウェアライセンス」を次回まとめたいと思います
参考(感謝)