Zabbixでプロセス監視を自動で設定追加する

ZabbixでSNMPのLLD(ローレベルディスカバリ)を利用して正規表現で定義したプロセスが、監視対象で動作していたら自動でプロセス監視の設定を追加する。
これでプロセス監視を１つのテンプレートに集約できる。

前提条件

監視対象にZabbix Agentがインストール済みであること

SNMP設定

1. 監視対象にsnmpdインストール

# yum install -y net-snmp
# sed -i -e 's/^#view all/view all/' -e 's/systemview none none/all none
none/' /etc/snmp/snmpd.conf
# chkconfig snmpd on
# service snmpd start

上記でSNMPで全ての項目を取得できるよう設定を変更している
別途Zabbix Serverから監視対象への 161port/udp を通信許可する

2. Zabbix Serverからsnmp疎通テスト

Zabbix Serverからsnmpwalkを実行し起動プロセスが取得できることを確認する
※52.68.137.109は監視対象のIPアドレス

$ snmpwalk -v 2c -c public 52.68.137.109 'HOST-RESOURCES-MIB::hrSWRunName'
HOST-RESOURCES-MIB::hrSWRunName.1 = STRING: "init"
.
.
HOST-RESOURCES-MIB::hrSWRunName.2374 = STRING: "zabbix_agentd"
HOST-RESOURCES-MIB::hrSWRunName.2416 = STRING: "snmpd"

Zabbix Web設定

1. 監視対象プロセスの正規表現の作成

Zabbix Webに管理者権限でログインし、管理タブ、一般、正規表現、正規表現の作成の順で進み
sshd, zabbix_agentd, snmpd とマッチするプロセスが起動しているか確認するルールを作成する。

名前　      = snmp-process-monitor
条件式      = ^(sshd"|"zabbix_agentd|snmpd)$
条件式の形式 =  結果が真

2. プロセス監視アイテム自動追加用テンプレートの作成

2-a. ディスカバリルール

起動プロセスを取得するOIDを設定

項目	値
名前	Process discovery
タイプ	SNMPv2エージェント
キー	hrSWRunName
SNMP OID	HOST-RESOURCES-MIB::hrSWRunName
SNMPコミュニティ	public

2-b. フィルター

作成した正規表現とマッチするプロセス名をマクロに設定するルール

マクロ	正規表現
{#SNMPVALUE}	@snmp-process-monitor

2-c. プロセス数取得用アイテムのプロトタイプ

項目	値
名前	proc.num[$1]
タイプ	Zabbixエージェント
キー	proc.num[{#SNMPVALUE},,,]

2-d. 仮想メモリ使用サイズ取得用アイテムのプロトタイプ

項目	値
名前	proc.mem[$1]
タイプ	Zabbixエージェント
キー	proc.mem[{#SNMPVALUE},,,]
単位	B

2-e. トリガーのプロトタイプ

プロセス数監視用トリガー

3. ホストの追加

監視対象ホストを追加し、作成したテンプレートを適用する

１時間以内に下記のようにプロセス監視が勝手に追加される

テスト環境

OS: Amazon Linux
Zabbix: 2.4.4