Proxmox Backup Serverでさくらのクラウド オブジェクトストレージが使えない
Proxmox Backup Serverのベータ版にてデータストアにS3が使えるようになっていたので、さくらのクラウド オブジェクトストレージをバックアップ先にしてやろうと画策したときのメモです。
結論
この記事執筆(2025/07/26)現在はできませんでした。
エラーログをみると、HTTP 429が大量発生しています。
<head><title>429 Too Many Requests</title></head>
<body>
<center><h1>429 Too Many Requests</h1></center>
<hr><center>openresty</center>
</body>
</html>
原因
さくらのクラウド オブジェクトストレージのリクエストレートリミットが低すぎることに起因すると考えます。
Amazon Simple Storage Serviceユーザーズガイドを確認すると次のような説明があります。
例えば、アプリケーションは、パーティショニングされた Amazon S3 プレフィックスごとに毎秒 3,500 回以上の PUT/COPY/POST/DELETE リクエストまたは 5,500 回以上の GET/HEAD リクエストを達成できます。
引用:設計パターンのベストプラクティス: Amazon S3 のパフォーマンスの最適化 - Amazon Simple Storage Service ユーザーズガイド
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonS3/latest/userguide/optimizing-performance.html
これに対し、さくらのクラウド オブジェクトストレージの仕様を確認すると「毎秒100アクセス」と記されています。
引用:オブジェクトストレージ サービス基本情報 - Sakura Cloud Docs
https://manual.sakura.ad.jp/cloud/objectstorage/about.html
実際にAWS CloudWatch等でPBSとオブジェクトストレージの通信を監視してみないとわかりませんが、おそらくこのレートリミットが低すぎるためHTTP 429が発生していると考えられます。
おまけ
これをやろうと思った理由とPBSにS3を追加する方法をメモしておきます
おもいつき
さくらのクラウド オブジェクトストレージの課金体系は容量・転送量・リクエスト数で、一定の無料枠を超えたあとに支払いが発生する仕組みです。
さくらのクラウド上のリソースからのアクセスはそれらにカウントされないような親切設計です。
この、さくらのクラウドからオブジェクトストレージにアクセスすればノーカンという仕組みを利用します。
さくらのクラウド上に仮想マシンやVPCルータを構築し、自宅サーバーやVPN装置とVPNを張ったうえで、オブジェクトストレージのエンドポイント(s3.isk01.sakurastorage.jp)をVPN経由で接続すれば転送量・リクエスト数がノーカウントになるというわけです。
この仕組みと今回のPBSのアップデートを組み合わせて、格安で仮想マシンのバックアップ先を作ってやろうと画策していました。(失敗ましたが)
PBSにS3を追加する
OS:Proxmox Backup Server Beta4.0以上
ストレージ:ローカルキャッシュ用に、ある程度余裕があるストレージ
保存先バケットと、アクセスキーを用意してください
1. S3エンドポイントを追加
-
項目 内容 S3 Endpoint ID PBS上での表示名 Endpoint s3.isk01.sakurastorage.jp ポート デフォルト(443)でOK Region jp-north-1 Access Key オブジェクトストレージのアクセスキー Secret Key アクセスキーに対応するシークレットキー Path Style 有効 Fingerprint <空白>
2. データストアの追加
あらかじめローカルキャッシュ用のストレージをマウントしておいてください
root@dev-pbs4-beta:~# mkfs.ext4 /dev/sdc
root@dev-pbs4-beta:~# mount /dev/sdc /mnt/sdc
GUI上でマウントしてもいいよ。ここでのマウントポイントは/mnt/sdcとします。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | PBS(PVE)上での識別名 |
| Datastore Type | S3 |
| Local Cache | /mnt/sdc |
| S3 Endpoint ID | S3 Ednpointsで追加した設定 |
| Bucket | 保存先バケット |
GCスケジュール等はお好みで
感想
さくらのクラウドは100GBで500円の安心仕様なので、自宅サーバーの仮想マシンをバックアップに使わせてほしいです。
AWSは苦手なんです。。。。
続報があれば随時追記していきます。

