これはUbuntuのデスクトップチームのDaniel Van Vugtが投稿した「GNOME 3.32 performance (Ubuntu 19.04)」を許可をもらって日本語に翻訳したものです。Ubuntuのデスクトップのパフォーマンスにおいて、どんな改善が行われていたかがよくわかります。
内容的には短いのですが、19.10と20.04の同様の記事の前段階として読んでおくといいかもしれません。
GNOME 3.32のパフォーマンス(Ubuntu 19.04)
すでにご存知の通り、GNOME 3.32では gnome-shell
と mutter
に対してパフォーマンスの改善が行われました。これらは4月にリリースされるUbuntu 19.04にもすべて取り込まれています。
しかしながらいくつかのものは、ここで説明しておきましょう……
3.32には以下のパフォーマンス改善策が取り込まれています:
- アイコンスプリングのアニメーション(訳注:Super+Aなどでアプリ一覧を表示する際のアニメーション)がスムーズになりました(19.04と18.10にもパッチを適用しており、18.04にも間もなく反映される予定です)
- より大きなフレームレートのモニターのサポート(19.04と18.10にもパッチを適用しており、18.04にも間もなく反映される予定です)
- デスクトップの拡大鏡を用いたズームアウト処理が滑らかに(19.04と18.10にもパッチを適用しており、18.04にも間もなく反映される予定です)
- GUIのスムーズさの邪魔になっていたこれやこれなどのブロッキングIOを回避しました
- 見逃しているかもしれない他の人々による修正など
以下は3.32には 取り込まれていません :
- レイテンシーの改善策(これやこれ)、フレームのドロップ(とあとにわかったこれ)一部についてはUbuntu 19.04にパッチとして提供するつもりです
- カーソルの移動時のCPU使用率の大幅な削減
- Waylandセッションにおけるマルチモニターサポートのハイパフォーマンス化
- スタッタリングやCPUを使用しすぎる問題への対応