0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

ナノバナナ 2の画像生成を「プロンプト一発勝負」から再現可能な仕様書に変える

0
Posted at

ナノバナナ 2で画像を1枚作るだけなら、自然言語のプロンプトでも十分です。

しかし、同じ人物を複数カットに登場させる、商品ロゴを維持する、画像内の日本語を正確に表示する、といった制作になると、長いプロンプトを1本書くだけでは管理しにくくなります。修正のたびに別の要素まで変わり、「なぜ前回と違うのか」を説明できなくなるためです。

そこで本記事では、ナノバナナ 2の入力を単なる文章ではなく、レビュー可能な「画像仕様書」として扱う方法を整理します。対象は広告、サムネイル、商品画像、インフォグラフィックなど、反復修正を前提とする画像制作です。

ナノバナナ 2は、Googleのモデル名では Gemini 3.1 Flash Image に当たります。公式情報では、文字描画、複数の参照画像、被写体の一貫性、512pxから4Kまでの出力などが特徴として挙げられています。

まず「完成条件」を文章から分離する

最初に決めるべきなのは、雰囲気のよいプロンプトではなく、何を満たせば完成なのかです。

たとえば、商品告知用の画像なら次のように定義できます。

project: spring-campaign-01
model: gemini-3.1-flash-image
purpose: ECサイトとSNSで使う新商品の告知画像

canvas:
  aspect_ratio: "4:5"
  resolution: "2K"

must_keep:
  - 商品ボトルの形状
  - ロゴの色と位置
  - モデルの髪型と顔立ち

copy:
  headline: "春の光を、肌へ。"
  subheading: "NEW BOTANICAL SERUM"
  price: "3,980円"

layout:
  product: "中央より少し右"
  headline: "左上"
  price: "左下"

exclude:
  - ロゴの変形
  - 読めない文字
  - 架空の認証マーク
  - 余分な商品

この仕様書には、画風より先に「変えてはいけないもの」を書きます。画像生成では、生成のたびに細部が変化します。固定項目を明示しておくと、変化してよい部分と失敗を区別しやすくなります。

プロンプトを7つのレイヤーに分ける

実際のプロンプトは、次の順番にすると差分を管理しやすくなります。

  1. 用途
  2. 主役
  3. 構図
  4. 画像内テキスト
  5. 光と質感
  6. 参照画像の役割
  7. 禁止事項

例:

用途:
日本のスキンケアブランドの春キャンペーン用、4:5の縦型広告。

主役:
参照画像 product_front の商品ボトルを主役にする。
形状、キャップ、ラベル、ロゴの比率を変更しない。

構図:
商品を中央より少し右に配置する。
左側には見出し用の十分な余白を設ける。

画像内テキスト:
左上に「春の光を、肌へ。」
その下に「NEW BOTANICAL SERUM」
左下に「3,980円」
表記は一字一句変更しない。

光と質感:
朝の柔らかい自然光。淡い桜色とアイボリー。
高級感のある商品写真。過度な光沢は避ける。

参照画像:
product_front は商品の同一性を保つために使う。
talent_face は人物の顔立ちと髪型だけに使う。

禁止事項:
ロゴを再設計しない。商品を追加しない。
架空のバッジ、認証、説明文を生成しない。

重要なのは、修正時にレイヤーを一つだけ変えることです。「もっと明るく」「人物を少し左へ」「見出しを大きく」を同時に変更すると、どの指示が結果に影響したのか分からなくなります。

参照画像はファイル名ではなく役割で管理する

image1.png や「2枚目の画像」のような指定は、アップロード順が変わると壊れます。参照画像には安定したIDと役割を与えます。

{
  "references": [
    {
      "id": "product_front",
      "role": "product_identity",
      "preserve": ["shape", "logo", "label_color"]
    },
    {
      "id": "talent_face",
      "role": "character_identity",
      "preserve": ["face", "hair"]
    },
    {
      "id": "mood_spring",
      "role": "style_only",
      "preserve": ["palette", "lighting"]
    }
  ]
}

ここで style_only とした画像から、人物や商品までコピーさせないことがポイントです。「何を参照するか」だけでなく、「何を参照しないか」も指定します。

画像内テキストはコピー原稿として扱う

ナノバナナ 2は文字描画が改善されていますが、生成画像をそのまま正解とみなすべきではありません。文字列はプロンプトの一部ではなく、検証対象のデータです。

最低限、次の項目を確認します。

  • 文字列が原稿と完全一致しているか
  • 句読点、長音、濁点が欠けていないか
  • 価格や単位が変わっていないか
  • 意図しない説明文が追加されていないか
  • 小さい画面でも読めるコントラストがあるか

文字修正だけを行う場合は、画像全体を再生成するより、「構図と商品は保持し、指定した文字だけを置き換える」と編集範囲を限定した方が安全です。

低解像度で探索し、高解像度で仕上げる

最初から4Kで何度も生成する必要はありません。制作工程を2段階に分けます。

1. 探索パス

  • 512pxまたは1K
  • 構図、余白、色、主役の位置を確認
  • 候補を3〜4枚に絞る
  • テキストは内容より配置を確認

2. 仕上げパス

  • 採用した構図だけを2Kまたは4Kで生成
  • 商品、人物、ロゴ、文字を個別に検証
  • 必要なら限定的な編集指示で修正
  • 最終用途のサイズに書き出して再確認

この分離により、探索中の試行回数を増やしながら、最終成果物にだけ高解像度のコストと確認時間を使えます。

合否判定を2回に分ける

レビューも、機械的な確認と視覚的な確認を分けます。

段階 確認内容
仕様チェック アスペクト比、解像度、文字列、商品数、必須要素、禁止要素
視覚チェック 主役の明確さ、視線誘導、ブランドらしさ、違和感、縮小時の可読性

判定結果は、次のような小さなログで十分です。

{
  "generation_id": "spring-campaign-01-v07",
  "result": "revise",
  "checks": {
    "copy_exact": false,
    "logo_preserved": true,
    "product_count": 1,
    "layout_ok": true
  },
  "next_change": "見出しだけを正しい日本語に置き換える"
}

一度に一つの失敗だけを直すと、再生成が説明可能になります。

初代ナノバナナとナノバナナ 2をどう使い分けるか

初代ナノバナナは Gemini 2.5 Flash Image、ナノバナナ 2は Gemini 3.1 Flash Image です。

Googleの現行ドキュメントでは、ナノバナナ 2が速度、品質、コスト、知識のバランスを取る標準的な選択肢として案内されています。初代ナノバナナで作った既存フローを維持する必要がなければ、新しい制作ではナノバナナ 2を基準にするのが分かりやすいでしょう。

一方、非常に複雑なレイアウト、厳密なブランド管理、高い事実精度が必要な最終成果物では、ナノバナナ Proを比較候補にします。実務では「探索をナノバナナ 2、難しい最終カットだけPro」という分け方もできます。

ブラウザで同じ仕様書を試す場合は、ナノバナナ 2の画像生成・編集環境やプロンプト例のライブラリを使うと、レイヤーごとの差し替えを確認しやすくなります。

※上記はGoogle公式サービスではなく、各モデルをブラウザで試すための独立したWebツールです。

実務での結論

画像生成の安定性は、プロンプトを長くするだけでは上がりません。必要なのは、制作意図を比較・検証できる形に分解することです。

  • 完成条件を先に定義する
  • 固定要素と変更可能な要素を分ける
  • 参照画像にIDと役割を与える
  • 画像内テキストをデータとして検証する
  • 低解像度の探索と高解像度の仕上げを分ける
  • 修正は一度に一項目だけ行う

ナノバナナ 2の性能が高くても、最終判断は人間の仕事です。ただし、仕様書と検証ログがあれば、失敗を分類でき、採用理由を説明でき、次の生成を改善できます。

参考資料

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?