はじめに
- Google Cloudの生成AIサービスの1つであるAgentspaceについてまとめてみました
Agentspaceとは
- Google Agentspaceは、会社の中の様々な情報を活用して業務効率化を行うことのできる生成AIサービスであり、質問や指示を行うと組織の情報をまとめて最適な答えを提供したり、必要な作業を行ってくれたりする業務の相棒として活用できます
- 主に組織内情報の検索機能・AIエージェント機能を提供し、会社のデータやシステムを組み合わせることで、一人ひとりに合った答えを見つけたり、複雑なタスクをこなすことができます
- Googleが作ったエージェント(AIアシスタント)を使うことやプログラミングせずにエージェントを自分で作ることができたりします
- ライセンスにはNotebookLM Enterpriseも含まれており、活用することができます
- 例:Agentspaceで検索した情報をNotebookLMに追加しナレッジベースとして活用する
https://cloud.google.com/agentspace/notebooklm-enterprise/docs/overview
https://cloud.google.com/agentspace/docs/choose-product#product_comparison
- 例:Agentspaceで検索した情報をNotebookLMに追加しナレッジベースとして活用する
Agentspaceのエディション
- AgentspaceにはEnterprise,Enteprise Plus,Frontlineの3つのエディションがあります。各エディションの詳細は以下に記載されています
Enterprise
- AI導入初期の組織向け。企業データの検索や、権限を考慮したタスク実行など、基本的な機能を提供
Enterprise Plus
- Enterpriseの機能に加え、Google製エージェントや高度なエージェント管理機能を提供。AIの活用をさらに進めたい組織向け
Frontline
- 現場の従業員向けに特化しており、事前にプロビジョニングされたエージェントを利用できる
- Enterpriseエディションのユーザーが50人以上いる場合に導入可能
EnterpriseとEnterprise Plusエディションの違い
- 各エディションの機能を見ていくと、Enterpriseは組織内情報の検索を目的とした利用が想定されており、Enterprise Plusは組織内の情報を活用しながら業務の自動化(AIエージェント導入) を目的とした利用が想定されています
- ブログ等でAgentspaceの機能として紹介されていることの多いAIエージェント(カスタムエージェント・Agent Gallery)によるタスクの自動化・他のAIエージェントとの連携機能はEnterprise Plusエディションが必要となる(Enterpriseエディションではできない)ことに注意が必要です
- Agentspaceというサービス名ですが、Enterpriseエディションにエージェント要素はないことに注意
同じサービスでもエディションによって目的が大きく異なるため目的に合わせたエディションの選定が重要です
Agentspaceを触る
- Agentspaceは組織向けであり個人試すにはフリートライアル版を利用するか以下のようなSkillsboostを活用することで学びながら使うことがおすすめです
フリートライアル
Skillsboost
- https://www.cloudskillsboost.google/course_templates/1401
- https://www.cloudskillsboost.google/course_templates/1191
Agentspaceを試す
アプリとデータストア(データコネクタ)
- Agentspaceの構成要素には大きく アプリ と データストア(データコネクタ) の2つの要素があり、これらを作成する必要があります
アプリ
- エンドユーザーに検索結果、アクション、エージェントを提供する機能
データストア
- データソース(Cloud StorageなどのファーストパーティデータソースやJiraやSalesforceなどのサードパーティアプリケーション)から取り込まれたデータを格納する場所
- サードパーティアプリケーションからのデータを格納するデータストアをデータコネクタと呼ぶ
事前準備
手順 | 備考・画面 |
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https://console.cloud.google.com/agentspace/products にアクセスし、AgentspaceのManageを選択 | ![]() |
Continue and activate the APIをクリック | ![]() |
設定→ライセンスでフリートライアルライセンスが適用されていることを確認する | ![]() |
ユーザを追加からライセンスを割り当てる(自動割り当てでも可) | ![]() |
設定→認証でIDプロバイダを設定する (利用するリージョンの設定を行う) |
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アプリの作成
手順 | 備考・画面 |
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アプリ→アプリを追加する→Agentspaceを選択 |
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アプリ名とエンジンID(自動付与されるがカスタム可)の設定とリージョンを選択して作成をクリック |
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データストアの作成
- 1st Party(Googleサービス)および3rd Party(Microsoft,Atlassian等)のデータソース接続方法は以下参照
手順 | 備考・画面 |
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Google Driveのデータストア作成例 |
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3rd Partyの例 3rd Partyの場合は3rd Party側で認証情報等を作成し、連携する必要がある |
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GoogleWorkspaceのデータをAgentspaceで利用するためには各ユーザがスマート機能を有効化する必要があります
https://cloud.google.com/agentspace/docs/connect-google-drive#before-you-begin
データ量が多い3rd Partyデータソースを接続する場合、上限(Enterprise:30GB/user,Enterprise Plus:75GB/user)を超えてしまう場合があります
超過分はインデックスストレージの料金が課金されることに注意が必要です
※1st Partyはインデックスストレージを消費しません
データストアの接続
手順 | 備考・画面 |
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データを接続したいアプリ→接続されたデータストア→既存のデータストアを追加 | ![]() |
接続したいデータストアと選択して追加する |
![]() ![]() |
データコネクタをAgentspaceアプリに接続しない場合、Agentspaceのデータとしてカウントされずにインデックスストレージの料金が課金されることに注意が必要です
※コンソール上でも注意が出ます
利用
おわりに
- Agentspaceについて簡単にまとめてみました
- ここでは触れていませんが、Enterprise Plusエディションであれば、Conversational Agentsで作成したエージェントを連携することもできます
- 企業での生成AI活用がしやすいサービスとなっていますので業務での活用を検討されてみてはいかがでしょうか