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OCI Architect Professional の新形式試験を受験した話

Last updated at Posted at 2024-03-02

はじめに

Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)は、AWS や Azure などと競合するパブリッククラウドの一つです。今回、その認定試験である OCI 2023 Architect Professional ​認定試験を受験しました。

この試験は、OCI ​Architect Associate 資格の次のレベルの資格として、OCI に関する専門的な知識とスキルを保有していることを証明するものです。インフラまわりを中心に広く問われる試験です。

謝辞

この認定試験を受験するにあたって、NRI(野村総合研究所)のかたの体験談のブログを参考にさせていただきました。この記事には大いに励まされました、
体験談にとどまらず、試験内容にまで踏み込んだ有益な記事ですので、試験にご興味があるかたは是非ご覧ください。

OCI 2023 Architect Professional について

前年度試験との違い

前年度版である OCI 2022 との大きな違いは 「実技試験」が導入された ことです。

これまでは、選択問題の試験でした。4つの選択肢から1つの正解を選択したり、5つの選択肢から2~3個の正解を選択するような、よく見かける問題形式です。

この選択問題は本年度も継続しているのですが、それに加えて、実技試験を行う必要があります。

項目 2022年度試験 2023年度試験
試験時間 120 分 90 分
出題数 選択問題: 50 問 実技試験:非公開、選択問題:非公開
合格ライン 65 % 実技問題:65% かつ 選択問題:65%

皆さんが気になるポイントは、以下の 3 つかなと思います。

  • 試験の全体像と合格基準
  • 実技試験とはどんなものか
  • 試験時間が短くなっていること

それぞれ具体的に見ていきましょう。

試験の全体像と合格基準

試験を開始すると「問題出題用ウインドウ」と「OCI 操作用ウインドウ」の 2 つの画面が自動的に表示されます。問題出題用ウインドウの方に、OCI への認証情報(テナンシ名+ユーザー名+パスワード)が表示されますので。OCI 操作用ウインドウに認証情報を入力してサインインを行い、実技試験を開始します。

なお、OCI 操作用ウインドウで表示されるのは、モックではなく本物の OCI 環境です。使い慣れている人であれば、安心感できるインターフェスでしょう。ただし、サインインも試験時間の一部で行うため、ここでつまずかないように注意しましょう1

問題出題用ウインドウでは、選択問題も行います。実技試験と選択問題で時間が分かれているわけではなく、自分で時間を配分する必要があります。

合格基準は「実技問題:65%」かつ「選択問題:65%」です。両方で合格基準に達する必要があることに注意してください。

実技試験とはどんなものか

OCI のコンソールにサインインして、指示されたとおりに作業をこなします。

たとえば、指定された種類のリソースを作成して、それを実際にサービスとして使えるような状態まで初期設定する、といったことをします。後述する学習コンテンツに例題が公開されていますので、それを参考に学習してください。

具体的に出題された問題については、守秘義務があるため、ここでは割愛します。

試験時間が短くなっていること

実技試験が追加されたにもかかわらず、試験時間が短くなってしまいました。時間内に試験を完了できるのか、気になる人も多いと思います。

結論から述べると、90 分でもかなり余裕があります

まず、選択問題は、前年度より問題数が減少しています 2。実技試験が追加されたといえど、全体の問題量と試験時間のバランスが取れるように調整されています。

私の場合、実技試験で設定漏れに気づかず 10 分ほどつまずきましたが、それでも 30 分ほど余りました。試験環境は外部から隔絶された環境ですので、数十分かけても解決できないなら、それ以上の時間をかけても厳しいということでしょう。

あわてず丁寧に進めれば、十分に間に合うので、どうかご安心ください。

結果と感想

無事に合格しました!

まずこの試験の良かったところを書きます。

今回新たに導入された実技試験は、素晴らしい試みだと思いました。何の経験も実践スキルもないまま座学だけで上級資格を取る、というのはよくある話だと思います(私もそのような資格を複数持っています)。しかし、実技試験では、本当に経験やスキルがある人だけが合格できます。
もちろん、実技試験によって、合格までのハードルは高くなりました。その分だけ、より意味のある資格になったと思います。

次に、この試験の気になったところです。

実技試験の導入により、選択問題の問題数が減りました2。これにより、時の運に左右される可能性があるな、と感じました。問題数が十分に多ければ実力相応の点数に平準化されます。少ない場合は、たまたま得意な分野の問題が続いたり、反対に苦手な分野の問題が続いたりすることによって、実力にそぐわない結果になりうるように思います3

総じて見ると大変良い試験でした。仕組み作りは大変だと思いますが、Oracle さんには是非この流れを続けていただきたいなと思います。

主な学習コンテンツ

Udemy などのサードパーティーにあたらなくても、Oracle 社が Oralce Mylearn というウェブサイトで無料の講義ビデオを公開しています。日本語にも対応しており、内容はとても良いです。

実技試験の例題も、このカリキュラムの中に含まれています。一度は手を動かして実践してみるとよいでしょう。ただし、OCI の永久無料枠である Always Free では作ることができないリソースも一部あるためご注意ください。OCI が初めてのかたは「30日間無料トライアル」を活用するとよいでしょう 4 。詳しくは OCI Cloud Free Tier をご確認ください。

さいごに

試験のための学習を通じて、様々な OCI の知識を獲得できます。楽しく学習して、楽しいクラウドライフを送りましょう。


  1. 逆にここでつまずいてしまうようであれば、プロフェッショナルを名乗るのは厳しそうです

  2. 具体的な問題数は非公開のためここでは書けません 2

  3. 極端な例として、たとえば問題数が 1 問しかなければ、9 割正解できる超実力者でも不運な不合格の可能性が 10% もあるわけです。

  4. OCI Architect Professional の受験には、OCI Architect Associate の事前合格が必要です。初めてという方はあまり多くないかもしれませんね…。

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