
広告を回す画面と、フォームの成果を見る画面は、ふだん別々の場所にあります。私は広告の数字を見て、それからフォームの管理画面を開き直して、回答を見て、また広告に戻る。この往復を何度も繰り返してきました。
この記事では、その往復をなくす最短の手順を書きます。やることは1つだけです。広告を扱うMCPと、フォームを扱うFORMLOVAのMCPを、同じチャットにつなぐ。これだけで、自然文で頼むだけで広告KPIとフォームの成果を1つの会話の中で突き合わせられます。
MCPというのは、AIクライアントが外部のサービスと安全につながるための共通の窓口のことです(Model Context Protocol の略です)。Claude や ChatGPT のようなクライアントは、複数のMCPサーバーに同時につながれます。今回はこの「同時につなげる」性質をそのまま使います。
最初にお断りしておくと、この記事で再現できるのは「突き合わせて、打ち手まで進める確認の流れ」です。広告の成果そのものが約束されるわけではありません。成果は、あなたの広告とオーディエンス次第です。再現するのはワークフローのほうだと思って読んでください。
前提:何が必要か
必要なものは3つだけです。
- MCP対応のAIクライアント(Claude、ChatGPT、Cursor、Windsurf など)
- 広告を扱うMCPの接続(すでに広告を回せる状態であること)
- FORMLOVAのMCPの接続
FORMLOVAのMCPは、接続用URLをクライアントに登録するだけでつながります。手順はセットアップガイドにまとめてあります。広告側のMCPは、お使いの広告プラットフォーム側の手順に従ってください。
この記事は、広告はもう回せる状態から始めます。配信のはじめ方そのものは扱いません。すでに少額でも配信が動いている、というところがスタート地点です。
ここから先は、私が8日間の少額配信で実際にチャットに打った文言を、そのまま順番に並べます。返ってきた内容と、そのときのひとこと補足をセットにしています。
手順1:広告KPIをチャットで取る
まず、配信済みの広告の成績を、管理画面を開かずに引き出します。
この期間の広告の成績を出して。消化額、クリック数、CTRを教えて。
返ってきたのは、標準的な指標の一覧です。私の8日間では、消化した広告費はおよそ6,597円、クリックは704回、CTRは12.62%でした。
CTR 12.62%は、申し込みを集める広告としてはかなり高い部類です。数字だけ見ると、悪くありません。ただ、この安いクリックが何につながったのかは、この時点では分かりません。それは次の手順で見ます。
補足として、広告のKPIは「呼ぶ→返る」が一往復で終わります。管理画面を開いてフィルタをかけ直す、という動きが要りません。ここが出発点になります。
手順2:フォームの成果と突き合わせる
ここが、2つのMCPをつないだ意味が出る場所です。
同じチャットの中で、今度はFORMLOVA側に切り替えます。広告から来た人が、その先のフォームでどう動いたかを見ます。
このフォームの回答を、広告ID別に分けて見せて。
FORMLOVAには、フォームの回答を広告ID別に分解する機能があります。どの広告から来た回答かを、フォーム側で見分けられる形で返ってきます。
ここで、片方だけでは見えなかったものがつながります。広告側だけを見ていると「クリックは来た」で終わり、フォーム側だけを見ていると「回答が来た」で終わります。同じ会話の中で2つを並べて初めて、クリックがその先につながったのかを判断できます。
獲得単価も、この場で組み立てられます。
広告の消化額を、フォームのコンバージョン数で割って、獲得単価を出して。
獲得単価は「広告費 ÷ コンバージョン数」で出せます。広告側の消化額と、フォーム側の成果数を、同じチャットの中で割るだけです。片方のMCPだけを見ていては、この計算にたどり着けません。2つを同じ会話につないでいるから、その場で出せます。
補足です。ここで切り替えに必要だったのは、画面の移動ではなく、頼む相手を変える一言だけでした。広告の話からフォームの話へ、会話の中で自然に移れます。
手順3:チャットの中でグラフにする
表だけでなく、グラフもチャットで作れます。
8日間の日次推移を、消化金額とクリックとCTRで切り替えながらグラフにして。
見たい指標を切り替えながら、日次推移をその場でグラフにできました。消化金額の山がどこにあるか、CTRがどこで跳ねたか、といった動きが、表よりも一目で分かります。
私の配信では、後半にCTRが前半の倍近くまで跳ね上がる、という不自然な動きが見えました。表示の単価が上がっているのに、クリックされやすくなる。普通なら起きにくい動きです。
ここで大事なのは、この確認に広告の管理画面を一度も開き直さなかったことです。指標を呼ぶ、グラフにする、別の指標に切り替える。全部、同じチャットの中で終わります。
手順4:配置別に割って、偏りを見つける
不自然な動きが見えたので、配置別に分解しました。どの面にどれだけ出ていたかを見ます。
配置別に分けて。どの面に表示と消化が集中しているか教えて。
偏りははっきりしていました。私の配信では、Audience Network という面に、表示の約96%、消化の約83%が集中していました。本来見せたかったFacebookやInstagramのフィードには、人の目に届く形でほとんど出ていませんでした。
ここで分かったのは、安くて高CTRに見えた配信が、その大半をAudience Networkに流していたことです。配信効率の数字は良く見えても、届け先が想定と違っていた。配置別に割らなければ、この偏りには気づけませんでした。
補足です。手順1で見た「CTRが高い」という良い数字は、手順4で割って初めて意味が変わりました。数字は、割る軸を変えると別の顔を見せます。
手順5:その場で広告を作り直す
問題が見えたので、同じ流れで修正に進みます。ここも、すべて広告を扱うMCPで実行します。
配置をFacebookとInstagramのフィードだけに限定して、Audience Networkを外した広告セットを新しく作り直して。おまかせのオーディエンス拡張はオフで。
新しい広告セットを作り直しました。配置をフィードだけに限定し、Audience Networkを外しました。クリエイティブはこれまでのものをそのまま流用しています。
作り直しから有効化まで、広告マネージャの画面を直接触らずに、会話の指示だけで進みました。しかも、配置の変更も新しい広告セットの作成も、元に戻せる操作です。試して、違ったら戻せます。
指標を読むだけでなく、読んだうえで次の手を打つところまで、1つのチャットで完結しました。これが、この記事でいちばん再現してほしいループです。
再現チェックリスト
ここまでの流れを、そのまま真似できるように1枚にまとめます。
1. MCP対応クライアントを用意する
2. 広告を扱うMCPを接続する(広告はもう回せる状態)
3. FORMLOVAのMCPを接続する(接続URLを登録するだけ)
4. 「広告の成績を出して」で広告KPIを取る
5. 「回答を広告ID別に分けて」でフォーム成果と突き合わせる
6. 「消化額をコンバージョン数で割って」で獲得単価を出す
7. 「日次推移をグラフにして」でその場でグラフ化する
8. 「配置別に割って」で偏りを見つける
9. 「Audience Networkを外して作り直して」でその場で修正する
4〜6 だけでも、広告とフォームを別画面で見る往復はかなり減ります。
7〜9 は、おかしな数字が見えたときに、原因を割り出してその場で打ち手まで進めるための流れです。
最初から全部をやろうとせず、まず4〜6の「広告KPIとフォーム成果を1つの会話で突き合わせる」ところだけ試してみるのが、いちばん手応えが早いと思っています。
つまずきやすいところ
最後に、私が引っかかった点を3つだけ。
1つ目は、フォーム側の成果を広告ID別に見るには、広告から来た流入とフォームの回答が紐づいている必要がある、という点です。計測パラメータを広告URLに付けておくと、紐づけが確実になります。ここの土台は、先に整えておくと後の突き合わせが楽になります。
2つ目は、獲得単価の数字は、フォーム側のコンバージョン数の数え方に左右される、という点です。テスト送信を成果に混ぜると、数字がぶれます。何を成果として数えるかを先に決めておくと、突き合わせの精度が上がります。
3つ目は、配置別に割るまで安心しない、という点です。全体のCTRが高くても、届け先が偏っていれば、その高さは実態を映していないことがあります。手順4を飛ばさないでください。
繰り返しになりますが、ここで再現できるのは確認と打ち手のループです。良い成果が出るかどうかは、あなたの広告とオーディエンス次第です。それでも、何が起きたのかをデータで確かめて、その場で次の手まで進められる。この流れを、1つの会話の中に持てるのが、2つのMCPをつなぐいちばんの価値だと思っています。
関連リンク
執筆・確認情報
この記事の手順と数値は、2026年5月に、実機のAIクライアントの単一チャットから、広告を扱うMCPとFORMLOVAのMCPを行き来して取得・実行したものです。配信は8日間の少額配信で、本文の数値はこの期間のものです。読者の目に触れる識別子は伏せています。広告プラットフォーム側の仕様やMCPの接続手順は変更される可能性があるため、導入時は各サービスの公式情報をあわせてご確認ください。