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OCI Compute エフェメラル・パブリックIPを予約済パブリックIPに変更する方法

Last updated at Posted at 2021-07-20

初めに

OCIのパブリック・サブネットに、Computeインスタンスが作成される場合、デフォルトはエフェメラル・パブリックIPが割当てられます。エフェメラルIPとは、インスタンスの存続期間にかぎり一時的に存在します。(AWSと違って、インスタンスを再起動してもエフェメラルIPが変わりません。)

「エフェメラルIPを予約済IPに変更したいけど、できますか?」という質問を持つ方がいらっしゃると思いますが、回答はどうでしょうか?

オラクルのドキュメントにより、以下の記述があります。

特定のパブリックIPを作成したら、そのタイプを変更することはできません。たとえば、アドレス203.0.113.2を持つエフェメラル・パブリックIPが割り当てられているインスタンスを起動した場合、このエフェメラル・パブリックIPを、アドレス203.0.113.2を持つ予約済パブリックIPに変換することはできません。」

確かに、上記の通り「特定のパブリックIP」の場合、そのまま予約済パブリックIPに変更ができません。ただ、特定ではない場合、予約済パブリックIP(別のIP)に変更できます。

例えば、予約済パブリックIPをインスタンスに付与したい場合、インスタンス作成時点、直接に予約済IPを付与できません。インスタンス作成後、エフェメラル・パブリックIPを予約済パブリックIPに変更するという手順になります。今回は、この変更方法をご紹介します。

ちなみに、エフェメラルと予約済の2種類のパブリックIPは、どちらも無料です。これは、他のクラウド・プロバイダーによりも大きな利点です。AWS、Azure、またはGCPを使用している場合は、パブリックIPの料金を支払う必要があります。

クラウド・プロバイダー OCI AWS Azure GCP
IPの名称 Public IP Elastic IP Static IP, Dynamic IP External IP
料金 無料 有料 有料 有料

変更方法
事前準備:エフェメラル・パブリックIPのあるComputeインスタンスを用意しておきます。

ステップ
1. パブリックIPを予約する
2. エフェメラル・パブリックIPを外す
3. 予約済みパブリックIPを指定する
4. OCI-CLIでの実施方法

1. パブリックIPを予約する

Networking -> IP Management -> Public IPs -> Reserve Public IP Address
指定したCompartmentに、パブリックIPの名前を入力してから、予約を実施します。

2. エフェメラル・パブリックIPを外す

Compute -> Instances -> Instance Details -> Attached VNICs
ComputeインスタンスのVNICを指定します。

VNIC Details -> Resources -> IPv4 Address -> Edit
IPv4アドレスの画面より、編集ボタンをクリックします。
image.png

編集画面に入ったら、予約済パブリックIPの選択肢が、グレーの状態となり直接に変更できません。
image.png

それで、"NO PUBLIC IP"を指定し、変更を実施します。
image.png

3. 予約済みパブリックIPを指定する

上記の変更処理が、すぐ適用されます。実施後、もう一度アドレスの編集画面を開きます。
今回は、予約済パブリックIPが選択可能の状態となります。それを選択し、ステップ1で予約したパブリックIPを指定してから、変更を実施します。
image.png

実施後、すぐ予約済みパブリックIPに変更されます。
新しいIPでインスタンスへの接続が、できる状態です。ここまで、変更処理は完了です。
image.png

4. OCI-CLIでの実施方法

事前にIPアドレスのOCIDを取得します。

a) 指定したプライベートIPのOCIDを取得
例:oci network private-ip list --ip-address <Private_IP> --subnet-id <Subnet_OCID>

b) パブリックIPを取得
例:oci network public-ip list -c <Compartment_OCID> --scope REGION --all

このコマンドの出力には、エフェメラル・パブリックIPと予約済エフェメラルIPの両方を含めます。片方のみを取得したい場合、--lifetimeをつけてください。

エフェメラル・パブリックIPの場合:--lifetime EPHEMERAL
予約済パブリックIPの場合:--lifetime RESERVED

c) 自動に割り当てられたエフェメラル・パブリックIPを解除
例:oci network public-ip delete --public-ip-id <Ephemeral_Public_IP_OCID>

d) 予約済パブリックIPの割り当て
例:oci network public-ip update --public-ip-id <Reserved_Public_IP_OCID> --private-ip-id <Private_IP_OCID>

e) 割り当てた予約済パブリックIPの解除
例:oci network public-ip update --public-ip-id <Reserved_Public_IP_OCID> --private-ip-id ""
※、プライベートIPを空白の文字列にすると、割り当てた予約済パブリックIPが解除されます。

以上です。


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