Raspberry Piと専用のカメラモジュールを使用し、ONVIF対応の監視カメラを作成するシリーズ記事です。
本記事はリンク情報システム株式会社の有志が作成しています。
前回の記事でカメラを動作させるまでセットアップできたので、今回はアプリケーションをインストールして、PCから動画を取得します。
#アプリケーションのセットアップ
###Raspberry Piに監視カメラ映像配信アプリをセットアップ
まずは、監視カメラ映像配信アプリの動作に必要なライブラリをインストールします。
RaspberryPiで標準でインストールされていないライブラリなので、以下のコマンドを実行してインストールします。
$ sudo apt-get install libjson-c3
$ sudo apt-get install insserv
次に、sambaを使い監視カメラ映像配信アプリのインストーラをRaspberry Piにコピーして、インストールを実行します。
$ sudo dpkg -i RedBrick-1.0.1-Linux.deb
※この部分は、本当は、apt-getでインストールできるように、外部向けのサーバーを立て公開したい。そうすれば、もしソフトをアップデートした場合に、apt-get upgradeで自動で修正版がインストールされるようになる。
インストールが完了すると、以下の設定ファイルが作られます。
そのまま変更しなくても起動できますが、必要に応じて変更してください。
・etc/device_info.json
本来、ROMに書き込まれる情報を想定した設定ファイル。
項目 | 説明 |
---|---|
Manufacturer | 製造者名 |
Model | モデル名 |
FirmwareVersion | F/Wバージョン |
SerialNumber | シリアル番号 |
HardwareId | ハードウェアID |
PtzEnable | パン・チルド有効(1) / 無効(0) |
・etc/onvif_setting.json
ネットワークの設定や録画ファイルの格納先などの設定ファイル。
運用時に変更される可能性がある設定を保存。
項目 | 説明 |
---|---|
DiscoveryMode | 端末アプリからの監視カメラ自動検出機能を有効(1) / 無効(0) |
Interface | ネットワークインターフェイス名 |
OnvifPortNo | ONVIF通信用のポート番号 |
RtspPortNo | 映像配信用のポート番号 |
SnapShotPortNo | 静止画配信用のポート番号 |
RecordingPath | 動画保存先 |
RecordingInterval | ファイルを分割する時間(秒) |
RecordingMode | プログラム起動時に自動録画開始を有効(1) / 無効(0) |
RecordingFileNum | 録画ファイル数の上限 上限を設定しない場合は-1 |
RecordingKeepSize | 維持する空き容量のサイズ(MB) |
SnapShotPath | 静止画保存先 |
SnapShotWidth | 静止画画像幅 |
・etc/user_info.json
ユーザー名やパスワードを保存した設定ファイル。
今回は平文のまま保存しているが、本来はTPMを使用して暗号化すべきファイル。
項目 | 説明 |
---|---|
Username | ユーザ名 |
Password | パスワード |
Level | 視聴のみ可能なユーザ(2) / 設定変更権限のあるユーザ(1) / 管理者ユーザ(0) |
インストールできたらRaspberry Piを再起動します。
再起動と共に監視カメラ映像配信アプリも自動で起動します。
$ sudo reboot
###Windows PCに監視カメラ映像再生アプリをセットアップ
WindowsPCでsetup.exeを実行し、監視カメラ映像再生アプリをインストールします。
(2019/10/16追記 setup.exeはクライアントアプリのインストーラです。近日バイナリを公開します)
インストールが完了したら、監視カメラ映像再生アプリを起動します。
###監視カメラ映像の再生
監視カメラ映像再生アプリを起動すると、一覧画面が表示されるので、右下の「...」ボタンをクリックします。
設定画面が表示され、左側の一覧部に 未登録のカメラ が自動検出されます。
この 未登録のカメラ を選択すると右側の URL が表示されるので、IPアドレスからRaspberry Piのカメラであるか確認できます。
「設定変更」をクリックして変更画面を表示します。
Raspberry Pi上のetc/user_info.jsonに設定されている ユーザ名 と パスワード を入力して、「ログイン確認」をクリックします。
確認に成功したら、 名称が 未登録のカメラ から raspicam に変わります。
表示位置 に "1" を選択し、「OK」で閉じます。
設定画面に戻り、設定内容を「保存」して閉じます。
一覧画面に戻るとraspicamから取得した静止画が表示されます。
静止画をクリックして動画再生画面を表示します。
Raspberry Piから動画を取得しWindows PC上で表示できました。
また、カメラに映っている台座を動かしたところ、動体検出処理が実行され、一覧画面上のraspicamの静止画が強調表示されました。
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