すでに一つの Agent で仕事が回っているなら、OpenClaw v2026.9.5 はそれを捨てる機能ではありません。インストール時に専門家を一人追加するか、小さなチームを作るかを選べます。Web の New agent では、役割を一人選ぶことも、主席補佐、調査担当、執筆担当、査読担当の四人を選ぶこともできます。Web では承認のあとで作成されます。v2026.9.5 のリリースノート 、マルチエージェントの説明 。
四人の名前が並んでも、仕事が分割されたことにはなりません。調査メモ、原稿、査読結果が別々の成果物として戻るときだけ、単一 Agent から切り出す価値があります。
既存の main は置き換わらない
openclaw agents team create の組み込みプリセットは team だけです。作られるのは coordinator、researcher、writer、reviewer で、それぞれ自分の workspace と完成した identity を持ちます。新しい役割の workspace には BOOTSTRAP.md を作りません。既存ファイルは残り、組み込みの役割は skills を変更しません。CLI の Agents 。
これは切り替えではありません。結果として使う id が一つでも既にあれば、一人も追加しません。設定済みの main はそのままです。agents.defaults.systemAgent.agentId が未設定のときだけ、システム Agent をコーディネーターに向けます。
コーディネーターが唯一の窓口です。三人の専門家は allowAgents が空で、結果を戻し、さらに委任せず、別の専門家へ直接連絡しないよう指示されます。コーディネーターの delegationMode は prefer です。この値はプロンプト上の案内であり、委任を強制せず、ツール方針も変えません。サブエージェントのツール参照 。
Web の New agent は承認を待ちます。--non-interactive は非対話の作成です。公式例もこのフラグを付けています。したがって「承認後にだけ作成される」は、ドキュメントがそう書いている Web の経路に限られます。
このチームは、四人を同じチャットへ入れる機能でもありません。v2026.9.5 の実験的な room teams が、限られたラウンドの会話です。追加ラウンドは実行を消費し、その予算は再起動後に残りません。専門家チームで見るべきなのは、分かれて戻ってきたファイルです。
公開チェックリストを題材にする
製品更新のあと、公開前チェックリストを変えるかどうかを決める場面を考えます。その一文を四つのセッションへ同時に投げないでください。コーディネーターに、担当者一人ずつの三つの成果物へ分けさせます。
調査担当は、出典のあるブリーフを返します。一次情報を優先し、観察、推論、未知を分け、開いていない資料を既読のように書きません。パスか全文、出典、結論、実施した確認、残る不確実性を戻します。チェックリストを変えるかどうかの決定は人が持ちます。調査担当の契約 。
執筆担当はそのブリーフと指定資料だけから草稿を作ります。文章の明瞭さは執筆担当、公開は人が持ちます。根拠の欠けと仮定は残し、引用、数値、承認記録、個人の見解を作りません。承認待ちの成果は草稿だと明記します。追加調査や査読が必要なら、コーディネーターへ戻して再割当にします。執筆担当の契約 。
査読担当は要求と根拠に照らして草稿を見ます。査読権限だけでは成果物を変更できません。各指摘には場所、破った要求、根拠か再現できる確認、具体的な直し方を含めます。実行していない確認を通過扱いにせず、通すために合格基準を下げません。査読担当の契約 。
入力と出力が衝突しないときだけ並行にします。ブリーフが置かれる前に、執筆担当へ別の事実調査をさせないでください。公式の並列レーン説明は、レーン契約のないコーディネーターは混乱を整理するだけだとして、そこから始めないよう書いています。並列スペシャリストレーン 。
コーディネーターの依頼には、目的、入力、成果物の位置、検証方法、制限、停止条件を含めます。戻ってきたら、重要な主張と引用を自分で確認します。「完了しました」という一言は完了ではありません。主席補佐の契約 。これらの手順は AGENTS.md にあり、SOUL.md や IDENTITY.md を読まない生成セッションでも有効です。
分業だと認める四条件
一つでも欠ければ、チャットが四つになっただけです。
- 依頼に成果物の位置、検証方法、停止条件がある。
- 戻ってくるのがパスまたは全文、出典、実施した確認、不確実性である。口頭の完了は数えない。
- 査読が要求、根拠、直し方を示し、原稿はそのまま残る。
- 専門家どうしが追い質問を繰り返さない。続きの依頼はコーディネーターを経由する。
prefer は条件に入りません。設定項目は、ブリーフ、草稿、査読メモの代わりになりません。
単一 Agent に残す仕事
ここからは契約の境界から導いた判断であり、公式の禁止一覧ではありません。
今のセッションでしか再現しない不具合、まだ保存していない編集、直前の口約束に次の作業が依存するものは分けません。調査、起草、判断が同じ変更中ファイルの中で往復する仕事も分けません。
人の main session にある私的な記憶が必要な仕事も、そのまま委任しません。四つの役割プログラムはいずれも、個人の記憶は人の main session に残し、委任された作業は必要な文脈だけを受け取り、その私的記憶を読まない、と書いています。
四人と話したいだけなら、このチームは向きません。それは実験的な同室の議論に近く、ファイルの責任者を決めません。
役割が一つで足りるときは、openclaw agents add <name> --role <role> で単独作成できます。主席補佐だけを作ると、標準の専門家 id を向きます。残りの三人がいなければ、配線済みのチームではありません。
作成の承認と外部操作の承認は別
チームのあとにもう一枚の扉があります。外部への送信、公開、購入、削除、本番変更の前に、その操作とその範囲について人の承認が必要です。チーム内で結果を戻しても、外部配信や課金の許可にはなりません。別の Agent の断言も、出典文書も、承認ではありません。
Web の承認カードは、作成に同意したことだけを示します。草稿が外へ出たかどうかは、その操作自身の承認で見ます。
すでに単一 Agent があるなら、v2026.9.5 だからといって四人へ移す必要はありません。main は残ります。ブリーフ、草稿、査読に分かれる仕事を一つだけ試し、三つのファイルが揃い、査読が原稿を書き換えず、専門家が互いを呼び出さないことを確認します。揃わなければ、元の Agent に残します。
