【gcloud】グローバル動的ルーティング対応の VPC とサブネットを構築する手順
概要
Cloud Shell から gcloud CLI を使用し、動的ルーティングモードが GLOBAL のカスタム VPC と、東京リージョン(asia-northeast1)のサブネットを作成する手順です。
拠点間 VPN(HA VPN)や Partner Interconnect などのハイブリッドクラウド接続、および NetApp Volumes (GCNV) などのマルチリージョン・オンプレミス連携を見据えたベースネットワークを構築します。
前提条件
- Google Cloud プロジェクトが選択されていること
- Cloud Shell またはローカル環境で
gcloudCLI が利用できること
ネットワーク設計と前提条件
GCP の VPC ネットワークは、特定リージョンに閉じないグローバルリソースです(1 つの VPC の中に各リージョンのサブネットを作成する構造になります)。
また、GCP のサブネットは「リージョンリソース」であり、作成した 1 つのサブネットがそのリージョン内のすべてのゾーン(AZ)を自動的に跨いで展開されるという特徴があります(AWS のようにサブネットを AZ ごとに分ける必要がありません)。
※ ただし、1 つのサブネットを複数「リージョン」に跨がせることはできません。
本手順では、以下の単一サブネット構成を構築します。
-
VPC ネットワーク名:
gcp-vpc-tokyo(カスタムモード) -
対象リージョン:
asia-northeast1(Tokyo / 全ゾーン対応) -
VPC サブネット CIDR:
xxx.xxx.xxx.xxx/24
【IP アドレス割り当てと接続イメージ】
- Compute Engine (VM): 作成したサブネット (
xxx.xxx.xxx.xxx/24) から DHCP で IP が払い出されます(どのゾーンに VM を配置しても同じサブネット CIDR から払い出されます)。- GCNV 関連 IP: プライベート サービス アクセス(PSA)経由で、データアクセス用 IP(NFS/SMB LIF) および ONTAP クラスタ間通信用 IP(Intercluster LIF) の両方が VPC 内に自動割り当てられます。
- ハイブリッド接続 (VPN/Interconnect): 動的ルーティングモードを GLOBAL にすることで、HA VPN や Cloud Router を介して対向ネットワーク(AWS やオンプレミス)へ全リージョンのルートを自動伝播可能にします(※特定のサブネットを対向へ伝播させたくない場合は、Cloud Router のカスタムルート機能で除外制御が可能です)。
【CIDR選定の理由】
- IP アドレスの重複回避(最重要): 接続先(AWS VPC やオンプレミス拠点等)の CIDR(例:
172.31.0.0/16など)と絶対にバッティングしないプライベート IP 帯を選択しています。VPN や専用線接続では、対向側と IP アドレスが重複するとルーティングが正常に動作しません。- 十分なアドレス数の確保:
/24(256 アドレス)を指定することで、検証用の Compute Engine や各種マネージドサービスのデータエンドポイントを収容するのに十分なアドレス数を確保しています。
構築手順
Cloud Shell を開き、以下の gcloud コマンドを順番に実行してください。
1. グローバル動的ルーティングの VPC を作成
サブネットモードを custom(手動作成)、動的ルーティングモードを global に指定して VPC を作成します。
gcloud compute networks create gcp-vpc-tokyo \
--subnet-mode=custom \
--bgp-routing-mode=global
2. 東京リージョンにサブネットを作成
作成した VPC 内に、東京リージョン(asia-northeast1)用のサブネットを作成します。
gcloud compute networks subnets create gcp-subnet-tokyo \
--network=gcp-vpc-tokyo \
--region=asia-northeast1 \
--range=xxx.xxx.xxx.xxx/24
3. 設定値の確認
VPC のルーティングモードが正しく GLOBAL になっているか確認します。
gcloud compute networks describe gcp-vpc-tokyo --format="get(routingConfig.routingMode)"
GLOBAL と表示されれば正常に作成完了です。
GCP コンソールの [VPC ネットワーク] 画面から、作成された VPC とサブネットのトポロジが正しく反映されていることを確認できます。
