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OCI上のWindowsサーバーにOracle Database 19cをインストールする手順

Last updated at Posted at 2025-06-12

このシリーズの他の記事は、オラクル・クラウドの個人ブログ一覧 からご覧いただけます。

初めに

本記事では、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上の Windows サーバーに Oracle Database 19c をインストールする方法を、詳細かつ分かりやすく解説します。インストールに必要な事前準備から、実際のセットアップ手順、接続確認、さらにトラブルシューティングまで、初心者でも手順通りに進めるように構成しています。

オンプレミス環境からクラウドへの移行を検討している方や、検証目的で Windows 環境に Oracle DB を構築したい方にとって、実践的な参考になれば幸いです。

検証環境

  • インスタンス・イメージ:OCI Windows Server 2022 Standard
  • インスタンス・シェープ:1 OCPU, 12 GBメモリ
  • DBバージョン:Oracle Database 19c (シングル・ノード)
  • DBエディション:Enterprise Edition

ステップ

1. 事前準備

1-1. Windowsインスタンスの作成とロケール設定

インスタンスの作成手順は省略します。インスタンス作成直後の初期設定では、システムロケールが「英語(米国)」、表示言語も英語のみとなっています。日本語を使用するには、言語パッケージのインストールとロケールの変更が必要です。

本例では、以下の設定となっています。

  • 表示言語:日本語
  • システム・ロケール:日本語(日本)

※、表示言語は日本語で、システムロケールが日本語になっていない場合、文字化けやインストールエラーが発生することがありますので、ご注意ください。

1-2. OSユーザーの作成

デフォルトのopcでログインし、Oracle DBインストール用ユーザーを作成します。

  • ユーザー名:oracle
  • 管理者権限持ち:Yes

PowerShellのコマンド例:(管理者としての実行)

  • ユーザー作成:net user oracle <Password> /add
  • 管理者グループに入れる:net localgroup Administrators oracle /add

    作成後、アカウント管理画面には以下のように表示されます。

1-3. ORACLE_HOME ディレクトリの作成

ユーザー作成後、Oracleユーザーでログインし、ホームディレクトリを作成します。

PowerShellのコマンド例:
New-Item C:\app\oracle\product\19.3.0\dbhome_1 -itemType Directory
コマンド・プロンプトの例:
mkdir C:\app\oracle\product\19.3.0\dbhome_1

1-4. インストール・ソフトの準備

ダウンロードURL:https://www.oracle.com/jp/database/technologies/oracle-database-software-downloads.html#db_free

image.png

ファイル名:WINDOWS.X64_193000_db_home.zip (2.9GB)

※、ダウンロードの前に、Oracleアカウントを準備してください(※OCIアカウントとは異なります)。

ダウンロードが完了しましたら、圧縮ファイルをホームディレクトリに展開してください。展開には10分以上かかりますので、そのままお待ちください。

PowerShellのコマンド例:

Expand-Archive -Path C:\Users\oracle\Downloads\WINDOWS.X64_193000_db_home.zip -DestinationPath C:\app\oracle\product\19.3.0\dbhome_1

2. Oracle DBのインストール

管理者としてC:\app\oracle\product\19.3.0\dbhome_1\setup.exeを実行します。

STEP-1. 構成オプションの選択

デフォルトの設定で進めます。
image.png

STEP-2. システム・クラスの選択

デフォルトの選択肢:「デスクトップ・クラス」
この例の選択肢:「サーバー・クラス
image.png

STEP-3. インストール・タイプの選択

デフォルトの「拡張インストール」で進めます。
image.png

STEP-4. データベースのエディションの選択

デフォルトの「Enterprise Edition」で進めます。
image.png

STEP-5. Oracleホーム・ユーザーの指定

デフォルトの設定(仮想アカウントの使用)で進めます。
image.png

STEP-6. インストール場所の指定

image.png

STEP-7. 構成タイプの選択

デフォルトの選択肢:「汎用目的トランザクション処理」
この例の選択肢:「データ・ウェアハウス
image.png

STEP-8. データベース識別子の指定

デフォルトの設定で進めます。
image.png

STEP-9. 構成オプションの指定

メモリ、キャラクタセット、サンプルスキーマの3つは、デフォルト設定のまま進めます。必要に応じて適当に編集してください。
image.png

STEP-10. データベース記憶域オプションの指定

デフォルトの「ファイル・システム」で進めます。
image.png

STEP-11. 管理オプションの指定

デフォルトの設定(登録しない)で進めます。
image.png

STEP-12. リカバリ・オプションの指定

デフォルトの設定(有効化せずに)で進めます。
image.png

STEP-13. スキーマ・パスワードの指定

デフォルトの選択肢:「スキーマごとに、異なるパスワードを利用」
この例の選択肢:「すべてのアカウントに同じパスワードを利用」
image.png

STEP-14. 前提条件チェックの実行

image.png

STEP-15. サマリー

内容を確認の上、問題がなければ「インストール」ボタンをクリックしてください。
image.png

STEP-16. 製品のインストール

この検証では、インストールが正常終了するまでにおよそ25分かかりました。
image.png

STEP-17. インストール終了

image.png

3. Oracle DBへの接続

  • SQL*PlusからCDBへ接続する:
    C:\app\oracle\product\19.3.0\dbhome_1\bin\sqlplus / as sysdba
C:\Users\oracle>C:\app\oracle\product\19.3.0\dbhome_1\bin\sqlplus / as sysdba
<中略>
Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
Version 19.3.0.0.0
に接続されました。
SQL> show con_name;

CON_NAME
------------------------------
CDB$ROOT
SQL> show pdbs;

    CON_ID CON_NAME                       OPEN MODE  RESTRICTED
---------- ------------------------------ ---------- ----------
         2 PDB$SEED                       READ ONLY  NO
         3 ORCLPDB                        READ WRITE NO
SQL> alter session set container=ORCLPDB;

セッションが変更されました。

SQL> show con_name;

CON_NAME
------------------------------
ORCLPDB
SQL>
  • SQL*Plusから直接にPDBへ接続する:
    sqlplus <username>/<password>@<hostname>:<port>/<service_name>
C:\Users\oracle>sqlplus system/<password>@Windows-2022:1521/orclpdb
<中略>
Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
Version 19.3.0.0.0
に接続されました。
SQL> show con_name;

CON_NAME
------------------------------
ORCLPDB
SQL>

トラブルシューティング

問題-1: 文字化け

現象
image.png
可能な原因: システムロケールは日本語になっていない。

問題-2: インストール途中のエラー

エラーメッセージ:「Windowsのスタートメニューまたはデスクトップにアイテムを作成できません。」
可能な原因-1: システムロケールは日本語になっていない。
可能な原因-2: 管理者としての実行ではなかった。
可能な原因-3: OSのバージョンはサポート対象外。

MOSドキュメントをご参考ください。
Windows: Oracle Installer Fails To Create Desktop And Start Menu Shortcuts At The End Of Install (Doc ID 2940804.1)


参考記事
Oracle Database 19c (Windows Server版)のご利用方法
【Oracle Database 19c】インストール手順【Windows】

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