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AIが「How」を書く時代に、エンジニアは何を創るべきか?

Last updated at Posted at 2025-12-06

はじめに

AIが「How」を書く時代に、エンジニアは何を創るべきか?
〜 AI時代に読み解く『The Civilized Engineer』 〜

こんにちは。Cocone Engineering代表の李弘基です。
今年もクリスマスシーズン🎄Qiita Advent Calendarの季節がやってきました。クリスマス前のこの時期に、日々コードを書いている皆さんと「エンジニアとしての在り方」について少し立ち止まって考えてみたいと思います。

AI_and_Civilized_Engineer
※本記事の挿絵は、生成AIによって作成されました。

TL;DR

  • AIは「How(実装)」を人間以上の速度で解決する時代になった
  • だからこそ人間が担う役割は「Why / For Whom」を問うこと
  • エンジニアリングは本来“文化をつくる創造活動”
  • 技術力だけでなく、歴史・哲学・芸術といった教養が重要に
  • 2025年のエンジニアに求められるのは「技術 × 人間理解」
  • AIを恐れるのではなく、パートナーとして使いこなすことが未来をつくる

AIというパートナーが「How」を解く時代に、人間の役割とは?

GitHub CopilotやClaude CodeなどのAIツールがコードを書くスピードは、もはや人間を大きく超えました。
レビュー画面に “AIが生成したコード” が並ぶことは珍しくありません。

そんなとき、ふとこんな疑問が浮かびませんか?

「AIが実装をここまで解決するなら、私たちは何をすべきなのか?」

その答えを探すために、私は1987年の古典
『The Civilized Engineer(教養あるエンジニア)』を読み返しました。
40年前の本ですが、AI時代を生きる私たちに驚くほど刺さる内容が書かれています。

なお、フローマンの著書として日本では『テクノロジーの冤罪』(Blaming Technology)の和訳がありましたが、『The Civilized Engineer』は残念ながら未翻訳です。

技術は文化であり、エンジニアは創造者である

著者サミュエル・C・フローマンは、
「エンジニアは創造性のない計算屋」という誤解に反論し、

エンジニアリングとは、制約の中で最適解を創造する “芸術活動” である

と述べています。

私たちが設計するアーキテクチャも、毎日積み上げるコードも、
単なる機能の集合ではなく 現代の文化遺産 です。
橋を架けて都市をつないだ技師たちのように、私たちはソフトウェアで世界をつないでいます。

AIには答えられない「Why」を問う力

AIには一つだけ決定的な弱点があります。
それは “倫理や目的を判断できない” ことです。

AIは「最も効率的なコード」は生成しますが、
それが「誰を幸せにするのか」「本当に作るべきものなのか」は判断できません。

だからこそ、これからのエンジニアに必要なのは 教養(リベラルアーツ) です。

  • 歴史:技術が社会に与えてきた影響を学ぶ
  • 哲学:アルゴリズムの背後にある責任を考える
  • 文学・芸術:ユーザーへの共感力を磨く

AIがHowを高速で処理する時代、
人間は “Why / For Whom” を問い直す役割を担います。

これからの「Civilized Engineer」とは?

フローマンは「技術が人間を支配する」という技術決定論を否定し、
未来を決めるのは技術そのものではなく、
それを使う 人間の意志 であると論じました。

AI時代の“Civilized Engineer”とは、

高度な技術力と、人間への深い理解を併せ持つエンジニア

のことだと私は考えています。

AIにコードを書かせることは怠慢ではありません。
それは人間が、より高次の創造的な仕事に集中するための進化です。

まとめ:エンジニアの手は、未来を形づくる手

今キーボードを叩いているあなたの手は、
ただの入力装置ではなく、未来の社会を設計する“職人の手”です。

AIを恐れるのではなく、
AIとともに、より豊かな世界をつくるために。

AIとともに進化する時代だからこそ、
私たち人間の手で“教養あるエンジニア像”を更新していきましょう。

この冬、教養あるエンジニアというテーマを胸に、共に未来をつくっていければ嬉しいです。
メリークリスマス🎅

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