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1. 開発環境
本記事では Raspberry Pi 5 を使用しました。
主な仕様は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Raspberry Pi OS(64-bit) |
| プロセッサ | Broadcom BCM2712(クアッドコア Arm Cortex-A76,2.4GHz) |
| メモリ | 8GB(LPDDR4X SDRAM) |
プログラムの開発自体は主に Windows 上 で行いました。
普段からWindowsで開発しており、Raspberry Pi上での実行は今回が初めてだったため、まずはWindows上で開発・テストを行い、その後にPi上で動作確認をしました。
慣れている方は、直接Raspberry Pi上で開発しても問題ありません。
開発には Visual Studio Code(VS Code) を使用しました。
VS Codeは軽量ながら豊富な拡張機能を備えており、Pythonのコーディング・デバッグ・実行を統合的にサポートする高機能エディタです。これにより開発効率を大幅に向上させることができました。
2. ライブラリのインストール
以下の手順はすべて Raspberry Pi上での操作 です。
Windows環境での手順は本記事では割愛します。
多くの記事では、ライブラリの導入に直接 pip コマンドを使用していますが、私の場合はエラーが頻発し、原因を調べるうちに「pip で直接インストールすると、Raspberry Piの既存環境を壊す恐れがある」ことが分かりました。
調査の結果、仮想環境(Virtual Environment) を利用することで、より安全に開発できると分かりました。
以降では、仮想環境の概要と設定方法を紹介します。
2.1 仮想環境って何?
まず「仮想環境」とは何かを簡単に説明します。
ChatGPTによると、
💡 仮想環境とは?
ざっくり言うと、
Pythonのライブラリをプロジェクトごとに分けて管理できる仕組み
です。
これを日曜大工にたとえると、
家の駐車場でそのまま作業するのではなく、
専用の作業台(=仮想環境) を用意して、
必要な工具(=ライブラリ) を持ち込んで作業するようなものです。
新しい作業台を用意して別の作業をしたい場合は、その都度工具を持ち込む必要があります。
つまり、プロジェクトごとに独立した環境を作り、他の作業(プロジェクト)に影響を与えないようにするのが仮想環境の役割です。
2.2 仮想環境の作成と使い方
① 環境の作成
python3 -m venv ~/pollen_ai_env
ここでは「pollen_ai_env」という環境名で、ホームディレクトリ(~/)上に仮想環境を作成しています。
環境名はプロジェクトに合わせて分かりやすいものを設定してください。
② 仮想環境の有効化
仮想環境を有効化するには、以下を実行します。
source ~/pollen_ai_env/bin/activate
このコマンドを実行すると、先ほど作成した仮想環境上で作業できるようになります。
(プロンプトの先頭に (pollen_ai_env) と表示されればOKです。)
③ 仮想環境の終了
作業を終えたら、以下のコマンドで仮想環境を終了できます。
deactivate
これで元の環境に戻ります。
使い終わったら必ず deactivate を実行しておくと良いでしょう。
次回は、実際にこの仮想環境内で必要なライブラリをインストールし、AIモデルを動作させる手順を紹介します。
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