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コードは思考と検証の副産物

Last updated at Posted at 2025-09-27

AI時代、プログラマーはコードを書くのではなく価値を生む

1. はじめに

多くの人は「プログラマー = コードを書く人」と考えがちですが、現場での実態は異なります。
実際には、コードを書く時間は全体のごく一部に過ぎず、AI の登場によりその比重はますます下がっています。

では、AI 時代のプログラマーに求められる本質的な役割とは何でしょうか?

私自身の経験では、数年前までは典型的な「コードを書くプログラマー」でした。
要件を聞き、設計し、ひたすら実装する——効率は悪くなかったものの、常に時間に追われ、創造的な余白はほとんどありませんでした。

しかし、この2年間、AI を開発に本格的に取り入れるようになって状況は一変しました。
頭に浮かんだアイデアをそのまま AI に投げると、整理されたコードや設計が即座に返ってきます。私はその後、検証や改良に集中できます。
以前なら一週間かかっていた作業が、今では数日で完了します。

ある金曜日の午後、仕事が早く片付いた私はコーヒーを片手に考えました
——私の経験では、プログラマーの仕事はおおよそ 60% が思考、40% が検証であり、コードを書くことはその結果の副産物に過ぎません。


2. 60%:思考

プログラマーの最大の仕事は「問題をどう解決するか」を考えることです。
AI がコードを生成する時代だからこそ、この工程の重要性はさらに増しています。

思考のワークフロー

  • 要件理解
    • ビジネス目標を正しく把握する
    • 関係者と共通認識を作る
  • 要件整理
    • 曖昧な要件を明確化
    • ユースケースや制約条件を言語化
  • 設計(詳細化)
    • モジュール分割と責任分担:システムを独立モジュールに分割し、機能と境界を明確化、結合度を低減
    • データモデル設計:テーブル構造、フィールド定義、インデックス設計、データフローやインターフェースを明確化
    • 開発単位の分割:モジュールを実装可能な単位に分解し、複数人での並行開発をサポート
    • インターフェースと依存関係の定義:モジュール間の呼び出しインターフェース、パラメータ、戻り値を明確化、依存関係を事前に定義して衝突を最小化
    • ロールバック・修正計画:局所的なロールバックや調整戦略を設計し、誤りが出た場合の影響を最小化
  • タスク分解
    • 設計を実行可能なタスクに分解
    • 複数人での並行開発を可能にし、タスク間の干渉を低減
    • 偏差が生じた場合に局所的にロールバック可能
  • AI 指示
    • 適切なプロンプトを作成
    • 期待する成果物を明確に定義

👉 要件 → 仕様 → 設計(詳細化)→ タスク分解 → AI 指示 → コード生成

思考力が不足している場合、AI がいくらコードを書いても間違った方向に進む可能性があります。
タスク分解や設計の詳細化を怠ると、設計が完璧でも実装が混乱し、効率が低下し、修正に多くの時間を費やすことになります。


3. 40%:検証

AI や人間が書いたコードは、「動くこと」と「正しいこと」は別物です。
だからこそ、検証 が不可欠です。

検証のワークフロー

  • テスト駆動開発 (TDD)
    • コードを書く前にテストを設計
    • 生成されたコードが期待通りかを即座に判断
  • コードレビュー
    • AI 出力を鵜呑みにせず、人間の視点でチェック
    • セキュリティ、パフォーマンス、保守性を確認
  • 運用検証
    • 実際のデータ・トラフィックで動作確認
    • エッジケースや障害時の挙動を観察

👉 テスト設計 → コード生成 → 自動テスト → 人的レビュー → 本番検証

AI が生成したコードを検証せずに実行することは、ブレーキを踏まずに車を走らせるようなものです。


4. コードは副産物

AI が進化するにつれ、「コードを書くこと」の価値は低下します。
これからのプログラマーは 「コードを書く人」ではなく「コードを正しく導く人」 になるでしょう。

  • コードは思考と検証の結果を具現化した副産物
  • 重要なのは「どう書かせるか」と「どう検証するか」
  • フレームワークや AI により、「手書き不要のコード」が増加している

5. 学びと示唆

AI 時代のプログラマーの価値とは?

  • 設計力:AI に正しい指示を出す能力
  • 検証力:AI の出力を見抜き、テストで保証する能力
  • 問題解決力:ビジネス要件を技術に翻訳する能力
  • ビジネス価値発掘力
    • 現行および将来の業務ニーズを分析
    • 優先順位を設定し、最も効果的にビジネスをサポート
    • プロダクト力を向上させ、自己価値を高める

差別化要素はコード量ではなく、思考力、検証力、設計力、ビジネス価値洞察力です。


6. まとめと挑戦的結論

プログラマーの仕事は 60% 思考、40% 検証
コードを書くことは「副産物」に過ぎません

AI の登場により、人間は設計と検証、さらにビジネス価値最大化の思考により多くの時間を割くべきです。
真のプログラマーは「コード職人」ではなく 「問題解決者」 であり、AI と共に価値を創造する 戦略家 です。

最後に挑発的に言い切ります:
あなたが書くコードに価値はない。価値があるのは、そのコードを通じて実現しようとしていることだ。

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