🔧 背景

日常的にログファイルを解析したり、CI/CD のビルドログを読み込んだりする場面は多いと思います。ここで、Unix系の発想力の高いフィルタコマンドの代表格「cut」や「awk」が注目されるわけですが、これらに比べて、もっと直感的でわかりやすいコマンドが欲しいと思ったことはありませんか？
そこで、もっと直感的にログ抽出ができるCLIツールをRustで作りました。

`xcut` とは？

Rustで開発された、以下のような特徴を持つコマンドです:

--cols で指定した列だけを抽出
--filter で情報を行単位で濾り返し
--delim / --max-split で枠切り解析に対応
次のユースケースでも役立ちます

💡 ユースケース：「エラーの内容と発生時刻だけを取り出したい」

🔍 例：`system.log`

2024-06-01 10:00:00 INFO    Service started
2024-06-01 10:05:12 ERROR   Connection timeout: DB
2024-06-01 10:06:30 WARN    Retry requested
2024-06-01 10:07:01 ERROR   Disk full on /var

✅ `xcut` での実行

xcut --input system.log \
     --filter 'col(3) == "ERROR"' \
     --cols 1,2,4 \
     --delim ' ' --max-split 4

✅ 出力

2024-06-01 10:05:12 Connection timeout: DB
2024-06-01 10:07:01 Disk full on /var

🤔 `cut` / `awk`との比較

ツール	難点	`xcut` の強み
`cut`	`--max-split`がない。条件フィルタ不可	`--filter`, `--max-split`
`awk`	構文が複雑で習得が難しい	`col(N) == "val"` の直感構文
`grep`	フィールド抽出不可	`--cols` で任意フィールド取得

🧠 応用：パターンマッチ

xcut --input system.log \
     --filter 'col(4) =~ "timeout|full"' \
     --cols 1,2,4 \
     --delim ' ' --max-split 4

2024-06-01 10:05:12 Connection timeout: DB
2024-06-01 10:07:01 Disk full on /var

🏁 まとめ

xcut は、ユーザーにやさしく、フィルタをわかりやすい形式で指定できるのが役立ちます。「データログの抽出」、「特定文字列を含む行の探索」など、grep / cut / awk を使い切れない日常の作業に役立つ手頓となるはずです。

📎 リンク

GitHub: https://github.com/kyotalab/xcut
Homebrew: brew install kyotalab/tap/xcut
Cargo: cargo install xcut