オンプレミスONTAPやCloud Volumes ONTAP(CVO)のデータを保護する為に、Cloud Backupを使ってStorageGRID、Azure Blob、Amazon S3とGoogle Cloud StorageなどCloud Object Storageにバックアップ・リストアすることができます。この記事では、NetApp BlueXPのGUI操作でCVOのデータをS3にバックアップおよびリストアをしてみたいと思います。
Keyword
- NetApp BlueXP
オンプレミス及びクラウド環境におけるストレージとデータサービスにおいて、シンプルなハイブリッドマルチクラウドを統合管理・運用する為のコントロールプレーンサービスです。 - Cloud Volumes ONTAP (CVO)
VMインスタンスにONTAPを搭載し、重複排除・圧縮・階層化などの効率化機能を提供する、クラウドストレージサービスです。CVOはONTAPのオンプレミスと同等の機能を持ち、クラウド上のファイルとブロックのワークロードに対応した高度なデータ管理を実現するSoftware-Defined Storageです。データ保護、セキュリティ、コンプライアンスなどに対応しています。 - NetApp Cloud Backup
クラウドとオンプレミスの非構造化ONTAPデータ、データベース、仮想マシンの保護やアーカイブのための、効率的な差分ブロック格納方式のバックアップ・リストアを行うサービスです。 - Amazon S3
Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)はデータを格納・管理できるオブジェクトストレージサービスです。主にウェブサイトやアプリケーションなどのデータバックアップおよび復元、アーカイブなど様々なことに利用します。
検証手順
1.BlueXPのConnecorとCVOをAmazon Cloudに作成
2.CVOのデータをS3にバックアップ
3.S3にあるバックアップをCVOにリストア
構成イメージ:
1.BlueXPのConnecorとCVOをAmazon Cloudに作成
-
BlueXPのConnector
こちらの手順を確認し、AWS ConsoleからPolicyとIAM roleを作成して、IAM roleのARN
をコピーしてAWS Credentialとして追加します。
必要な権限を確認してConnectorを追加します。
上記のAWS Credentialを選び、Wizardに従ってVPCやSecurity Groupなど必要な条件を確認した上で作成します。
AWSのConsoleからConnector(EC2)がrunningになっているのを確認します。
-
CVOとCloud backup subscription
BlueXPのGUIからAdd Working EnvironmentでCVOを作成します。Cloud backupを使う為、AWS marketplaceからSubscribe必要があります。Cloud backup licenseはこちらのドキュメントにより、PAYGO、Annual Contract、BYOLがあります。検証の為、PAYGO
にします。
AWS marketplaceに遷移し、BlueXPのConnectorと同じAWS accountを確認してContinue to Subscribe
NetApp Subscription Assignmentの画面に飛んでSave
してSubscriptionが完了です。
AWS MarketplaceからNetApp BlueXP
のsubscriptionがうまくできたOffers:New offer accepted!
メールが届きます。これでCloud backupが使える様になります。
BlueXPに戻ってWizardに従って、Connectorと同じVPC、Security GroupやKeyPairなどを確認した上でSingle Node CVOを500GB Freemium
で作成します。Cloud Tieringを使う場合Storage Efficiencyをenableして、S3 VPC endpointを作成する必要があります。今回はCloud Backupを検証する為、nfs volumeをNo Storage Efficiency
にします。
AWS ConsoleからCVOがrunning、BlueXPからBackup and recovery
がenableになるのを確認します。
AWS S3の方にnetapp-backup-xxxxxxxxx
という空のbucketが作成されています。
ここまではBlueXPのConnector(EC2)、CVO(EC2)とS3の準備は完成です。
2.CVOのデータをS3にバックアップ
- nfs volumeのbackupをActivate
- アドホックバックアップを実行
こちらの方法を参考してBlueXPのConnectorにSSHでLoginして/cvo
を作って、nfs volumeにmountします。検証のデータを書き込んだ後に、Backup Now
でアドホックバックアップを実行します。
netapp-backup-XXXXXXXX
のS3 bucketにバックアップされてるのを確認します。
-
Manage Policies
から頻度と世代をカスタマイズ
デフォルトのポリシーでは、毎日ボリュームをバックアップし、各ボリュームの直近の30個のバックアップ コピーを保持します。その他に、1時間ごと、毎日、毎週、毎月、または毎年のバックアップに変更、保持するバックアップコピーの数を変更することもできます。
3.バックアップのデータをS3からCVOにリストア
リストアの方法はBrowse & Restore
とSearch & Restore
があります。それぞれの詳細はこちらのドキュメントを参考できます。
-
Browser & Restoreにより、Folderをリストア
Restore Files or Folder
をクリックして、バックアップしたFolderを選択してリストアします。
Jobが完了してrestore_XXXXX_XXXXXXXXXXX_directory-restore-test
のFolderがリストアできました。
-
Search & Restoreにより、シングルファイルをリストア
バックアップが大量にある場合は、Search & Restore
により、簡単に検索してリストアできます。この機能使う為に、Enable Indexing
が必要です。
シングルファイルを検索してGUI Wizardからリストアします。リストアできたファイルをrestore-XXXXX-XXXXXXXXX-OriginalTextFile
を確認できます。
この機能を使うと、AWS S3にnetapp-backup-cat-XXXXX
というBucketが作成されます。catはcategoryです。
AWSのAthenaとGlueを使って検索結果を上記のS3 Bucketに保存されます。
まとめ
NetApp BlueXPのGUI操作でCloud Backupを使って、Cloud Volumes ONTAPのデータをAmazon S3にバックアップ・リストアできることを検証しました。
参考リンク
1.ONTAP
2.Create a Connector in AWS from BlueXP
3.Amazon S3 とは
4.CVO: Quick start for Cloud Volumes ONTAP in AWS
5.NetApp Cloud Backup
6.Cloud Volumes ONTAPとは?
7.オフラインもできる?ONTAPデータをObject Storageにバックアップとリストアを検証した
8.Installing the NFS client
9.To mount an ONTAP volume on a Linux client
10.Comparing Browse & Restore and Search & Restore